日本橋人形町に素敵な中華料理屋さんがオープンすると聞いて、早速予約をとって訪れたのがこちらの「Ino Cantonese 日本橋 たかせ」。実は中華料理が大好きだが、なかなか食べに行く機会がなく、気づいたら久しぶりの中華だったので楽しみに訪れた8月の休日。ドアが開いて、いらっしゃいませの声。奥に続く通路を歩くと、手前がテーブル席、奥がカウンター席。カウンターは8席ほどで、通されたのは一番奥だった。
ディナーコースは13,200円(税込)。いくつかオプション変更できるようだが、初めてだったのでスタンダードで。ペアリングのワインコースが「シェフおすすめ」と「ソムリエおすすめ」があって悩ましいところだが、この日はソムリエおすすめ。なんとなくビールも飲みたくてそちらも追加で。最初の泡はアンリオ(シャンパーニュ)からスタート。
コースはこんな感じだ。勝手に構成名をつけてしまっているが、そんなにずれていないと思う。
アミューズ
・ウニと海鮮入り冷やしビーフンの和え物
前菜
・鱧とミル貝と冬瓜 オリジナルナッツ辣油と練ゴマソース
・鮎の春巻き
スープ
・金糸瓜と夏野菜入コーンスープ
魚料理
・うなぎの香り煎り焼き 実山椒と豆鼓入甘醤油ソースで
野菜料理
・二種広東野菜のガーリック塩炒め
肉料理
・南の島豚ロース焼き 上湯と豆板醤ソース ニガウリとトマトの卵炒め添え
ご飯物は以下の3種から選択
・海鮮とレタス入りチャーハン
・海老雲呑入り 香港細麺スープヌードル
・練ゴマダレの冷麺 鶏肉と野菜の黒酢和えのせ
デザート
・レモンジュレとスイカのピューレ バジルシードコラーゲンとミントの香り
小菓子
・中国茶とお菓子
最初のアミューズからいい。ビーフンの和え物だが、海鮮にイサキとイカを使用。さっぱりしているがカニのだし汁が効いていて、爽やかさの奥に爪痕を残す感じ。これがシャンパーニュと合うんだな。
前菜は魚メイン。鱧に鮎。鱧は絶妙な柔らかさで、ミル貝との食感のコントラストがいい。ナッツ辣油は辛すぎず、どちらかというと香ばしさを出すための存在。続いての鮎の春巻きがすごい。鮎を三枚下ろしにして、皮はさっと揚げる。身の部分は春巻きに巻いて仕上げているので、フワッフワな触感が楽しめるのだ。あっさりとしてるが香ばしさがあっていい。
スープはとうもろこし。コーンだけを使って旨味を引き出した丁寧な一品。オクラときゅうりに隠れて、下には金糸瓜。この金糸瓜の触感がいい。意外としっかりしているんだよね。
魚料理はうなぎ。こちらはスペシャリテとのこと。形を残しながら、中の骨だけを抜くという高等技術。実山椒のほんのりとしたシビレがいいバランス。単体だったらもっと刺激がほしいが、コースの中盤と考えると、この柔らかいシビレがいいんだよね。
野菜料理は2種の広東野菜。空芯菜と沖縄の四角豆。これをガーリック塩で炒めて、横にはJDXO醤。このXOジャンが良かったねぇ。持って帰りたい。
肉料理は豚。生姜を添えているのがさすがのポイント。豚だけでも美味しんだけど、生姜と一緒に食べると味に深みが出る。横には苦瓜(ゴーヤー)とトマトの卵炒め。赤く見えるのはパプリカソース。そのため酸味は抑えめ、さっぱりと野菜の旨みが出ている。
ご飯物をどうしようかと思っていたら、少量ずつ3種類全部でどうですか、という魅力的な提案。バイキング形式は全部食べてみるスタイルなので、迷わず3種類でお願いしてみた。結論から言うとどれも美味しいのだが、、、あえて選ぶならチャーハンと雲呑湯麺だろうか。雲呑湯麺のスープは絶品。このスープとチャーハンを一緒に食べると更に美味い。もちろん、冷麺も美味しいので、冷麺好きは是非。
ホッと一息をついて、デザートはスイカ。このスイカのデザートが良かった。ほんのりとした甘みに加えて、バジルシードとミントの脇役感がすごい。加えてレモンジュレ。酸味だけじゃなくて、ちょっとした苦味もあるので、後味がより爽やかになる。夏らしい、レベルの高いデザートだった。
最後の小菓子はマーラーカオとごま団子。
いやぁ、レベルの高い中華だった。広東料理をベースにしているためか、全体的にあっさりとしているが、旨味のバランスと掛け合わせがいい。また行きたいね。
#人形町 #中華料理