Kanji Suzuki

オールドボトルかたくさん 他店の場合あっても高いですが、こちらはリーズナブル また行きつけの良いお店を見つけました

世の中にはいろいろなバーがあります。 ただいろいろと行ってみて最近思うのが、大体3つくらいに分類できるのかな？という事です。 １つ目は、格式の高い所。カクテルやバックバーのボトル、立地や空間に拘ることで、客の酒に向かう姿勢を整えてくれる店。酒飲みが品格を纏うにはこれ以上ない酒場です。 ２つ目はとにかく気軽に酒に触れられる所。ショット2000円を越えない価格帯の品揃え、カクテルも作るまで5分以下の時間でテンポよく、騒いでも許される、カラオケと同じ路線に位置するお店。ともすれば落ち込んでしまうような心境でも、くよくよせず明日も頑張ろう、と思わせてくれる酒場です。 3つ目は、これらの中間、でもどちらかというと１つ目に近い位置づけの所。ある程度飲み慣れていて、バックバーの品揃えも良く、カクテルもバランスよく、かといって敷居が高すぎない。自分なりに酒の好みがあるものの、落ち着いてリラックスできる、そんな時間を求めて通う酒場。 多少無理はあるものの、この3つに分けられるかなぁ…と言うのが、拙いながらもいろいろと通った私見です。 ところがこの銀杏堂、このどれにも当てはまらなりません。 何が当てはまらないかと言うと、酒の味、空間に映し出されている趣向がマスター齋藤さんの通り一遍の独特の感性が表現されている所です。 まず、揃えてあるお酒がオールドのブレンデッド。 モルトと違い、ブレンデッドは混ぜている分立体的な味を持っているものですが、オールドのブレンデッドは深みが全然違います。 それでもシングルモルトに慣れているわたしなどは、ある程度飲み慣れるまで味が分かりにくく感じていました。が、分かってくると"これはたしかにありだ"と思うようになりました。 フルーツカクテルもスロージューサーを使って果肉の香りまで再現されていたり、閉めに出していただくコンソメスープも低温でじっくり抽出したトゲのないものだったり、4、5年熟成された、枯れているようでしっかりと重みのある 葉巻だったりと、マスターの味覚嗅覚に対する価値観が様々なアプローチで表現されています。 飲み慣れた人ほど他では知り得ない新しい発想に触れられる、それでいてリラックスできる、とても優れたお店だと思います。 飲み慣れた方にはぜひオススメしたいお店です。 出ている媒体が食べログのため全く飲み慣れていない人たちが現時点の客層だったりするので、このお店の価値を上述した内容で考えているわたしとしては、お酒を知っている方々にぜひ、足を運んでいただきたい、と思っています。

#カウンターで一人飲み