Ryoichi Sato

Ryoichi SatoさんのMy best 2017

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東京都

フランス料理

Ryoichi Sato

【綺羅星の箱庭】 初訪 29.7 日本のレストラン界で燦然とした光を放つ、青山,外苑前のフロリレージュ。 無機質な外観の建物の地下1Fに佇む当店。入り口を開けると照明を抑えたシックな雰囲気が漂う。 エントランスから通路を抜けて内扉を開けたそこは、綺羅星の箱庭。フルカウンターのオープンキッチン。 まさに劇場である。 本日のコース ◆ 合わせてペアリングをオーダー ◎ ◆投影、とうきび とうもろこしをくり抜き、クリームと混ぜ合わせ焼き上げる。とうきびの粒一つ一つの甘味。どこか懐かしい家庭のシチューを想起する感覚と、遡る夏の日の実り豊かな畑。原体験への回帰と、未知なる驚きとの遭遇が交錯。 ◆枝豆 ズッキーニ 初夏の豊穣なる恵み、枝豆とズッキーニ。フロマージュブラン,長野県産チーズと共に。枝豆の、青々としながらエグ味ない爽やかな味わいと、ズッキーニの軽快さが、フロマージュブランの酸味とチーズのコクに包まれた一品。やはり原体験は、夏の日の畑まで遡る。 ◆冬瓜 鮑 冬瓜はパスタに隠れる。薄くスライスした鮑と合わせ、赤ワインビネガーで一つに。 この、冬瓜が優しくも堂々した存在感を放つ。鮑が一皿すべてを支配しそうなものだが、冬瓜に鮑が寄り添っている、そんな感覚を覚えた。また、冬瓜と鮑,赤ワインビネガーの構成に脱帽。 原体験はやはり、少年時代のあの夏の日。 ◆旨味、椎茸 椎茸が登場。原木からの純粋な素材そのままより、味わいの奥行きと醸す風味を幾重にも増して。 ◆サスティナビリティー、牛 明確なテーマ。循環,持続可能性を考える一皿。高級店では定番の未経産牛ではなく、経産牛を用いた一品。味が劣るというがどうか、、。狭量な味覚では判断のしようがないが、この一品の味わい深さは理解できる。 コンソメとジャガイモのピューレが、牛肉に奥深さとまろやかさを加える。 しゃぶしゃぶがモチーフか。 ◆ヘテロ、牡蠣 牡蠣のフリットとオカヒジキ。敢えて海と山の恵みを引き合わせる。牡蠣エキス入りのアイスと、液体窒素で固めたレモンのメレンゲを添えて。レモンの強烈な酸味と牡蠣のコクが調和。牡蠣のポタージュも共に。モチーフは牡蠣フライか、、家庭への回帰と未知なる味覚との遭遇。 ◆カツオ 赤紫蘇 炙ったカツオと赤紫蘇のソース。敢えて山と海,敢えて同色。下に茄子が隠れている。モチーフはカツオのタタキか。 赤紫蘇の香りは、少年時代の夏休み、暮れなずむ夕刻まで回帰する。 ◆分かち合う 沖縄島豚,アグーを焼き上げたメイン。メインは、この日居合わせたすべての観客と分かち合う。 断面の、薄く透き通った白桃色の美麗な様。外見からは、肉質を感じさせない、清澄感のみが凛と伝わる。 荏胡麻のソースと赤ワインのソースで演出。島豚の上には、九条ネギとおコゲを被せる。 口にすると、鶏のモモと胸を同時に味わっているような、はじめての感覚。味覚の未体験。精勤な働きアリたちの劇場でなければ、美味いと叫んでいる。 ◆レモンのソルベ ハーヴのゼリーとともに。圧倒のレモン。丸かじるよりもレモンだ。突き刺さる程のレモンなのに、最後余韻は穏やかさが漂う妙。 ◆再生、ミルク ブランマンジェ,ミルクの濃厚さが口に拡がる。不思議と牛乳特有のクセは消え爽やかさが包む。南部鉄器で熱し、上から胡麻油を。 ◆贈り物、アマゾンカカオ シェフの知人がアマゾンで栽培ないし採取したカカオ。改めておもうが、食材に国境はない。 ◆小菓子 さくらんぼ ◎ランスロピエンヌ クラマン コートドブラン ◎マルコ オーストリア ◎日本酒 伊達7 ◎サントーバン ブルゴーニュ ◎テッタ マスカットベリーA ◎サンプレフェール ローヌ ◎マリークルタン シャンパーニュ ブランドノワール ◎シャトークリネ ポムロール ボルドー ◎テレスクォーツ ロワール ◎純米吟醸 福祝 ◎ラム ジーンマリーマーティン 食と空間に一貫して流れる哲学と娯楽性。目にし口にしたものからは、シェフの、食への信念と豊穣なる食材への賛美が惜しみなく溢れる。 綺羅星の箱庭が魅せる芸術は、原体験への回帰と飛翔する再構築。 ここには、ここからと、これからがある。 フロリレージュである。 #モダンフレンチ #外苑前 #ミシュラン☆ #フルオープンのカウンターキッチン

