1990年で時計の針が止まった、上尾のR17沿いにある異空間。 ドアを開けると、薄暗い店内と立ち込めるタバコの匂いに、怪しい雰囲気120パーセント。 店内にはひと昔のアーケードゲームやパチンコが立ち並び、サラリーマンやトラックの運転手がひとときの余暇を過ごしている。この日は先客5〜6人ほど。 そんなディープな店のさらに奥のディープなところにそれはあった。 うどんそば自販機とトーストサンド自販機。 いまや、田舎のサービスエリアでさえ見る事がほとんどない、フードの自販機。もう使用していなくてホコリまみれのものは見れど、稼働中のものはかなりレアだ。 恐る恐る、「天ぷらうどん(250円)」のボタンをポチり。 待つこと30秒ほど。なかなか早い。 取り出し口から取り出してみると、かきあげ、ワカメ、なると、そしてウズラの卵まで乗った豪華なトッピング。駅の立ち食いの350円ほどの天ぷらうどんでもこの豪華さは出せない。 早速麺をいただくと、コシの弱いソフト麺。食べていくうちに出汁と麺がなじんできて、どんどん美味しくなる。 なんとなくどこかで食べたことのある味…、そうだ!埼玉県人のソウルフード「山○うどん」だ!もしかしたら、製造元は「○田うどん」なのかもしれない。 30秒、250円でこの美味さ。日本一の「うまい、早い、安い」がココにあり。 うどんの大当たりにより、自販機フードへの懸念が払拭された勢いで、続いてトーストサンドを行ってみる。 トーストサンドは「チーズハム」と「コンビーフ」の2種類、どちらも200円。 ちょっと珍しげのコンビーフにしてみる。 100円玉を2枚入れ、「コンビーフ」ボタンをポチり。すると、「トースト中」というランプが点滅し調理が始まる。 調理時間はうどんより長め(1分くらい?)。ランプが消えると、取り出し口にアルミホイルに包まれたトーストが鎮座している。 ドキドキ、ワクワクしながらトーストを取り出すと、、、「アツっ!!!Σ(゚д゚lll)」 ビックリするくらいアツアツ。「お熱いので取り出しにはご注意ください」みたいな注意書きは一切ない、なかなかサディスティックな自販機だ。 お手玉しながらテーブルまで持って行き、アルミホイルを開けると、かなり濃い目の焦げ目のついたトースト。 熱いうちに早速パクリ。 「ムフッ(*´ω`*)」 不覚にも、こんな暗いゲーセンの片隅でニヤケてしまった。 想像を軽々ヒョイっと飛び越えてきた美味さ。コンビーフとマスタードの絶妙なマッチと、パンの焦げ目のカリカリした食感と香ばしさ。メチャメチャ考えて作られた逸品。この自販機はきっと人工知能で有名パン職人の技術を搭載した最新機器だ。 その後、チーズハムもいってみた。チーズハムも美味い。 コカコーラのビン入りがあったりで、これまたレトロ感を味わわせてくれる。 非常に満足してお店を出る。ここは病みつきになるスポットだ。 ただし、数十分いただけで全身ヤニ臭くなるので、洗濯できない服装で行かないように注意が必要。