武田壱郎

武田壱郎さんのMy best 2018

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神奈川県

魚介・海鮮料理

武田壱郎

川崎駅近辺の魚料理とワインのバル。連れの女性と名残惜しくてもうちょっと飲もうかと夜ふらりとこの店に立ち寄ったら、でてきた料理が予想以上にうまかった。 私はワインをガブガブ。連れの女性はサングリアをちびちび飲みつつバル料理を堪能します。日本が誇る新鮮な海の幸に中近東〜北アフリカあたりの地中海風な味付け。メニューの料理もフムス、タジンと国際色豊か。最近この辛くない、だけど奥の深いスパイシーな世界観がお気に入り。 注文したのはひよこ豆のフムス。サバの生ハムのピンチョスカプレーゼ。全部のせ最強のアヒージョ。メカジキのケフタタジン鍋。そしてデザートにはケイジャータ。異国情緒たっぷりな料理がテーブルに並ぶ様はなかなかに壮観。ここはどこだ?ほんとに日本か? フムスはあまりに美味そうで食べる前に写真撮るの忘れた。食べかけでごめんね。ふわふわのディップをお通しの自家製パン三種にたっぷりなすりつけたらパクリ。んーっ!ワインで喉を潤したらピンチョスもパクリ。あまーいトマトと濃厚チーズと塩で引き締まったサバの生ハム。素材をピンで連ねただけなようでいて、口の中で完成する三位一体は尊い。口中調理って洋食にもあるんだ。辛口のさっぱりした白ワインと相まって今夜の食卓の導入は極上。 メインその1、最強アヒージョは海老帆立ムール貝イカにアサリに白身の魚。てんこ盛り海の幸がオリーブオイルの中でふつふつ。旨味を凝縮して身がプリプリ。表面は香ばしく中はむっちり蒸されて湯気がたっている。小皿にわけて夢中で食べてたら口数が少なくなった。蟹や海老を食べると人は無口になります。天使が通ること数回。あらかた具を食べ終え、ふぅと息をついたらお店の人が「空いてるお皿をお下げしますね」とアヒージョの鍋に手をかけた。 「「だめーっ!」」 思わずふたりの声が揃っちゃったよ。海鮮お出汁の染み込んだオリーブオイルは死守します。「パンのお代わりください」貧乏臭くてもアヒージョは具を食べ終えたあとのオリーブオイルをパンですくって食べる第2ラウンドが大事。 メインその2はメカジキのタジン鍋。鍋だけど煮込み料理じゃなくて蒸し料理。世界には不思議な道具がたくさんあるね。地域によってはランプから魔人がでてくるのももっともだ。メカジキは蒸してあるから旨味が逃げず味が濃厚。メカジキのミートボールがホロホロと口の中でほぐれていく。半熟の卵を割って黄身をトマトソースに絡めたら改めてパプリカやミートボールで掬う。歯触りを残した野菜がうまいよ。いい出汁が出てる。 ひとしきり食べたらデザートタイム。珈琲紅茶を頼んでケイジャータ。え?これポルトガルのデザートなの?多国籍だねぇ。今夜は中近東から地中海を時計回りにヨーロッパまで周遊。 珍しい料理が多いけど、それぞれの料理の再現性が高いし、素材の活かし方、スパイスの扱いにセンスが感じられて好感。店の様子をうかがうとどうやら予約して行くような人気店だったらしい。飛び込みで入れて今夜はラッキー♪ また行きたいな。