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フランス料理

Ryoichi Sato

【王道は革新する】 初訪 日本のグランメゾン,クラシカルレストランです。帝国の迎賓館として設立されたホテルの歴史は今尚、何ら変わることはありません。 過日はランチの来客ひとりで訪問。 帝国ホテルの2Fに構えます、当店。本館のフロントロビーから2Fに上がったそこは、正に迎賓館の威風堂々足る佇まい。 ◆ランチ 過日は、飲食サイトを通じてネット予約。 前菜,魚,肉,デザートのプリフィクススタイル 12,100円(税/サ込)。 ペアリングに、グラスで白2杯と赤1杯,サンペレグリノをオーダー。白はロワール,ヴーヴレのシュナンブランを、赤はボルドーのカベルネを。 熟練と思しきソムリエが、気さく且つ丁寧に説明いただき嬉しい限り。 ・アミューズ スプーンで掬って食べる。青海苔を混ぜたソースに、白身の刺身が細切れに隠れる。食感と風味のアクセントに、ピスタチオが小気味好い。 ・前菜 仔羊のタジンを冷製のプレッセで 薄く仕上げたタルトにジロル茸を添えて ・パン 天然酵母のパン,ヒマワリのタネとゴマのパン,四万十川あおさ海苔のパン ・魚料理 ラングスティーヌのポワレを大根と共に 桃とベルベーヌを合わせて ・肉料理 和牛イチボの炭火焼 ネズの身を香らせた塩窯焼きのビーツを付け合せ みかん胡椒をアクセントで ・デザート マンゴーにライムのジュレとカレーのアイス エスプレッソとプティフール,ショコラ盛りでコンプリート。 フレンチの王道と豪華な食材の共演は、まさにグランメゾンの成す豊かさであります。しかし、過日のランチには、それだけに留まらないシェフの創意性と革新性をみたように感じられます。 モダンフレンチやイノベーティブフュージョンなど、敢えてカテゴライズせずとも、料理とは倦まず弛まず、創意と革新を続けるもの。一皿一皿が表現しているようにおもえます。 迎賓館のフレンチは、食材,もてなし,創意の贅すべてを尽くして来客を迎える。 王道は革新する 帝国ホテル レセゾン である。 #グランメゾン #クラシカルフレンチ #おもてなし全てが贅 #帝国ホテルのラグジュアリー #ミシュラン一つ星

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Ryoichi Sato

【おもてなしの度が過ぎる】 特別な時間を過ごす この一言に尽きる 麻布十番の非日常です。 ◆店内 店内は大まかに、 テーブル席,テラス席,個室に別れています。 過日は、東京タワーと六本木ヒルズが望める窓際のテーブル席をリザーブいただく。都会の夜景とすれば、なかなか上質なクラスじゃないの。言葉に出さず、顔に出る満悦、うんうん。 個室を紹介。いわゆるVIPルームである。 個室にはテレビが備えてあり、優雅に食事をしながら映像を楽しめる仕掛けなのでしょう。ビルの角に設けられた個室は、眺望が一段と良質です。VIPですから、なんたって。 ちなみに、テラス席は冬でも開放されており、コタツ掛けの席にトランスフォームするので、寒くても温かいのでしょう。連れ合いと、寒いね、なんて言いながら身を寄せ合う冬の素敵な戯れも味わえます。だって、あったかいのだから。 ◆料理,ドリンク 料理,ドリンクの質は言うもなく上質。 東京タワーと六本木ヒルズを眺めながら、極上の雫でカンパーニュなんて、もはや恍惚の境地。今この瞬間をいつまでも、、バブルな感覚に浸ってしまう。 また、来客毎に苦手な食材や状況に応じたアレンジをしてくれる。心遣いに謝意。 ◆サービス,おもてなし 過日のサービス,おもてなし。 ウェイターのきめ細やかな応対は、接客とは何たるかを考えさせる、素晴らしいものでありました。気さくさと茶目っ気,ときにはノリの良さも肝要ですが、来客が志向する期待値を捉え、K点超えする応対振り。 ウェイターって素晴らしくクリエイティブだ、そうおもいます。 また、来客に応じた、もてなしの仕組みと仕掛けが驚異的。おもてなしマーベラスと、心の中でシャウトしました。 そう、予約の段階から、おもてなしの仕込みは始まっているのであります。 シーンや来客によって、おもてなしの内容は異なるのでしょうから、過日に筆者が受けましたサービスの詳細は割愛しますが、しつこくももう一度。 おもてなしマーベラスです。 特別な時間を過ごしたい そんなときには おもてなしマーベラス 度が過ぎるおもてなしの箱庭 麻布十番の非日常 ヒルトップ カシータ です。 ※非日常的な空間の提供ですので、筆者が訪問したシーンも非日常の記念日でした。予約いただいた連れ合いへ感謝。 #おもてなしの度が過ぎる #麻布十番の非日常 #特別な時間を過ごす #夜景に恍惚 #ウェイターが素晴らしい #ラグジュアリーな空間

