Hiroshi  Sasaki

Hiroshi SasakiさんのMy best 2020

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東京都

ラーメン

Hiroshi  Sasaki

【銀笹らーめん 塩】 名割烹「銀座あさみ」出身の笹沼高広氏が繰り出す渾身の1杯は、もはや芸術。確実に“ラーメン屋”を超越したインパクトをくれる、素晴らしい店です。 OPEN は2010年11月。昭和通りの蓬莱橋交差点あたりから路地裏へ入ったところです。 ココには“ラーメン・つけ麺”の2種類があり、それぞれに“塩 or 白醤油”のフレーバーがあります。 オーダーは「銀笹らーめん 塩」850円。このスープがヤバいというか謎というか、まぁスゴイ。 鶏・豚の動物系も感じるし、鰹節とか煮干しも香ります。でも、特定の何かが強く主張するワケじゃなくて、すべてがバランスよく穏やかに調和しているんですよね。 こんなの味を形容する言葉じゃないけど、“美しい”っていうのが1番イメージに近いかも。 チャーシューやメンマをかじるとラーメンっぽい雰囲気が強くなるし、鯛のすり身・三つ葉・白髪ネギを食べると日本料理にグッと寄る。その応酬に翻弄されっぱなし。 そして、忘れちゃいけないのが「鯛飯」350円。コレもまたエグい。 “かたい or やわらかい”っていう物差しでは測れない、絶妙なねばり気のある炊き具合。もう完全に日本料理の世界です。 “鯛&米”をシンプルに、繊細に、スッキリと味わえます。コレ単品だけで食べても余裕で成立するレベルなんですけど…。 ココの麺鉢、縁に注ぎ口がついていまして。鯛飯にスープを注ぐと、美しいスープの中で鯛のダシ感が頭1つ抜け出す、絶品の「鯛茶漬け」になるんです。 食後には“いい店”を堪能したときと遜色ない、上品な磯感が余韻として残ります。この感覚をたった1,200円で味わえるなんて、奇跡としか言いようがない。 銀座エリアで1番好きなラーメン屋です。いや、ラーメン屋っていう認識ではないですね。何かよくワカラナイけど、とにかくスゴい店。 グルメじゃないブログ「しょくいんしつ」 http://eaters-room.blog.jp/archives/27923610.html

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東京都

中華料理

Hiroshi  Sasaki

【フカヒレの姿煮】 シェフはミシュランガイドにも頻出する名店「福臨門」出身。素材本来の味を生かした品々を楽しめる、高級志向のシノワです。 OPEN 当初は並木通りにありましたが、2008年9月から中央通り(1Fにスワロフスキーが入っているビルの9F)へ移転。 もう何年も前の話ですが、「ゴチになります!」のロケ地としても使われました。 白を基調とした店内は豪華絢爛。でも、すごく品があって。マイセンやウェッジウッドの食器がサラッと使われていたりします。 まずは、前菜「滋味溢れる9つの味わい」から。サザエみたいな高級食材に目を奪われてしまいがちだけど。 実際に食べてみると、“雑味のないピータン”とか“中国湯葉の素朴な甘み”とか、皿全体の総合力の高さを実感します。 点心は2種類。「広東風海老入り焼売」では力強いエビの存在感を、「香草と海老の蒸し餃子」では“エビ&パクチー”のコンビネーションを楽しめます。 「フカヒレの姿煮」。あっさりとしたスープが充分に馴染むほど煮込まれても、ザクザクとした歯ざわりのよさは健在。 適度に“紅酢”を加えると、爽やかな酸味との対比でスープの旨みがクッと際立ちます。 「沖縄豚のとろとろ煮」。角煮から“あざとい甘辛さ”とか“脂のしつこさ”を削ぎ落としたような味。洗練された、軽やかなおいしさです。 続いて「キンキの煮付け」。キンキの白身らしからぬ豊かな甘みが、やや強めの煮汁で巧みにデフォルメされています。 「海鮮チャーハン」。エビの旨みと玉子の甘みがあれば、あとは最低限の塩で充分。そう語りかけてくるような、あっさり仕様。 「五種キノコの蒸しスープ」は、すごくいいダシ感。すごくいい香り。 デザートは2種類です。「杏仁豆腐」は、イチゴ・パイナップル・キウイの酸味をミルキーに包み込むカンジが絶妙。 「マンゴープリン」は、プリンよりもピューレに近い印象で、豊かな果実味をたっぷり楽しめます。 なお、デザートといっしょに出された中国茶も、サラッとナルミのティーセットです。 街のギトギト中華も大好きだけど、それとは別次元。素材を極限までフィーチャーする、日本料理のようなアプローチの中華を堪能できます。 一応ドレスコードがあるからか、客層がいいのも魅力的ですね。落ち着いた空気の中でゆったり過ごすことができます。 グルメじゃないブログ「しょくいんしつ」 http://eaters-room.blog.jp/archives/44766126.html