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神奈川県

馬肉料理

武田壱郎

休日の贅沢。 JR川崎駅からすぐの馬肉料理の専門店。人気店なのは知っていたから見計らって開店と同時の五時ぴったりに入店しました。この日この店一番乗り!そのかいあって予約はしてなかったけどカウンターにふた席用意してくれました。 知人の女性がひと仕事終えて気が抜けたのか先週風邪をひいたそうで、病みあがりに滋養つけてもらおうかとお肉&鍋の食事会を企画。栄養たっぷりでヘルシーといえば馬肉。そんなわけで今日のメインはこの店名物馬肉のすき焼きだ!馬肉の祝祭!桜鍋は何度も食べてるけどすき焼きははじめてかも。昂まる期待。え?自分が食べたかっただけだろうって?あわわ。それはいっちゃダメ。しーっしーっ! 飲み物を頼んだら馬刺しの三種盛りと馬タンシーザーサラダを選択。お勧めは五種盛りらしいけど、今日はすき焼き食べるんだもんねー。あえて馬刺しは控えめにしてバラエティ重視でメニューのプランを練ります。韓国系と南米系?のおねーさんとおにーさんが和気藹々仲悪く用意してくれました。 つきだしは馬肉のシチュー。よく煮込まれたスジ肉がトロントロン。三種盛は赤身とたてがみ、腿肉。まずは王道の赤身。ほどよく脂が差していながら牛肉と違って淡白であっさり。薬味に山葵生姜すりおろし大蒜韓国風辛味噌がついていて、どの食べ方でも美味しい。たてがみは首の後ろ。たっぷり脂を含んだシコシコした歯応えの白い肉。はむはむ噛み締めると旨味がじゅわぁ。反対に腿肉は脂身のない100%の赤身。しっかりした肉質でありながら上質な絹のように柔らかい。極上の舌触り。三種で食感の違いを堪能。五種盛りだったらこれに何がプラスされたんだろう?サラダのハムのような馬肉のタン。シーザードレッシングと相性ぴったり。生野菜と一緒にもりもり。調子に乗って馬肉とアボガドのユッケを追加。あっさりしていながら肉としての存在感の馬肉とアボガドの組み合わせ。アボガドとあわせて美味しい食材って私的にこれまでマグロの赤身がベストだったんだけど、今日の馬肉はそれに勝るとも劣らない。 さて、そろそろお酒がまわったところで本日のメインイベント。すき焼きだーっ。カウンターにコンロをセットしてもらって待つことしばし。すき焼き鍋登場。割り下に浮かぶ白菜ネギしめじ豆腐。お野菜高騰の折ありがとー!そしてお皿に盛られた馬肉2種類。「生のまま刺しで食べられるお肉ですので煮すぎないようにしゃぶしゃぶしてお召し上がり下さい」わかってますとも♪ お鍋で割り下がグツグツはじめたらお肉をひと切れしゃぶしゃぶ。さっと色が変わって赤みが残る微妙なところで葱と一緒に溶き卵と絡めてぱくり。むふーん♪ お洒落な店内。人気店だけに活気がありました。でもお店の人の対応はフレンドリーでホスピタリティ高し。お会計済ませて帰りに階段上がっていたら大柄な男性が見送ってくれて、メッセージいりのテイクアウト用の紙コップに淹れた烏龍茶をお土産にくれました。お腹いっぱい烏龍茶がじんわり暖かい。いい夜だ。

