としひろSHU
北上尾駅
カフェ
ほどよい陽光が着色ガラス越しにシックな店内を優しく彩る。窓~仕切り~目隠しに至るまで、広くおしゃれなコンセプトにまとめあげている。 写真を撮りきれないため着座したハイテーブル付近のみの狭いエリアだけで御容赦。 店外には残念な安っぽいのぼりが並んでいる割に入店にはすこし勇気がいる。 今日のお客たちもこの不思議そうな空間を通りから想像しながら、いつか入店してみようと思っていた期間があったかも知れない。2017年に開店したという。 美意識の高めなお店は客を選ぶがその点が慌ただしい休日のランチに落ち着いた客層を運んでくれる。 後客の熟年カップルは予約していたようだがステンドグラス以外は取り立てて目を引くお店ではないので空き具合から判断しても予約は不要かと。 時々、車で前を通るが混み合っているのは稀。まったく隠れていない快適な隠れ家である。 カフェインに敏感な体質ゆえにメニュー選びに迷う。カフェインレス珈琲やミルクもあり画像のように2杯目は半額であるためドリンクを選択したいところだが、根室のご当地グルメ、エスカロップだけがカフェにありがちなメニューから独立していて特徴的だ。これにしよう。 根室のご当地グルメ、エスカロップとは? 日本列島は北へ行くほど東へ偏っているが日本最東端の町が北海道の根室市であり、オムライスの中身とデミグラスソース、カツを合わせたハヤシライスのような食べ物がエスカロップ(通称エスカ)である。 根室市は70年代に開店した喫茶店サテンドールを中心にジャズ文化が有名で、このお店も心地良いジャズをBGMにしている。音量は会話を邪魔するほどではなく店内装飾、ランプ類と同じく上品に適度である。 店員呼び出しボタンを押すと小鳥のさえずりが耳に届いた。オーダーからほどなくして提供されたエスカロップは画像のとおりである。ステンドコーヒー風に仕上げたエスカロップは切り分けられたカツの歯切れがよくソフトにさっくりと口に入ってくる。サラダ付で1000円あまりだが、こういった個性的なお店には500円程度のドリンクをオーダーするよりも高い単価で貢献したい。 決して混んでおらずお客の回転率も気になるところだが、お客のために居心地の良いカフェを作りたいとの意思を感じるハイセンスなお店には生き残って欲しい。子連れにも優しい空間をつくっている。しかし評価を3つ星にするには何かが足りない気がする。自分でも理由は分からない。ただ、時間が許せば再来店したい気持ちを起こさせる何かを持つお店だ。