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フランス料理

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【le sputnik〜よき旅路のひとときに】 le sputnik 連れ合い,旅路の同行者 印象的で衝撃的なシグニチャーディッシュ,薔薇のビーツとフォアグラを創作した高橋シェフ 外観は白壁の清廉で洗練された印象。店内は木目調を基調とした落ち着いたつくり。 この日は、コース10,000円とワインペアリングをオーダー。 以下は料理 ◆熟成した甘鯛とセロリ 晩白柚 ・セロリを甘鯛で包んだ、一貫の鮨のような仕立てのアミューズ。火山岩に載ってでてきた。器との色彩のコントラストで、甘鯛の白身が映える。 ◆ウニのジュレ ブランマンジェ ・続いても魚介のアミューズ。鮨屋に来たっけ?シェフの遊び心が魅力的です。 ・まるで林檎型のガラス食器は、ヘタの部分が窪んで器に。一品目といい、この器たち機能性を捨て去り造形美に特化。 ◆稚鮎と牛蒡のフリット ・こちらもシグネチャーな一品。牛蒡を細切りしてフリット。揚げた様はまるで、渦潮か竜巻のような躍動的なフォルム。 ・稚鮎にも牛蒡を巻いてフリットし、先ほど揚げた渦潮の上に載せられ登場。荒れ狂う渦潮をかい潜り、水中から飛び出した稚鮎は、あたかも渦潮さえも従える威風堂々な様。 ◆瞬間燻製した鰆と菜の花のピュレ こごみとタラの芽 ・煙の中から現れたのがこちら。色鮮やかに茂る緑を頭上に、こちらも緑豊かな菜の花のピューレに包まれた淡白な鰆。鰆の淡白な味からスモークチップの香りが伝わる。春の息吹の食材が総員配置された一品。 次の品は、一人一品 ◆薔薇のビーツとフォアグラ ・食べる前に圧倒。美しい。最早、芸術レベルの鑑賞モノです、見に来てよかった。 ・ビーツを薔薇の花びらに見立てたチップは丁寧に揚げられ、咲き誇る深紅の薔薇の風合いを見事に表しています。皿一面の深紅のパウダーは薔薇の茎を表現しているのでしょうか、しなやかな美しさを描いています。 ・チップは崩して、土台となったフォアグラのテリーヌとビーツのゼリーシートと合わせていただく。フォアグラのコクにビーツのチップの軽やかさが適合します。 ・それにしても、食べることを躊躇し眺めていたい願望が湧き出る一品って見事ね。 ◆エスプレッソのゼリーシートに包まれたフォアグラ オレンジのパウダースパイス ・フォアグラにエスプレッソとオレンジって誰考えんの。フォアグラのコクに、エスプレッソの濃厚な苦味が出会った。オレンジのパウダーがスパイスとなって、余韻は柑橘の爽やかな印象。 ◆きのこのクレープ ポーチドエッグ ・数種類のきのこが、クレープに包まれカットすると、中のポーチドエッグのまろ味と混ざり合い、豊かな味わいに。添えられたアイスもきのこ。きのこざんまいな一皿。きのこに限って構築された一皿は、素材の骨格をしっかり感じます。 ◆真鯛のポワレ イカスミソース ・素材をたくさんのスパイスで味わい深くするフレンチも好きですが、素材の骨格となる味を引き立たせる概念も好きです。 ◆蝦夷鹿のロースト ・メインディッシュ。圧巻のシンプルさ。序盤から中盤に、印象的かつ前衛的なシグネチャー,スペシャリテ足る品々を配し、観客を魅了させながら、終盤に素材の骨格を前面に引き出す重厚感溢れるラインナップの構成に、感服し賞賛します。 ◆柚子のスフレ ・口直しの一品。柚子の瑞々しい柑橘系の酸味とほのかに甘いスフレが、さっぱりした口当たり。爽やかに吹き抜ける余韻がいいですね。上にかかっているのは、液体窒素のアイス。 ◆ピスタチオとチョコレートのアイス ・あたたかなチョコレートソースがアイスの上にかけられ、徐々に中央からアイスが溶けてチョコレートの湖が現れる。温度のグラデーションは感覚の刺激の一つですね、冷たいされどあたたかい。ショコラの濃厚さとピスタチオの風味が鼻に抜ける。 ◆和三盆と抹茶のシューにほうじ茶のブランマンジェ ・日本食とのフュージョン。しっかりフレンチの一品として日本食を取り入れている融合性が素晴らしい。 合わしたドリンクは以下 シャンパンをアペリティフに、以降はソムリエにペアリングを依頼。 人生は旅、長い航路。 人生は多くの出会いと別れを繰り返す。 長い道のりで、巡り会った連れ合いとの素敵なひとときを過ごすにも、また、いつか訪れる互いの航路を別にする決別の日にも、le sputnikの、束の間の夢旅行に身を投じてみるのもいかがだろうか。 よき旅路のひとときに bon voyage