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東京都

居酒屋

武田壱郎

昼下がり。ひと気のない店内に「いいですか?」と声をかけ店に入ると「どうぞ」と奥から出てきたご主人はパッチにダボシャツ。え?こわい人?ドキドキ。いやいやご主人はぶっきらぼうながら穏やかで丁寧に接客してくれましたよ。なんかこの店、隅っこに高倉健とかいたら似合いそうな雰囲気ですね。 あづま通りの起点をセブンイレブンのある角から横道に逸れると住宅地の中に目立たない感じで三、四軒ほど魅力的なお店が並んでいます。その中の一軒。和食の居酒屋さんですが、最近ランチの看板を路上に出しているのを見かけて通りかかる度に気になっていました。わっぱ飯が800円くらいだったかな。注文するとわっぱ飯の具を何種類か並んだリストの中からふたつ選んでくださいといわれたので、悩んだ末に東京なら地元の食材で間違いなかろうとアサリと穴子を選択。「かしこまりました」とちゃっちゃとわっぱにご飯と具材を詰めたら大きな蒸籠にいれます。ぶわぁーっと湯気の立つ静かな店内でふつふつ沸いてる音を聴きながらわっぱ飯が蒸しあがるのを待ちます。なんとはなしにご主人がお刺身、汁物を整えるのを眺めて。うーん、いいですねぇこの時間。ここは小鉢でも突きながら一杯飲みつつ料理を待つパターンかな……って違う違う。ランチでした。午後も仕事だ(涙)それにしても料理を待つ時間がこんなに心地よい店も珍しい。 「どうぞ」とだされたお膳はシンプルながら美しい佇まい。全体に茶色を基調としつつも要所要所で色が活きている。艶やかこれぞ和の膳。和食の粋って感じ。わっぱを開けるとうっすら出汁醤油と穴子アサリの香りがふわっ。これは絶対いい出汁出てるぞ。さっそくお茶碗に盛っていただきます。醤油ベースのタレというか出汁で煮〆た穴子やアサリの茶色に青菜の緑と卵焼きの黄色がとっても目に快い。品良く控えめな塩気がご飯を艶やかに引き締めて、お出汁と具の旨味が沁み込んだお米に箸が止まらない。うーん、うまいっ。もう一杯。いいの!大丈夫。このわっぱにはいったご飯は全部僕のものさっ。るんるん♪ 主菜のお刺身はサーモンとハマチ。お刺身のハマチの角がたってる感じ、写真でわかります?シャキンとした様がとっても和な感じ。柳刃の引きがいいんだろうな。これでまずかろうはずがない。ちょいとわさびをのせてぺろりとお醤油つけてはむはむ。弾力のあるいい歯ごたえ。これぞお刺身の醍醐味。わさびと調和して甘やかなハマチの旨味が噛むごとに沁みてくる。おぼろ昆布と葱のお吸い物をずるずる。きゅうりとにんじんのお漬物はよくある浅漬けじゃないよ。糠漬けだよ。糠がきいてメニューのなかでいいアクセント。ぽりぽり。気の利いた過不足のないお献立。 無心にランチを食べてたら常連らしき老婦人のふたり連れが入ってきて品よくご主人とやりとりしながら楽しそうにランチしてました。和むなぁ。ご予算1000円以下で安いし。イチゲンでふらりとはいった店で、こんな充実したしみじみおいしいランチにありつけるとは思わなかった。隠れ家的ないい店ってホントにあるもんですね。やっぱり高円寺って変な街。

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東京都

定食

武田壱郎

素敵なお店みーつけたっ! 日曜日。三鷹八幡神社をお参りしてからあたりをぶらぶら。お昼時、別の店を目指しててくてくと歩いていたら偶然このお店の前を通りかかりました。そしたらぴこーん!お久し振りおいしいご飯レーダー発動!うっかり通り過ぎてしまいかねない古い住宅を改装したような地味な店構え。だけど店へと誘う入口のささやかな装飾のひとつひとつのセンスがよくって微笑ましい。食べ歩き歴=年齢の私の本能がこの店絶対おいしいよと全力で告げている。ああもうぴこーんぴこーん煩いよ。こうなると素通りするのは無理。 引き戸をガラガラっと開け首だけ突っ込んで「いいですか?」と尋ねると「はい。空いてるお席へどうぞ」と女将。お若い女将とご主人のおふたりで店をまわしているみたい。ご夫婦なのかな。なんか寡黙でイケメンなご主人と美人女将で仲良く営業。うらめやましい。……オレ最近ちょっとココロが荒んでる?住宅の一階を土間にそのまま使っているようなこじんまりした店内はゆったり時間が流れる鎭やかで落ち着いた空閑です。 お肉な気分だったので本日のメニューからつくば鶏の蒸し鶏定食を選択。850円。定食はメイン+ご飯お味噌汁にお新香小鉢。わーいお皿がいっぱい。お漬物はきゅうり人参ダイコン。ほのかな糠の香りにほっとする。自家製かな。自家製の糠漬けがうまい店は絶対おいしい。お味噌汁は豆腐と揚げとワカメ。料理上手なおばちゃんちにおよばれしたかのようなじんわりくる味。お味噌汁のおいしい店は(以下略)それから炊きたて真っ白なご飯!ご飯のおいしい…(以下略) 小鉢が秀逸。なんちゃらいう海藻の酢の物となんか塩辛みたいな……なんだこれ?がでてきた。コリコリした食感の細切りにされた魚の皮らしきものがねっとりペースト状にまぶされている。噛み応えのある厚めの皮にはコラーゲンがたっぷり。ごめんこれほど印象に残ると思わなかったんで小鉢単独では写真を撮ってない。いやとにかくこれはうまい!私がこれまでに食べた中でこの食感に近いのは河豚の皮かな。あれはあっさりポン酢で和えてた。こちらはつぶつぶ濃厚な味に和えられている。へー初めて食べた。これは日本酒案件ですね。いや白ご飯でもいける。とんでもない酒盗人飯盗人ぶりを発揮しています。気になったので会計の時にその正体を女将に聞いてみました。そしたらアンコウの皮などを味噌と肝で和えたものなんですって。なるほどーあのねっとりした濃厚な味はアンコウの肝かぁ。確かに河豚の肝だったら今頃オレ死んでるもんなぁ。「田舎料理でお恥ずかしい」だなんて女将。何をおっしゃる。これがいいんだよこれがっ! そしてメインの蒸し鶏登場。あとでググったらつくば鶏って筑波山の麓の千葉茨城あたりの地鶏らしい。うーんこの癖も臭みもないたおやかなお肉。それでいてたっぷり厚みのある引き締まった肉は噛むごとにじゅわぁと肉の旨味が沁みてくる。蒸して余計な脂を落とすことで旨味と脂がともに最適化され鶏肉本来の味が活きている。ごまかしのきかない蒸し鶏でだすんだから相当自信のある肉なんだろうな。「お醤油をちょっとかけてお召し上がり下さい」ネギが散らされた蒸し鶏にかけすぎないように慎重にお醤油つけて、添えられた和芥子をちょびっと擦りつけてはむはむ。蒸し鶏に辛子あうなぁ。付け合わせのちょっと洋風な感じがするじゃがいものフライとサラダももりもりと食べて完食!余韻に浸りながらお茶を飲む。むふーん。もはや言葉もない。 隣の人が食べてた焼き魚がめちゃ大きくて立派でおいしそうでした。なるほどーお魚も得意なんですね。魚は岩手産だと書いてあったので「岩手の方なんですか?」と訊いたら旦那さんが宮城だそうです。全国のおいしい食材を集めてるんだ。素材としての食材の良さを活かした定食らしいシンプルな料理。だけどそこにさりげなくひと手間ひと手間がきいていて、日本の食卓って多彩だったんだと再認識させてくれる。ああこんな充実したランチを楽しんでいいのだろうか。幸せで罰があたりそう。なんか今回のランチ日誌は大長編になっちゃった。

