Daisuke Ando

Daisuke Andoさんの My best 2023

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Daisuke Ando

「君、酒屋ならこれが何の日本酒かわかるかな?」 日本を代表する鮨屋さんで死ぬほど緊張した時の話。 とてもお世話になっている鮨屋さんがある。今は私が提案に伺っているのだが、これはそんな親方と私の出会いの話。 職業柄食べることに興味がある私は色々なお店に勉強に行っている(基本自腹) そのお店に伺えたのは、共通の知り合いを介して知り合った池袋の紹介制BARの店主 この方がもうめちゃくちゃ食べ歩きをされていて、行きつけのお店なんか超予約困難店ばかり そして少しづつ席が空いた時に呼んで頂けるようになった。 題名のお店はその店主にお誘い頂き伺ったのが最初であった。 もちろん名前は知っていたし、はるか昔から取引があるのも知っていた。 …でも 私は一切関わってなく、話したこともない、 いわゆる、マジ初対面 おぉ、本物だ、どうしよう、 「いつもお世話になっております。酒屋の安藤と申します」 「あぁ、全然営業こないよね!…冗談冗談(笑)よろしくお願いします。」 ・・マジだな(笑) という緊張感のある?ところからスタート 最初のツマミから美味しすぎて感動していた 美味しくて酒が進んだ所で、私の酔いを覚ます出来事が… 「旨そ〜…あれ?酒がセットでついてる…」 親方「君、酒屋ならこれが何の日本酒かわかるかな?」 ざわつく店内、 盛り上がる同席者、 焦る私、 そして静まる店内… パート2に続く… To Be Continued

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東京都

寿司

Daisuke Ando

心・技・体、を兼ね備えたすし匠の総本山、四ツ谷本店。 毎回満たされた気持ちで店を出る。 この充実感はどこから来ているのだろうか。 6月の勝又親方の席。 凛とした雰囲気ながらユーモア溢れる空気感が心地よく、鮨も美味しいから追加に追加を重ねて限界まで食べてしまう。 もちろんお土産の太巻きは必ずオーダー(またここのガリがシャンパーニュに素晴らしく合うのでたくさんもらう笑) この日は焼酎ソーダ割から日本酒へ、みむろ杉、飛露喜、十四代、あたごのまつ、最後は先日蔵に行ってきた、とサービスで木戸泉アフスの昭和47年(1972年)の熟成酒を。 先日、尊敬する中澤親方にお会いし様々お話を伺い 人間としての気力に圧倒され、私もそう在りたいと思った。 人間力とも言い換えられる気力・活力というのは中澤親方から勝又親方にしっかりと引き継がれている。 一子相伝すべきは技術の伝承ではなく心の伝承である その実それが一番難しい NYのチャレンジ応援してます

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東京都

京料理

Daisuke Ando

京料理 と村 京料理ではなく「狂料理」と比喩される日本料理店。 その理由は一口含めば氷解する。 噂に違わぬ銘店であることは疑いない。 曰く「素材の質が第一で、調理の腕なんか2割で良いんです」と話す戸村さん。 料理は仕入れから始まっている、と言うがこの極上の素材を引き出す素晴らしい料理。 個人的に感じたのは、各料理、最も美味しく感じる一歩手前、、いや、半歩手前で止めているような、そんな料理。 調理や調味料が前面に出ない、素材の良さでトータルの満足感を満たす、熟練の極致。 食べ進める程に、素材の凄さをビシビシと感じます。 食後感も含めたトータルの満足感が凄すぎました。 ちなみに日本酒は〆張鶴のみ。

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東京都

懐石料理

Daisuke Ando

「日本料理は総合芸術、コースを通して判断されるべき」料理、器、設え、まで全てを監修する永坂オーナーの言葉。 日本各地最高の食材が昇華され価値ある骨董の器で供される。 蟹の皿は安土桃山時代(1573-1603年)の古備前の陶板、日本に3つ現存し、2枚は古美術商が、その1つが青草窠に。 「もはや仕事を感じさせないほど洗練された味」 当日届いた間人の蟹は透き通った甘味を持ち、三重のトップ日本酒である而今と素晴らしい相性をみせる。 而今と蟹との相性は一つの到達点と言える。 海から歩いて15秒程に蔵がある森嶋は不思議と魚介類とよく合う。よって唐墨、キャビアにも当然に合う。森嶋のミネラル感が魚介の味を引き出す。 日本海の黒鮑には日本酒界のスティーブ・ジョブズこと新政のエクリュを。木桶、生酛由来の複雑さが緻密に組み合わさる、特に肝との相性は特筆するほどに素晴らしい…。 高知あか牛ビフカツには尾張が誇る銘酒、義侠がガッチリと肩を組む。肉の旨味と酒の旨味が均衡を保つ、力のある素材には力のある酒を、がこの世界のルールだ。 ただし、ただ濃ければ良いというものではない。 日本料理の延長線に立つ小振りでピュアな牡蠣と清い味のみむろ杉は何とも洒脱な味。引き立てるとはこのこと。 小松弥助オマージュ白子ポタージュは白子の風味が凝縮した完結した世界。 後半の楽しみである焚き合わせには、イチローも毎年飲む静岡が誇る銘酒、磯自慢のブルー。 海老芋の品ある旨味に磯自慢ブルーの練れた旨味が重なる。 玄米と宮崎キャビアの組合せには目から鱗が落ちた。玄米を噛んで滲み出る旨味はキャビアの繊細な塩味と出会い昇華する。 大切なのは知ることではなく考えること、 いつも何の日本酒が合うのかを考えている。 青草窠の最上の料理の数々に日本酒を代表する銘柄を合わせるのは酒屋としてアドレナリンが出る瞬間。 最後の〆古都華と最も愛するデザートワインであるイケム96年、この相性は割愛させて頂く。 #日本酒 #青草窠 #日本料理 #ワイン 