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フランス料理

Ryoichi Sato

【錬金術】まだ見ぬ豊かさと感動を求める ガストロノミー・ポップ。山本シェフが標榜するレストランのスタイル 外観は白を基調としたシンプルな印象で、街の景観に溶け込みながらも、どこか澄んだ、周囲と一線を画す空間の特異性が感じられる。看板は淡紫で、白と淡紫の対称性が当店のイメージカラー。 入り口の扉を開けてても、やはり外観の印象からの連続性で、白と淡紫のコントラストが目に優しく映える。 この色づかい、単純なトーンなため一見無機質に感じながらも、どこか夢心地な感覚を抱かせる。そう、料理を味わう前から、シェフの夢冒険への仕掛けにはめられている。 この日は、ディナーに5杯のワインペアリングのコースを予約 18,000円(税/サ別) 以下、供された順(◆料理,◎ワイン)。 ◆空豆 キャビア チーズタルトの上に空豆とキャビアが載った一品。石に載って出てきた。見た目、空豆の瑞々しさとキャビアの色彩が、まるで朝露を湛える森の植物のよう。可愛らしい一口のアミューズ ◆蕗の薹 蕗の薹をスポンジに練り込んだ、緑が目に鮮やかな一口。ほんとに蕗の薹の風味がする。実家の道端に自生していた蕗の薹が、今フレンチに。ミモレットの塩気と蕗の薹の青くささ香るフレーバーとスポンジ生地が適合。 ◆オマール海老 赤キャベツ アミューズの三女。布に載って出てきた。オマールの食感が弾力あって楽しい口当たり。海老の甘味とソース,赤キャベツの風味が拡がる。 ◎モーリー 赤 ルーション地区のA.O.C 1996年と、熟成された濁りある色合い。口当たりは甘め。 ◆自家製パン キタノカオリ,スペルト小麦をつかい、バターミルクのレリボとともに焼き上げたパン。ピノ・ノワールをつかった塩とともに ◆フォアグラ ホオズキ オリーヴ 気泡を入れたフリーズドフォアグラに添えるはドライホオズキとオリーヴのチップス。ビネガーとキャラメルのソースを和えていただく。冷凍させたフォアグラは、内臓特有の香りは残しながら口当たりがさっぱり。ホオズキとオリーヴのチップとの食感のセッションが面白い。 ◆長崎五島列アオリ烏賊 モッツアレラチーズ パセリ アオリ烏賊の弾力と甘味に、モッツアレラの塩気,パセリの青くささがマッチ。スナップエンドウも色を添えており、白と緑のコントラストは季節の旬を伝える。 ◎デラウェア 山形 フジマル醸造所 甘味高い、酸の抜けたデラウェアの味わい。日本のワインも豊富。 ◆大分県産牡蠣 アーモンド さつまいも アーモンドの香ばしさとさつまいもの甘味が、牡蠣に調和。牡蠣の磯の香りを残しながら、さつまいもの甘味とアーモンドの香ばしさで味わいを一層深めています。 ◎ピクルールドピネ ラングドックのアペラシオン。引き締まった酸と堅牢なミネラル,華やかな香りがする。 ◆五島列島神経〆スジアラ サフラン フェンネル 漁師料理に近い、出たダシを逃さず閉じ込めたスジアラの蒸し焼き。放血神経〆という血抜きをしており、鮮度そのままで保存可能とのこと。魚のダシがでた漁師鍋でも十分成り立つのだが、そこにフレンチのテイスト。サフランとフェンネルを合わせることで、ハーヴ香の爽やかさと魚介の荒々しい風味が調和し、味わいに奥行きがでる ◎ フォジェール 赤 ラングドックルーションのフォジェール A.O.C 清澄度高く深い赤,果実香豊かで適度な酸味がする ◆茨城県産鴨 イカ墨 鴨が蕪背負って、イカのお墨付きもらって登場。美味いの、これ。すごく味わい豊か。鴨の肉質は柔らかくも特有の弾力ある噛み応え十分な食感。火入れが見事です。 ◆愛媛県産ブラッドオレンジ トンカ豆 ビール トンカ豆は、ブラジル,グラマテラで採れる香辛料で、バニラや杏仁に似た芳香がする。黒ビールのほのかな苦味と、カスタードクリームの甘味,トンカ豆パウダーの芳香,ブラッドオレンジの酸味がひと匙のスプーンに合間見える。 ◆バナナ キヌア レモン バナナのアイスとキャトルキャール。上からカリカリにフライされたキヌアが降りかかっている。キャトルキャールの甘味に、バナナのアイスの芳香と爽やかさが重なり合った一品。 ◆ローズマリー リコリス ほうじ茶 プティフール。ローズマリーはクッキー,リコリスはフィナンシェ,ほうじ茶はヘーゼルナッツと。ルワンダのエスプレッソとともに 国産の食材を多く用い、フレンチのテイストで新たな食の世界を構築。 まさにガストロノミーでありモダン。そこに、どこか気取らない、特別でありながら日常に溶け込むポップさを追究するシェフの、アルシミストの真髄がある まだ見ぬ豊かさと感動を求めて 人々はガストロノミーを体現する錬金術に魅せられて、ここ白金アルシミストの扉を開く #モダンフレンチ、白金高輪、錬金術師