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東京都

ラーメン

武田壱郎

麹町の有名なラーメン屋さん。お洒落なお店。ランチタイムには店の前に若干の行列。まぁ、店内に空席があるしせっかく近所だしたまには並んでみるかと列の最後尾へ。いかにもなラーメン屋っぽいがつがつした感じじゃなくて割とおっとりした接客なのでビミョーに待ちました。昼時、時間に余裕のある客がのんびり味を楽しむ店なんだね。こういうのも嫌いじゃない。 夏だから季節限定の冷やし系メニューにも心惹かれたんだけど、初めての訪問だからお店を代表する一杯を券売機で選択。旨味出汁そば900円。ランチサービスで水餃子をセットでつけられることに気づいて、せっかくだからとそちらも衝動買い。+ン百円で合計1000円越えちゃった。うーむ今日の私は太っ腹。ラーメンなのにちょっとセレブなランチです。 丼に泳ぐ小麦の香るシコシコ麺。丁寧にとられたお出汁がじわじわと沁みるスープ。端整な具。ラーメンを構成するひとつひとつの要素を吟味し尽くしたことが察せられる食材のアンサンブル。全体に味は品良く薄味でじっくり味あわないともの足りなく感じられるかも。その分淡白ながら素材本来の味がしっかり感じられます。 具には焼豚と鶏胸肉のハム?がひと切れずつ。この鶏胸肉がジューシーでふわふわと柔らかい噛みごこち。この鶏胸肉だけでも食べる価値あり。トッピングの上には味噌玉がのっていて、それが食べ進めるにつれ少しずつスープに溶けていく。自動的に味変してくれるので、ゆっくり食べ進めても飽きさせない。ラーメンを食べるのにしっかり起承転結が設定されているような手を尽くされた一杯。 名店と呼ばれる店にはそれだけの理由があるんだな。さくっとがつっとラーメンを食べたいなんて時には向かないお店だけど、ジャンクとしてじゃなくてゆっくりラーメンを味わいたいな、なんて時には適しているかも。ファストフードじゃないスローフードとしてのラーメン。こういうのもありだと思います。