Hiroshi  Sasaki

【殻付き生ガキ】 ココの存在なしに船橋の夜は語れません。創業1989年。オーセンティックな男・西方明氏が生み出したオーセンティックな空間「ブルーカナリア」の本店です。 みなさんは「日本バーテンダー協会」という社団法人をご存知でしょうか?簡単に言うと、バーの世界における日本政府みたいなもので。 ほんの何年か前まで会長に就任していたのは、あの岸久氏。“現代の名工”として表彰され“黄綬褒章”も受章している、ほぼ人間国宝のバーテンダーです。 加盟しているバーテンダーも錚々たる顔ぶれ。都内の有名どころだと、「酒向Bar」の酒向明浩氏とか、「Ginza Zenith」の須田善一氏とか、「リトルスミス」の佐藤 典之氏とか。 そんな組織の運営に携わっているのが、ココの西方さん。たぶん今もHPに名前が載っているハズ(何らかの役職には就いていると思うので)。 当たり前のようにグラスに入っている氷は、ブロック状から球状になるまで地道に手作業で削り上げられたもの。 その上から注がれるウイスキーが、照明の当たっている部分をキラキラと光らせる。そんな美しい光景が、ココではフツウのこと。 でも、別に高い店じゃなくて。基本的には大好きなアイリッシュ「JAMESON 12年」を飲むんですけど、シングルで850円だし。 とはいえ、求めればスゴい酒も出てきます。 「マルス」のシングルカスク「駒ヶ岳 1988」は、世界で583本しか出回らなかったうちの1本。 淡い色味からはイメージできないほど“酒”としてのギラつきがハンパない。でも、それに負けないくらいフルーツ系の甘みが濃くて、樽の香りもパワフル。 “いいニオイの吉田美和に、爆音でカツアゲされた”ような余韻が残るウイスキー。 「MARS MALTAGE 3 plus 25」。鹿児島で3年、長野で25年の計28年熟成。2013年にブレンデッドモルト部門で世界を制した1本です。 「駒ヶ岳」より味の数が多めな印象。ブワッと広がるスモーキーな香り。そして、ギラギラ。 “いいニオイの桜井和寿に爆音で説教された”ような刺激に包まれるウイスキー。 誰も興味ないと思うんですけど、ワタクシ「いつも安酒ばっかり飲んでいるヤツ」っていうブランディングなんですよ。まぁ、実際そうなんですけど。 だから、さっきの2つがいくらだったのかは書きません。書けません。高いです。 どちらも、市場価格は1本20,000円前後とかだったかな。ただ、求めれば誰でも買えるほど流通していません。あとは原価率とか加味して想像していただけたらと。 「殻付き生ガキ」は室津産で、1こ350円。 牡蠣って、身を膨らませるために下処理の段階で水に漬けるのが基本らしいんですけど、それだと多かれ少なかれ旨みは弱くなるそうで。 だから、その工程だけカットしているそうです。もちろん素材のよさはあるけど、それに輪をかけて濃厚。 ちなみに、会計をお願いすると「ポタージュ」が出ます。コレがまた格別に旨い。 んー。書きたいことの半分も書けていませんが、いったん今回はこんなカンジで。 船橋駅南口から裏通りに入って国道14号方面へ。京成線の線路をくぐると左手に見えてきます。1Fに「山清酒店」があるビルの2F。 真の“オーセンティック”とは何なのかを教えてくれる素晴らしい店なので、ぜひ。 グルメじゃないブログ「しょくいんしつ」 http://eaters-room.blog.jp/archives/19166531.html