Ryoichi Sato

【もうひとつの家は極上の気軽さで】 初訪 29.9 六本木ヒルズのロブションへ。 六本木とロブション。キーワードからは、傍らに極上の女性が導かれるが、過日はデートの下見である。ひとりで訪問。 ◆内観 ヒルサイドの2Fに構える当店。入り口を同じくして、パティスリー&ブーランジェリーの、ラ ブティック ドゥ ジョエルロブションがあります。 案内されると、そこは黒と赤の世界。漆黒の闇夜、万物を呑み込む黒渦。燃え盛る炎か命の根源の太陽,はたまた情熱と情念の紅い唇。妄想を含んだ解釈は飛躍をみせますが、艶美さを湛えた世界観であることは確信できます。 極上の女性と最上の夜。ロブションが開く夜の扉。 ロングカウンターとオープンキッチンが、調理のライブ感を感じられる。見ていて楽しい、というヤツです。最近、オープンキッチンのカウンター増えましたね。 ◆料理 14,190円(税/サ込) 飲食サイトを通じて予約。 前菜,スープ,主菜,デセールに、シャンパン込みの泡赤白3杯付いた、プリフィクスコース。Menu Bとの提携だとおもわれる。 1.アミューズ 豚肉のリエット 2.前菜 北海道産仔牛のトンナート冷製仕立て ロメインレタスとトウモロコシのサラダを添えて 3.スープ フォアグラのラヴィオリを浮かべた ハーブ入りブイヨンスープ 4.主菜 松坂豚フィレ肉のロースト セップ茸の衣と共にグラチネして 5.デセール メロン ラベンダー香るクリームとビスキュイミルリトン ポルトのソースと共に 6.ミニャルディーズ 上記に加え、チーズ3種と、ガス入りの水サンジェロン2,100円、シャトーマルテ メルローの赤を頼み20,000円程。 ◆料理仔細 ・豚肉のリエット これは定番。アミューズの楽しさよりは、口火を切る付き出しの感。 ・北海道産仔牛のトンナート冷製仕立て ヴィッテロトンナート。イタリアはピエモンテ州の夏の郷土料理。仔牛のもも肉をサッと炙り、ツナソースをかけた一品。ツナ,アンチョビ,マヨネーズなどでつくったソースは、酸味が効いたまろやかな口当たりで、赤身肉との相性がよい。 クルトン,ケッパーは味覚のアクセントだが、ソースの上から放射状の均等に並べられ、時計盤を表現している。 時計にマストの針がないのは、時間を忘れて楽しんでほしいから。もう、楽しい。イタリアの郷土料理を野心的に提供する姿勢と、一皿の芸術を生みだす創意性に敬服。 ・フォアグラのラヴィオリを浮かべた ハーブ入りブイヨンスープ 鶏で出汁をとったブイヨンは、琥珀色に透き通った清澄度の高いスープに。玄妙な、そこはかとないスープの味わいは、日本人が好むところ。日本人の筆者は大変に好きであります。ハーブ香とフォアグラ入りのラヴィオリがスープのアクセント。ラヴィオリ入りのスープははっと汁に似ている、なんて近似性と親和性を、些少な知識から無理に見い出す。 ・松坂豚フィレ肉のロースト 豚のフィレ肉は、ローストされ弾力のある食感に。咀嚼に抗う適度な弾力ある肉質から、ジュっと溢れる赤身の旨味。フィレ肉に載るのは、香り高いポルチーニ茸。セップ,ポルチーニ茸の由来は、フランスで子豚たちの意味。食材の共演を構成する、着想の豊かさを感じる。グラチネされると香ばしい香りが拡がりますね。 ・メロン ラベンダー香るクリームとビスキュイミルリトン 目から楽しい。ホワイトチョコのアーチが見事。アミューズ性高いなあ。 夏の果実の至宝、メロンは香り高く口当たりは清涼。そろそろ季節の移ろいで、オータムシフトするようなので、夏の最期に駆け込めた。 ・チーズ3種 追加でオーダー。ミモレット,カマンベール,ラクレット。それぞれ、濃厚。器量の小さい悲哀の胃袋にはハードインパクトだった。 ・ミニャルディーズ 何種類かを大きい器にまとめて披露し、2種類を選ぶ。 ・ワイン ロブションの刻印入りが数種供される。さすがロブション。グラスが豊富でマリアージュに嬉しい。 ◆接客 丁寧できめ細やかな応対に、エスプリ効かせたユーモアを載せて。ソムリエやウエイターのクリエイティブ性を感じる。 ◆シーン ロブションのもうひとつの家、ラトリエ。ディフュージョン,セカンドラインが魅せる世界観は、ガストロノミーとはテイスト異なる独自色。 1人で行っても2人でも、惚れてしまうは自明の理り。ロブションすげえ。 ただ、艶めいた男女だけでなく、幼な子でも夜のロブションを味わえるようなので、社会の上澄みたちの社交場にも適合。ラグジュアリーなカジュアルラインでしょうか。 極上の気軽さ 六本木ヒルズ ラトリエ ドゥ ジョエルロブション である。 #黒と紅の世界 #六本木ヒルズ #上澄みたちの社交場 #気軽にロブションを味わう #フレンチ #ミシ