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東京都

ドイツ料理

武田壱郎

ソーセージランチ1000円+税。 西国分寺駅前にステキなジャーマンソーセージ屋さんがあるという噂をきいて探検探索!駅からの出口によりますけど今回はすぐ見つかりました。席数はそれほどではないけれど、ロッジ風の開放感のある店内。線路沿い大きな窓から西国分寺駅をみおろしながら優雅なお昼ご飯。今日のランチはテイクアウトの量り売りもやってるこの店でドイツ式。 店内には可愛らしいおもちゃがいくつも飾ってありました。ほんわかする手書きの黒板とあわせてちょっとヘンゼルとグレーテルなメルヘンぽい雰囲気。手の届くところにカエルの王子様の縫いぐるみが転がっていたので手元に引き寄せてランチの間のお相手をしてもらうことに。縫いぐるみと遊んでたら、いきなりランチがきました。え?お、おおじさんふざけてなんかないよ。ちゃんとお行儀よく待ってたよ。わたわた。 カエルと遊んでたとこをお店のおねーさんに見られておじさんテンション↓。だけどこんがり焼けたソーセージが並ぶプレートをみたらいきなりテンション↑↑Max!手前がプレーン白ソーセージ。真ん中はガーリックハーブかな?奥がチェリソー。ナイフで切ってマスタードをたっぷりなすりつけたらぱくっ!うぉおっ!うまいーっ!プレーンの淡白でありながらまろやかな味。食欲をそそるガーリックの風味。唐辛子を感じさせる尖った刺激。これぞヴルスト!ジャーマンソーセージ! お皿をみると少し量が足んないかなって印象なんだけどドイツ人を甘くみてはいけません。すごく立派なソーセージが3本。これがまずは結構な分量。それでも足りない分はジャガイモで満たすのさ。写真で見ると付け合わせ程度にしかみえないでしょ。ところがどっこい表面がバターでカリッとソテーされたジャガイモ。これが腹もちがするんだ。パンをむしりながらかわるばんこソーセージをもぐもぐはむはむ。合間にジャガイモ。時々野菜。至福っ! 付け合わせは定番ザワークラウトとピクルス。ザワークラウトは自家製だな、絶対。あまりツンとした感じはなくソーセージによくあう。さすがに今日はパンにしました。ハイジがおばあさんにお土産にした柔らかな白いパン。そういえば調布の交差点においしいドイツパンのお店があったんだけど、こないだ通りかかったら閉店しちゃってたんだよな。おかげで最近ご無沙汰。ハードなドイツパンを久しぶりに食べた。 ランチドリンクのコーヒー紅茶が150円であったけど、いやいやこのソーセージにあうのはビールでしょ。メニューを見直すとランチビールがあるんだな。ドイツの黒ビール。なんという誘惑!なんですとーっ!なんで日本にはランチにビールを飲む習慣がないんだ。私は今後の生涯をビジネスランチで昼ビールを飲む習慣を普及することに捧げたい。このソーセージにビールをあわせないことこそランチに対する冒涜ではあるまいかっ。うぅっエキサイトしてしまった。 でぃーであであでぃーであですでむでん。 ぐーてんもるげん?