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静岡県

割烹・小料理屋

Daisuke Ando

料理の制約と誓約、浜松 勢麟。 凄く良かった勢麟。 「旨いものを食べて欲しい」 という姿勢をビシビシと感じる まさに店名通り「勢」を感じる料理。 料理屋ではなく食べ物屋を掲げる、 全ては食材を見つめている。 1~3月 河豚屋・ジビエ、4~5月天ぷら屋 6~7月鱧屋、8~10月天然鰻屋、11~12月河豚屋。 特殊な営業形態だが各季節食べてほしい食材が明確 全シーズンを一通り体験したい気持ちに誰もがなる。 全ては「旨い」とは「何か」の追求。 硬派な料理の数々、 しかしその実、繊細な食材の本質に触れる。 その場所でしか食べられない料理。 地元産の食材が9割を占める。 鰹節は使用せず生魚から出汁を取る。 一般的に〆て熟成させ旨味を引き出す魚を淡い甘味を感じて欲しいと提供15分前に〆る。 〆たばかりの鮃は触れてはいけない繊細な生命の味。 天麩羅屋では扱わないサイズの車海老を用いたり、 揚げる温度も天ぷら屋より高いのが特徴。 美味しいを追求するとどの世界も一つの頂点へ全体が向かう。すると全体のレベルは向上するが類似してくる。 そこからまだ「離」することが個性となるのだが、勢麟は何が旨いのかを追求してこのスタイルを確立したのだと独りごちる。 ▶︎各季節で食べて欲しい食材が明確 ▶︎それを一番美味しくする調理法 ▶︎旨いとされている概念の再構築 天麩羅、鰻、河豚で確立する日本料理の懐の深さ。 良い食材が全て豊洲に集まる訳ではなし 今、地方が熱い。

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東京都

日本料理

Daisuke Ando

 京味のDNA、京味最後の弟子 「味幸(あじゆき)」 店主の南さんは京味が閉店した後ボクサーの夢を諦めきれずタイへ渡りプロボクサーとなった後帰国。 独立までは兄弟子の店、味ひろで勤め、 2022年10月に新富町に独立。 訪問したのは2023年3月。 すでに予約は3ヶ月先まで埋まっていた。 電話予約は受け付けない、紹介性、6席1日1回転。 メインで扱う日本酒と酢はボクシングの兄弟子である和歌山県九重雑賀の雑賀社長の銘柄「雑賀」「吟醸酢」「九重酢 常磐」。 それと親方の実家がある奈良県の今西酒造「みむろ杉」。 当日のコース 『蕗の薹(煮た物、揚げた物)』 『海老と細魚の手網寿司、バチコ』 『黒胡麻豆腐』 『随喜の吉野煮』 『飯蛸、花山葵、うるい酢の物』 『うすい豆の摺り流し』 『スッポンの唐揚げ』 『鯛の松皮造り(寝かさない)』 『お椀、筍、若芽、蛤の真薯』 『もろこの炭火焼』 『揚げ蕨、湯葉、筍の煮浸し』 『赤貝のぬた』 『筍ご飯、漬物』 『魯山人ご飯(昆布とろご飯)』 『わらび餅』 スッポンの唐揚げとみむろ杉特別純米辛口は最高。透明感があって綺麗な酸のあるみむろ杉が料理を引き立てる。 もろこの炭火焼きにほ雑賀純米吟醸辛口を。シャープなキレがもろこの旨味を引き出す。 料理は京味から受け継いだ流れが軸となっている 京味系は食事で味噌汁を出さない。 そして焚き合わせの甘味がかなりはっきりしている お椀が後半に出るのも京味の流れの一つ。 つまり前半のお椀と違って、味わいを濃くしなければ印象に残らない。 しばらくはこの構成を求めるお客様が多い為この流れで行くが、試してみたいことも様々あるそう。 日本料理の組み立てには正解がない。 だからこそ料理人の考え、解釈が色濃く表れる。 どの料理もヘビー級、という訳ではないが、味わいの緩急がボディブローの様にじわりと効いてくる。 前半のジャブから春を打ち込まれ、酢の物のフック お椀の右ストレート、焚き合わせのアッパー、 最後の魯山人ご飯でKO 魯山人ご飯は3杯おかわり… 当然翌日以降は減量に励んだ。 #日本料理 #日本酒 #みむろ杉 #雑賀