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イタリア料理

Ryoichi Sato

【素敵なわがまま〜平等に特別を】 初訪 イタリアンを優雅に味わいたいと探索し訪問。広尾の商店街の一角に佇むこちらのお店。恵比寿とは違う、どこか懐かしい昔ながらの商店街は、喧騒から離れた静かなエリア。 ビルの一階に構えるお店の入り口は奥まっており、外界とはどこか隔てられた特別な雰囲気を予感させる。 扉を開けると期待を裏切らない、厳かで静謐な、されど温かみのある空間が広がっていた。暖炉が空間のシグネチャーだ。 この日は8,800円のデギュスタシオーネをオーダー。合わせて数種グラスワインをいただく。 料理はどれも秀逸。 (メニュー見当たらず以下の料理名は記憶の糸の手繰り寄せなためご容赦) ◆アミューズの蕪からやられる。ただの蕪,されど特別。余白全開の一皿は目で味わった後、やわらかく甘みのある味わいを口に伝える。 ◆続く、イカ墨とじゃがいものスープ カプチーノ仕立てはスペシャリテのひとつ。イカ墨特有のコクとじゃがいものまろ味が、カプチーノのヴェールに包まれた、温かい魅惑の一杯。 ◆アンティパストは二品。イカとホタテとカリフラワー,ジュレとパウダーらを合わせた一品。イカとホタテ,カリフラワーと、敢えて同色の食材を引き合わせ、添えるパウダーらで洗練された色彩が目に鮮やかな構成を演出。見惚れる品が多いなあ。 ◆もうひとつのアンティパスト。穴子とフォアグラ,牛蒡のフリット。これ、特筆すべき美味しさ。フォアグラのコクに、穴子の身の淡白ながらも力強い味わい,牛蒡のアクセントが適合した。食感のコントラストも味わい深さの要因である。 ◆パスタとリゾットが登場。一皿目はニョッキ 白子 ハーヴ(菜の花?)。ニョッキからは小麦の甘みを、それに白子のコクが混ざり合った豊かな口当たり。こちらも同系色の食材だが、濃緑と若葉色の色彩が目に映える構成。 ◆二皿目は、トリュフのリゾット。トリュフあるだけで、全然香りの立体感がちがってくる。見た目食材は少なめだが、リゾットの纏うコクの奥行きとトリュフの芳香で、骨格が強固な味わい深い一品に完成されている。 ◆鴨と苺。鴨に苺を背負わせた。味わいは文句なく火入れよろしく秀逸。前衛的な組み合わせと構成だ。 ◆ドルチェは二品。シャーベットとチーズケーキ。お口直しのシャーベットは、瑞々しくさっぱりとした清涼感が鼻と口を通り抜ける。続くチーズケーキの濃厚さが、コースにおけるトリを務めるドルチェの存在感を堂々漂わす。 ◆小菓子とカフェでクローズ いただいたワインはスパークリングから赤白それぞれ、ソムリエにお任せしました。 ソムリエの方の、落ち着きあり淀みない応対が、この空間の特別感を一層演出している。 応対に不思議な安心感を覚えること、これスペシャリテ。 居合わせた客は、おそらく婚姻届を出したであろうカップルや、家族の誕生日を祝う面々と、特別な記念日にこちらを訪れていた。 ポンテデルピアットを訪れる人々は、皆平等に特別感を感じたい、素敵なわがままを抱いて魅惑の扉を開ける。

