川崎駅近辺の魚料理とワインのバル。連れの女性と名残惜しくてもうちょっと飲もうかと夜ふらりとこの店に立ち寄ったら、でてきた料理が予想以上にうまかった。 私はワインをガブガブ。連れの女性はサングリアをちびちび飲みつつバル料理を堪能します。日本が誇る新鮮な海の幸に中近東〜北アフリカあたりの地中海風な味付け。メニューの料理もフムス、タジンと国際色豊か。最近この辛くない、だけど奥の深いスパイシーな世界観がお気に入り。 注文したのはひよこ豆のフムス。サバの生ハムのピンチョスカプレーゼ。全部のせ最強のアヒージョ。メカジキのケフタタジン鍋。そしてデザートにはケイジャータ。異国情緒たっぷりな料理がテーブルに並ぶ様はなかなかに壮観。ここはどこだ?ほんとに日本か? フムスはあまりに美味そうで食べる前に写真撮るの忘れた。食べかけでごめんね。ふわふわのディップをお通しの自家製パン三種にたっぷりなすりつけたらパクリ。んーっ!ワインで喉を潤したらピンチョスもパクリ。あまーいトマトと濃厚チーズと塩で引き締まったサバの生ハム。素材をピンで連ねただけなようでいて、口の中で完成する三位一体は尊い。口中調理って洋食にもあるんだ。辛口のさっぱりした白ワインと相まって今夜の食卓の導入は極上。 メインその1、最強アヒージョは海老帆立ムール貝イカにアサリに白身の魚。てんこ盛り海の幸がオリーブオイルの中でふつふつ。旨味を凝縮して身がプリプリ。表面は香ばしく中はむっちり蒸されて湯気がたっている。小皿にわけて夢中で食べてたら口数が少なくなった。蟹や海老を食べると人は無口になります。天使が通ること数回。あらかた具を食べ終え、ふぅと息をついたらお店の人が「空いてるお皿をお下げしますね」とアヒージョの鍋に手をかけた。 「「だめーっ!」」 思わずふたりの声が揃っちゃったよ。海鮮お出汁の染み込んだオリーブオイルは死守します。「パンのお代わりください」貧乏臭くてもアヒージョは具を食べ終えたあとのオリーブオイルをパンですくって食べる第2ラウンドが大事。 メインその2はメカジキのタジン鍋。鍋だけど煮込み料理じゃなくて蒸し料理。世界には不思議な道具がたくさんあるね。地域によってはランプから魔人がでてくるのももっともだ。メカジキは蒸してあるから旨味が逃げず味が濃厚。メカジキのミートボールがホロホロと口の中でほぐれていく。半熟の卵を割って黄身をトマトソースに絡めたら改めてパプリカやミートボールで掬う。歯触りを残した野菜がうまいよ。いい出汁が出てる。 ひとしきり食べたらデザートタイム。珈琲紅茶を頼んでケイジャータ。え?これポルトガルのデザートなの?多国籍だねぇ。今夜は中近東から地中海を時計回りにヨーロッパまで周遊。 珍しい料理が多いけど、それぞれの料理の再現性が高いし、素材の活かし方、スパイスの扱いにセンスが感じられて好感。店の様子をうかがうとどうやら予約して行くような人気店だったらしい。飛び込みで入れて今夜はラッキー♪ また行きたいな。