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東京都

寿司

Daisuke Ando

優しい緩急、不動前 すし岩澤 岩澤さんの人柄が滲み出たような、 キチッとした仕事と優しい握り。 コースの組み方、緩急が本当に素晴らしくて、量が食べられない人もここだと食べ過ぎた…といつも言っている(笑) 毛蟹の手巻きや、桜海老の素揚げ、棒寿司など 気の利いたつまみが続々と。 そして岩澤さんの日本酒のラインナップが最高に好み。 派手な酒ではなく料理に合う日本酒がずらりとセレクトされいつも飲みすぎてしまう。 モダン仙禽はつまみに最高。伯楽星、磯自慢はいつ飲んでも安心の味わい、新星の森嶋、天美は爽やかでリフレッシュする。 他は而今、飛露喜、田中六五、加茂錦、千歳鶴など今をときめく日本酒ばかり。 つまみと握りが交互に出るすし匠特有の緩急あるコースで結果、いつもかなりの量を食べてしまう。。 そして世界料理学会の時の中澤親方の言葉をいつも思い出す。 『今は味の時代、昭和は食感の時代、時代の正義は、変わる』 今の鮨を30年前にやっても流行らなかったと親方は言うが、次の時代はどんな形の鮨が出てくるのだろうか。 時代の半歩先を見て時代に合う仕事を。 そしてその時代の鮨に合わせる日本酒はやはり自分がセレクトしたい、と思う夜。

8

静岡県

ラーメン

Daisuke Ando

近くの人が羨ましい。。 静岡、いや日本でトップのラーメンだと思った。 東京の有名シェフ(ミシュラン⭐︎⭐︎フ◯リレージュ)も通う静岡、島田にあるラーメン屋。 フレンチ歴30年、東京で長年フレンチを営んでいたシェフが手がけるラーメンは5つの出汁がベースとなる。 ◾️温かいラーメン ①鴨がら鶏がら出汁 ②岩手ほろほろ鳥出汁 ③函館ほたて出汁 ④ローストした鶏がら出汁 ⑤中華蕎麦(鶏がら、鰹節、煮干) この5つをベースにそれぞれスープをセレクトする。 醤油 塩 味噌 トマト ①と③のみ選べる (そしてトマトでさらに醤油、塩、味噌を選ぶ笑) カレー ④のみセレクトできる ◾️冷たいラーメン 鰹、昆布出汁 ◾️まぜそば 冷たいラーメンのかえしをベースにごま油、 国産豚すね肉挽肉と無化調オイスターソースのそぼろ。 これは初見ではかなり悩むため、事前に下調べをしてから行った方が良いです(笑) 自家製麺、天然出汁、無化調で仕上げるラーメンは 素材の味わいが幾重にも重なる素晴らしい味わいだった。 全種類の組み合わせを試したい。。 静岡方面へ向かう時の朝食は必ずここで食べたい。 旨すぎて二日連続で訪問。 さすがに店主に顔を覚えられた(笑) #ラーメン #静岡グルメ

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東京都

そば(蕎麦)

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銀ではなく吟。 亀有が誇る蕎麦の最高峰、吟八亭やざ和。 主人は8に縁があり店名に八を加えた。 (私の祖父の名は八束で同じく8に縁があった) 鮮烈に印象に残る田舎蕎麦の香りの豊かさ。 夫婦蕎麦の太さ違いの甘味の差。 かけのキリッとした甘汁、しなやかな蕎麦。 炊くのに何日もかけるにしんの絶妙な加減、どれをとっても素晴らしい。 あまりの美味しさに3種類の蕎麦を食べてしまった。。(後悔はない) 亀有まで行く価値のある素晴らしき蕎麦屋。 両さんではなくスターYAZAWAに会いに行こう。 蕎麦のしっとりとした水分量に驚き、 その的確かつ奥深い丁寧な仕事に、 吟醸酒ならぬ〝吟蕎麦〟と言葉が浮かんだ。 日本酒はもちろん溺れるほどあり〼。

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東京都

フランス料理

Daisuke Ando

「答えがない世界には完成はなくて、完結させないといけないのだ」 ここでの体験は素晴らしい言葉を引き出してくれた  コートドールの凄さ 百聞は一見にしかず、迷わず体感するべき そのシンプルな見た目からは とても想像ができない世界が広がっている 俺を食べろ!と食材が叫ぶ 明確でド直球に投げ込まれる料理の数々  生き様を流し込んでいるような唯一無二の体験 一つの世界を突き詰めれば人の心を揺さぶる 私もそうでありたいと思った