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神奈川県

イタリア料理

Ryoichi Sato

【至宝の複雑性】 初訪 29.7 心と体が求めていた。 ドレスを纏った女性を傍らに訪問したいところだが、横浜に燦然と輝くリストランテを垂涎三尺,いつまでも望みを叶えずにいるのもカラダとココロにわるい。 望んだものは手に入れる。 生き様の根幹だ。 ランチを前日に予約。偶然の辞退により、筆者の訪問の機会が創出された。単独で訪問。 ランチPRANZOコース5,940円(税込)を予約。合わせて、一皿毎のペアリングをオーダー。締めて12,000円程度(サ込)。 以下、いただいた品。 ◆Inizio/序章 サーロイン,メークイン,トリュフ 一口が心を奪った。肉質にメークインのまろ味,トリュフの風味が一口で拡がる。 ◆Espressione/表現 カンパチ,クスクス,アーモンド 脂がのったカンパチは、素材単独が正解と認識していたが、見事に覆る。クスクスとアーモンドの食感,ズッキーニのソースやトマトのジュレなどの構成要素の加増が、厚みを増したストラクチャーとなり、秀逸な一皿に仕上がった。 ◆Rinasita/再構築 グラミーニャ,蛸ラグー,バネッレ 初撃のパスタはグラミーニャ。バネッレは、ひよこ豆を粉にしたシチリアの郷土料理。蛸ラグーとトマト,パスタが最適解なのは言うまでもない。 ◆Ristretto/味覚の濃縮 カジキマグロ,ピスタチオ,マルサラ カジキマグロを生ハムで巻き、ピスタチオのアイスとマルサラ酒のゼリーを添えた。味覚の濃縮とは言い得たり。要素が争わず、一口に調和となって凝縮された。 ◆Armonia/協奏 ビーツ,サルシッチャ,ゴルゴンゾーラ ビーツに染められたリゾット。サルシッチャの旨味,ゴルゴンゾーラとフランボワーズの塩気と風味がリゾットと適合。 ◆Proposta/提案 鮮魚,ナス,トマト,バジル トマト,ナス,バジル。適合する組み合わせだが、供された一皿の色彩と認識が合致しない。華々しい色合いではないのに、味わいは複雑で多様。 ◆Filosofia/哲学 仔羊,トンナート,カモミール 仔羊は、60℃低音で10時間調理した時間を投下した一品。仔羊の旨味は低音調理で閉じ込められ、ソースに絡めると見せる姿を変える。カモミールソース美味かったな。 ◆Spaghetti/お好きな量で・・ スパゲッティ ポモドーロ スペシャリテをお好みのボリュームで。 イタリアンの基礎であるトマトソース。ここから派生する料理は多様。タイトルとすれば【回帰】といったところか。 ◆Dolce 小さなドルチェ ハチミツのジェラートとカシスのピューレの甘味と酸味が口いっぱいに。まろやかなマスカルポーネのムースと、ザクザクしたフリットとの食感のコントラストも楽しい。 ◆P.P e Caffe o Te お茶菓子とエスプレッソにした。 一皿の構成要素が総じて多く、複雑なストラクチャーを構築している。然りとて素材の味が失われず、幾重にも重なる玄妙な味わいを生み出すのは、シェフの思考と具現化する創意力の産物。 至宝の概念,概念の複雑性 横浜の珠玉 SALONE 2007である。 #イタリアン #元街・中華街 #ミシュラン #横浜の珠玉 #至宝の複雑性