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東京都

定食

武田壱郎

高井戸に用事があって、しかもそれがちょうどお昼時。なので高井戸でランチかなぁと検索検索。そうしたらiijimaさんの投稿を発見。え?投稿をみただけでわかるっ!この店は絶対私の好み!どストライクだ!だけど今月の27日で長い店の歴史に幕を閉じ営業終了するんですって。なんですとー!?というわけで高井戸での仕事が終わり次第お店へGO! さすが人気店。ランチタイムで混んでましたがひとつふたつくらいの空席はあって相席はしないで座れました。カウンターの端に座って店の中を見回します。古びてますがどことなく洗練された店内。その昔は街で一番お洒落なお店だったんだろうな。お客さんから送られたのか立派な花が飾ってありました。 さて廃業前の滑り込み。一期一会です。多分この店には一度きり二度と来れないであろうこの機会。何を食べるべきか?これが大問題。生姜焼きとかハンバーグ定食とかカツカレーなど定番で攻めてみるか。はじめて入った店ではその方がお店の特徴を摑みやすいから普段ならばそうする。しかし二度目はないのだよ二度目は。ここはこの店でしか食べれないメニューをひとつ歴史の伝承者として記憶に留めておくべきか。 メニューを見ると豚肉ワイン煮込シチュー定食、若鶏香味黄金焼定食、カレー+ナポリタンで他人皿?など個性的な料理がちらほら。察するにご主人は洋食の修行をした方だね?ならばここは濃厚こってり洋食に挑んでみよう。こってりといえばチーズ?……よし!若鶏チーズカラシ焼き定食に決定だ! 待つことしばし。おお、なかなかのボリューム!鶏肉はパン粉のウェットな衣をまとって、揚げじゃないんだこれフライパンで焼いたんだ。この調理法はコートレットっていったっけ?おフランスじゃないですか。さっそくひと切れガブリといただきます。衣はチーズの濃厚さに唐辛子がきいて未知の味覚。おいしいっ! 衣のパン粉がサクサクで小麦粉が滑らかでチーズの塩気と風味がまったりクリーミーで唐辛子がピリッと辛い。それがフライパンで蒸し焼きにされたやわらかな鶏肉の脂をたっぷり吸って、色んな味覚が目まぐるしく口の中を暴れまわります。うおぉ、これはご飯がすすむ。ご飯にあう♪たくあんふた切れとさっぱりとした塩もみキャベツが添えられて、豆腐とワカメの味噌汁が地味にしみじみとおいしい。パンとスープじゃないんだよ。ご飯とお味噌汁で食べる日本の洋食。まさに洋食屋さんのthe定食。これが西洋文化を受容した日本の文化だ。この味が長いこと高井戸の洋食文化を担ってきたことでしょう。それがなくなっちゃうのかぁ……惜しいっ! 噂ではご主人と奥さまの引退にともなって閉店を決断なさったとか。高井戸とは縁がなかったから知らなかった。この店のことを知ってたら通い倒したんだけどなぁ。その潔い決断を讃え、おふたりのこれからの人生の門出を祝します。一度でもこの店の味を食べられてよかった。iijimaさんありがとう。 と、いうわけでこの店は4月27日に閉店だから時間ないよ。食べたかったら最後のチャンス。ダッシュだ!もっとも今更新規客が殺到しすぎて名残を惜しむこの店を支えてきた常連さん達に迷惑かけるとなんだからほどほどにね。

武田壱郎

神楽坂のすわりの悪い名前のカレー屋さん。どういう由来があるんだろう?あぶりチキンカレー 注辛830円。「注辛」って何?なにげに謎の伏線が気になります。 ちょっと飯田橋〜神楽坂あたりに用事があったので、坂のとば口にある小さなカレーショップでついでにランチ。こじんまりしたゆるい佇まいが好みな感じ。カウンターのみの店内。ふらっと店に入りカウンターの左隅に座ってあたりをみまわすと店内はランチタイムだけに混んでいます。和やかな雰囲気。常連さんが多そうな様子です。 待つことしばしでカレー到着。スープ付き。しっかりした辛味はあるんだけど、それを上回るとてもフルーティな酸味甘味が特徴的なカレーソース。これは自家製のチャツネかな。オーソドックスなフリしてひと味違う。こういうフルーティさを感じさせるカレーもいいものだ。お口の中がスパイシー&甘やかな香りで華やか。トッピングされたこんがりぷりりんと焼けたチキンが嬉しい。お肉は大ぶりで食べでがあります。噛み締めると跳ねるような弾力が楽しい。鶏肉の脂がカレーソースとあわさってご飯にあう。カウンターの容器から付け合わせの漬物よそってぽりぽり。 神楽坂だけにちょっとお洒落な店内。だけどカレースタンド風な気安さがあり居心地のよい雰囲気。家賃高そうなよそゆきに感じられる街で、ランチタイムにホッと一息ぬける場所。こういう店が好き。

