天空の劇場型レストランは美味く楽しく美しく @虎ノ門 9月に建て替えオープンした和製の最高峰ホテル。自粛によりクローズしていた名物レストランが再開した。 待ってましたと、4人で伺った。 丘の上の200m級のビル。最上階の41階に位置するこのレストランからの眺めは最高だ。夕方から薄暮、夜にわたり食事をしながらその景色の変化を楽しむことが出来る。 「光」のコースで特選和牛フィレとサーロインを2人前ずつオーダーし、更に銘柄牛のフィレを追加でお願いした。3種の肉を取り分けてもらって食べ比べするのが狙いだ。 この鉄板焼きのスタイルは前回の東京オリンピックの時にこのホテルで生まれたサービスだとか。なるほど。 焼き手がカウンターの中に入ってお客と対話しながら見事な調理の手捌きを見せる。東京の街並みを背景に繰り広げられるこのパフォーマンスは正に贅沢の極み。だからといって、気取っているだけで無いところがこのホテルのサービスの特徴。人懐っこさやユーモアがその洗練された会話の中に多分に織り込まれ、お客にリラックスと楽しみを与えているようだ。 さてさて、 ◆前菜 技巧を凝らした芸術的な外観の盛り合わせ。 ◆さざんかサラダ 名物とされるこのサラダはシンプルかつエレガント。和えてあるドレッシングに秘密があるのでは。 ◆車海老 活きている。それが鉄板の上で見事に裁かれる。残酷に見えないところにも工夫が。プリッとした歯応えと追いかける甘み。 頭の部分は潰して鉄板の脇に置かれ、最後にカリカリの煎餅で頂く。粋だ。 ◆帆立 真白の美味。ミディアムレアが美味しかった。 ◆蟹 旨みの濃い良質の蟹は絶妙の焼き加減で。 ◆季節の焼き野菜 玉ねぎが印象的。甘みと微かなトロミ。 ◆お肉三種(特選和牛フィレとサーロイン、銘柄牛フィレ) 銘柄牛は前沢牛。鮮やかな手捌きでカットされ、ガーリックオイルで焼いてフランベで香り付け。見事な炎に歓声が起こる。 一口食べてため息。トロけるような柔らかさと広がる旨み。肉の表面を覆うサクッとした焦げが特徴。その香ばしさが上質なスパイスのようで、食感のアクセントになっていた。 ◆ガーリックライス お約束のガーリックライス。鉄板に着いた旨味を纏い取るように炒め、おひつの中に納められる。そこで蒸されたのか、ふわっと香り高く、塩分は控えめでだ。お代わりをしつつ、目玉焼きをトッピングしてみたり。何度も楽しめる。 ◇サン・スペリー・ダラーハイト2013(アメリカ) カベルネソービニヨンが好き。酸味を抑えたフルボディが好き。ソムリエに相談して選んでもらった一本。 ナパバレーのカベルネは酸味控えめで深い。2013当たり年。ラッキーですね。そんな説明がありがたく、モチベーションが上がる。大正解。お肉にも良く馴染み、相乗的に美味し。 ◆デザート デザートテーブルに移動して。これはオークラの鉄板焼きのサービスの特徴。ここなら皆で囲んでゆったりと会話を楽しめる。 クレームブリュレにアイスをトッピング。上品。