荻窪駅北口バスロータリーの脇に入ると、小道が縦横無尽に走り飲食店がごちゃっと軒を連ねる昔ながらの雰囲気を残したエリアがある。その一角に手もみラーメン十八番はある。営業時間が午後6時からと、夜鳴きうどんならぬ夜鳴きラーメンさながら、目立つ看板もなくカウンターのみの10席程度でひっそりとしているかと思いきや、客はひっきりなしに来店する。特製十八番ラーメンを注文。鶏ガラのダシが効いたコク深い醤油スープに、手もみと謳っているだけあって、モチモチとした縮れ麺。注文してから炒められる豚バラ肉とネギに謎の旨味成分が、スープにとろみを付けて食べ終わるまで熱々。とにかく美味い。本当に美味い。まずはそれを断った上で誤解を恐れずに言うと、カップラーメンが目指した先にある究極の味、と思った。熱々でちょっとジャンクで癖になる味。もちろんカップラーメンではないから満足度は格段に違うけど、素直に気軽にまたずっと、本当一生食べ続けたいとも思わせる味だった。ラーメン荻窪エリア1位の座は当面、揺るがないだろう。