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神奈川県

ワインバル

武田壱郎

横濱頂食堂のプレートランチ1000円。 東京神奈川というと全国から食材が集まってくる消費一辺倒な都市だと思われがちですが、肉・海産物・野菜と実は豊富な食材の生産地でもあるのです。全国的に有名なブランド野菜もいいけれど、近くの農家の朝採れ野菜も負けず劣らず素晴らしい。特に神奈川。東京湾から東海につながる海。内陸は山あり肥沃な平地ありで溢れんばかりの海の幸山の幸。そんな神奈川県の食材をフューチャーしたこのお店は天理ビルの地下にあります。 11時半開店で五分前くらいに訪れると既に10人ほど並んでました。これくらいなら想定内。開店と同時に席に案内されます。定番を注文して待つことしばし。 きたーっ! プレートの上には手の込んだ惣菜が並んで彩りが綺麗。このひと皿で1日に摂るべき食材30品目なんて余裕でクリアできちゃうな。写真の前半3枚がこないだ行った時のもの。この日のメニューは皮がカリカリに焼けたチキングリル。オニオンソースが馴染んで口の中でじゅわぁ。鮪のヒレカツは身の詰まったチキンのような歯応え。鮪の魅力は刺身ばかりじゃないことを再認識。魚なのにがっつり肉感!ご飯にあう! 副菜の豊富さがこのプレートのいいところです。カブにバジルソースがかかった洋風和えもの。ジャガイモその他をトマトでまとめた炒めもの。季節野菜を焼き込んだ玉子焼き。ドレッシングで仕上げたブリの刺身。コリコリ自家製ピクルス。そしてたっぷりサニーレタス!どれも美味しくて箸が迷ってしまいそう。食材ひとつひとつに生産者と生産地、そこで生まれる物語があるんだって感じられて自然と日々のご飯に感謝の念が湧いてきます。野菜高騰しているこの季節、原価計算大変だろうにあの手この手で工夫してバラエティ豊かなお献立。色んなお味を代わる代わる楽しめて、むふーん♪「今日のランチはいいランチ!」 後半の写真3枚は昨年の夏頃行った時のもの。季節で野菜が変わっているのわかります?日本の食卓には四季があるのです。

武田壱郎

麹町カレーマラソンその9。 欧風カレー。おフランスざますの。この店のランチのカレーは1350円。さすがにちょっとお高いけれど、半蔵門麹町界隈で名高いこの店のカレーを食べずにすまされようか。だって今日は給料日! *・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・* 何回きいても多分絶対覚えられないフランス語の店名。直訳すると「田舎風のとろ火」?舌を噛むから二度とはいいません。プティフ・ア・ラ・カンパーニュ。ただ革命前のフランスでは暇を持て余した貴族の間で農園生活ごっこするのが流行っていたから、田舎風といっても言葉通りの素朴な家庭料理じゃないんだな。 人気店だけに店の入口では数人待っていました。時間かかるかなまたにしようかな、と気をまわしましたがさすがはおフランスな高級店。ギャルソンさんテキパキ。相席ですが5分と待たずに案内されました。 メニューをみるとポークにチキンにシーフードといろんなカレーがありますが、ここは王道ビーフカレーを注文します。大事なことだから二度いいます。ビーフカレーです。牛肉です牛さんです。辛さをきかれたので辛口を頼みました。 注文を終えるとジャガイモが別出しですぐきます。塩茹でされバターとあいまって絶妙な塩加減。スプーンでぶった斬っていただきます。うーんホクホク。ジャガイモってこんなにうまかったっけ。はっ!いかんいかん。あんまりおいしいからカレーが来る前にジャガイモ食べ尽くすところだった。 ソースポットに入ったカレーがご飯と一緒に御降臨。しつこいけどビーフカレーです。牛肉がソースの中にいっぱい。ビーフシチューのようにとろーり柔らかく柔らかく柔らかく煮込まれています。なるほどこれがとろ火だ。30種類のスパイスうんぬんという謳い文句に偽りなくスパイシー。辛口を頼んだだけあって確かに辛い。今まで食べた麹町のカレーの中では一番辛いかも。昔はインド人もびっくりみたいな辛口カレーがあったけど最近はみなくなったね。カレーが多様化した結果、素材として個々の食材やスパイスの香り味わいを楽しむことが多くなって、こういう完成された辛さを味わう機会は逆に減った気がする。緻密にブレンドされたスパイスがひとつの方向へ凝縮させ調和に満ちたその店の味を形作っている。お店柄お上品に食べてみせてる外ヅラとは裏腹にひと口ごとに頭の中では♪と!が乱舞。うまーっ!これぞ正統派カレーだ真っ向正面からの直球勝負。このいかにもカレーがシチューやポトフなどの西洋料理であることを想起させる極められた煮込み具合。カレーはヨーロッパに渡ってはじめてカレーになったといわれるのも納得。