Naoko Grace Fujino

ハード系のパンが大好きな私にとって、最大限の満足を提供してくれるパン屋さんです。 量り売りのライ麦パンはじめ手間暇かかるパンは売り切れ御免ですので、前日16時までの予約がお薦めです。水・木はお休みのようです。 営業的にはこのようなパンを提供していたら儲からないと思います。というのもファットスプレッドや膨張剤、甘味料その他で口当たりをよくするとか、見栄えをよくしようとかいったところに作り手が全く頓着していないからです。そして扱いづらい酵母を使えば（生き物の酵母は気温や天候によって膨らみが異なりますから）通常のパン屋さんのように工業的に営業時間に合わせてパンを並べたり、沢山の注文を受けて予定通りにパンを焼き上げることは困難でしょう。カバに目を引かれてお店に入ると、可愛いけど狭いお店です。見栄えの良いパンや噛まずに子供でも飲みこめるような口当たりの良いパンがないとか、思われたりするかもしれません。気難しいパン屋さんかもしれません。でも、私はこのお店はウソをつかない、と感じます。 体によいものは、それだけ手間暇がかかります。それだけ実直で希少なパンですから本当に味が分かる人に食べていただきたいです。 大将が粉を引いてる真っ最中でした。写真撮らせてください、とお願いしたら、こんなとこでいいの？と笑ってOK出してくださいました。 店長自ら粉を挽き、自分の畑でとれた作物で酵母を培養し、パンをこねて、お天気と天然酵母のご機嫌を見ながら膨らませ、石窯で焼く。 私も大将のように日々実直でありたいと思います。