Masayuki Sato

Masayuki SatoさんのMy best 2023

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1

神奈川県

そば(蕎麦)

Masayuki Sato

入院前の最期の昼餐に行った松風庵 この頃開店時刻12時きっかりに入らないとお客さんを大分待たせることがあると、ご主人から伺って居ましたが、金曜日12時を10分過ぎた頃到着したら、本当に机席は満席で、普段座ったことの無かった座敷席に入れていただきました。ご主人はてんてこ舞いで注文を取ったり膳を運んだり忙しそうでした。注文はそのうち取りにいらしていただけるだろうと、気長に座敷席から見える周囲の額を眺めて居たら、事務机の壁に陶淵明の勧学の最後の四行が読み返点付きで額に入れて飾ってあるのを見つけたといふ話 盛年は重ねて來らず、一日再び朝(あした)なり難し、時に及んで、まさに勉励すべし、歳月は人を待たずと謂うやつです。 若い元気な年は、再び来ない。一日のうちの朝も再び来ることは難しい。 だから、楽しめる時は思いっきり楽しむべき。歳月は人を待ってくれない。 勉励すべしとは勉強しなさいと謂ふ意味と若い頃は思って居ましたが、充実した時を過ごしなさいと謂ふ意味だそうです。 句の前半では「人生には植物の根のような拠り所が無い。風に舞う路上の塵埃のようなものだ。分散して元の姿を保ち得ない。この世に生まれてきたからには、全ての人が兄弟のようなもの。血縁に拘る必要もない。嬉しい時には、楽しくたっぷりの酒を近所の人たちと飲もうと謂ふのですから、時に及んでまさに勉励すべしとは楽しめる時は思いっきり楽しみなさいと謂ふ意味だと今は理解して居ます。 然るにここのご主人はこの四行を勧学として掲げているところを見ると、陶淵明は64歳で亡くなって居て、ご主人は70歳を優に超えていらっしゃると見受けられるのにまだまだ盛年のつもりで勉学に励もうと謂う気かしら。と微笑ましいやら、その癖今年になってまだ2日しか店開けて居ないのに疲れたと青息吐息なのを観ると、このお店も門前仲町の浅七や足立市場の武寿司同様閉店になってしまいはすまいかと心配になりました。前は原始キリスト教やら仏陀の直接の教えだの説明されて困惑しましたが、最近はネコに小判だとわかったのかそう言う話はして頂かなくなったけど、相変わらず研究しておられるのだろうなぁ。 と謂うようなことを考えて蕎麦が出てくるのを待つのも楽しいものでした。 お蕎麦は基本のせいろ二枚重ね1300円、江戸細切り800円、田舎800円をいただきました。江戸細切りが間奏曲のように甘く繊細な歯触りで、いつも通り個性的で美味しい2種類の蕎麦を橋渡ししてくれ、手術前に好物を思う存分堪能できて良かった。二枚で一人前見当です。後から追加注文しても忙しいと忘れられちゃうかも。初めに頼んでおく方が良いです。 でも本当はがらんと空いてゐて、この空間を贅沢に独り占めする中で蕎麦を手繰りたかった。昔あった常陸秋蕎麦を打つ成田の末広庵みたいに。

2

東京都

カレー

Masayuki Sato

コロナ禍を慮って、殆ど外食する事が無くなったけど、このお店だけは長いこと行かないと禁断症状が顕れて、どうしても行かないでは居られなくなるお店の一つです。自宅で再現するなど不可能だとわかっているのに、共栄堂のレシピが載っているカレー本を探し求め、YouTubeで情報を蒐めたりして、全く無駄な抵抗ですが自宅で色々試しては、結局神保町に行くしか無くなるのでした。高校生になって毎週2、3回或いはもっと通って居た時期から算へても早50年を超えました。当時は地上一階に店舗があって隣は吉田健一が愛したランチョンでした。が、來年で創業100年を迎へる老舗ですから、もっと先輩の常連客が大勢いらっしゃることと思います。みんな禁断症状を抱えて来店引も切らず、コロナ禍もナンのその、これからも繁盛し続ける事を確信しております。 昨日Kindle Unlimitedで読める水野仁輔著カレーの奥義に共栄堂スマトラカレーの現ご主人宮川泰久氏が語る奥義が載って居るのを見つけ、欣喜雀躍しました。 読んで驚いたのはチキン、ビーフ、エビ、タンとソースの作り方が全て異なると云ふ事。ハヤシライスもやっている?そんなこととはつゆ知らず、ソース大盛り、ご飯(残念ながら)普通と言ってポークカレーばかり食べて居た僕は何て愚かだったのだろう。まあ本代に少しでも残しておきたかった所為もあるけど。読んで居ない本があり過ぎてもう本は滅多に買えないのだし、お店ではポーク以外を頼んで、お腹に余裕があれば焼きリンゴも頼んでテイクアウトでポークを頼めば、一日に2種類愉しめる。(テイクアウトも赤身だけとか豚バラだけとかわがまま聞いてもらえるのかなあ。そう云ふ注文しているお客さんが居た。)ただしスープはテイクアウトして貰えないので、家人には我慢してもらう他ないなぁ。 実は今だにあのスープはどんな内容のものなのか判らないで悩んでいます。コーンとじゃがいも?カブとかナスも入っている?当然玉ねぎも?味音痴でお恥ずかしい。2杯目も頼みたいところだけどなんとなくわがままは憚られて頼めずじまいです。 昼食時を過ぎた遅い時刻や、夕食にはやや早い時刻にのんびりとテーブル一つ占領して食べるのが愉しみのひとつです。

3

群馬県

ラーメン

Masayuki Sato

麺の適度なやはらかさと噛みごたへ、矛盾しているような 概念ですが、麺の味の身体に染み入る優しさは、わたくしにとっては6年にわたってベストです。酸辣湯のスープも白菜の芯の細切り、大蒜の芽、タケノコ、椎茸とかが味わいに変化をもたらし、よく家で真似しますが及びもつかない。

4

東京都

そば(蕎麦)

Masayuki Sato

東銀座にあった頃足繁く通ったお店。仙川に移転されてからほぼ10年ぶりに伺いました。せいろも田舎も、且てと変わらずとても美味しい。18代目勘三郎が贔屓にした蕎麦屋であることも宜なるかな。女性店主の気品と美貌は衰えず、久しぶりにお会いできて嬉しかったです。日曜日は2時半まで営業されておられるので寝坊助のわたくしにはありがたいかぎり。

5

長野県

ラーメン

Masayuki Sato

佐久平駅前国道141号線を車で南下するたび、自家製麺の看板に長いこと惹かれて居ましたが、歳のせいか若者向けの脂ぎったやつだと覿面にお腹壊すので敬遠して居ました。町営菜園の後片付けで粉雪の舞う中、まるでエベレストに来て凍傷に罹るか(大袈裟)と思った程身体を冷やして夕食はラーメンしか考えられなくて、30分かけて初めて訪問。前置きが長くなりました。ひびきやと讀むそうです。ジャズがかかって居ます。長年御代田でバードランドと謂ふ洋食店を経営しておられたシェフが多分60代を過ぎて始めたラーメン店。年寄りにも優しい本格的なラーメンでした。鴨ラーメンの鴨ロース本物!スープ本物!自家製麺とても良い!ビーフカツレツや洋食も美味しそうです。自炊しなくなりそう。