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フランス料理

Ryoichi Sato

【物語の一幕を共演する】 予約は6,500円のコースにワイン4種類のペアリング(◆料理,◎ドリンク)に追加。 ◎シャンパン ペリエ・ジュエ 今回はシャンパンを。 ◆鶏レバームースのエクレア,ワカモレのサモサ アミューズの衝撃。ここから弾丸がつづく。 エクレアとサモサがでてきた。エクレアは鶏レバーの塩味とコクが濃厚,上の果実系(あんず?)ソースの爽やかさと調和。 ワカモレのサモサ。メキシカンをインドが包むフレンチのアミューズ。アボカドのねっとりした口当たりにトマトの酸味と玉ねぎの食感。ワカモレをサモサとして揚げて出す。カリッと香ばしいサモサが美味しくないわけない。 ◆ヤングコーン アミューズの二撃目。。茨城のシェフが営む農園で採れたヤングコーン。皮ごと焼いて提供。コーンのヒゲまで食べれる。コーンは初夏の訪れを感じさせる、変わり目の食材として清々しい気持ちにさせる。芯は青々としたタケノコを彷彿とさせる味わい,実はほのかに若々しい甘みを湛える。 ◆アオサと稚鮎のチップス 弾丸のアミューズ終幕。チップスが鉢に敷き詰められた玉石にささってでてきた。青さの風味は米粉チップスにすり込まれても損なわれない。塩味も効いてよい。稚鮎はチップスに閉じ込められて登場。ほのかに透けて見える稚鮎に多少の悲哀を感じながらも、口にしたらさすがの苦味ある存在感。 アミューズすべてが目に楽しいのと、濃厚な味わいの品々。これ、ビールに合うよな、とおもったらソムリエのお勧めも頷ける。 ◎アルザス ゲヴュルツトラミネール ブルゴーニュのコートドニュイを代表するドメーヌのトラペ。 ◆渡り蟹のビスク 雲丹 玉ねぎのブラン 冷製スープ。秋田沖の渡り蟹。雲丹は北海道。そこはかとなく口に拡がる渡り蟹の風味は、クリームでなめらかに調製される。中央のタマネギのブランも素材の香りを湛え、雲丹がもつ潮の香りと調和。キャビアの塩気で全体を引き締める。スーパースター程の自己主張の激しい素材がなくとも、共演者の調律によって完成された一品に出会った。 そして、このビスクと合わせるとトラペのワインが、まるで違った印象をみせる。トロピカルですこしお転婆な印象だった香りが、エレガントに、甘味強い残糖感ある余韻は、おしとやかに華やかな余韻を伝える。あたかも、ほとばしる若々しい生命力そのものを魅力としていた少女が、大人の男性に出逢ったことで、気品や艶をもつ女性へと変貌する様。マリアージュってこのことを言うんだな。 ◆真鰯 茄子 香草 香草に敷かれて姿が見えない真鰯と茄子。茄子の煮浸しをイメージとのこと。イワシは魚の中でも味わいの主張が激しい存在だが、妻に茄子を娶ると、あの我の激しさがこうも豊かな風味となって口に拡がるのかと感嘆。さらに香草とのセッションで、シンプルな茄子と真鰯に、見た目の立体感と味わいの奥行きが生まれる。 ◎ラングドック ロゼ ベルジュリー・ド・ロルチュ,品種はシラー,グルナッシュ,ムールヴュード。 ◎ギリシャ サントリーニ アシリティコ種,ライムとレモンの香りが豊かでミネラルが感じられる。 ◆甘鯛 タケノコ 山菜 甘鯛の鱗焼きと長野の安曇野で採れる山菜らを合わせた一品。日本料理の出で立ちながら、純然たるフレンチ。美味すぎて圧倒された。 ◎ボルドー マルゴー メドックのマルゴー,シャトーデゼラン,カベルネソーヴェニョン主体。 ◎奥会津天然炭酸 軟水,美味いな、これ。ウィルキンソンと比せば、瞭然のエレガントさ。 ◆鴨 香菜 圧巻。圧倒されて舌を巻く。こんなに美味いか、鴨。胸肉は十分な噛み応えを歯に伝え、鴨特有の泥くささはなく、エレガントな風味。添える香菜との共演も味わいに奥行きを感じさせるが、周囲のソースそれぞれで鴨の風味が変貌する演出に脱帽。すげえ美味い。 ◎コートドデュローヌ シャトーデトゥール グルナッシュ,仏南部の品種らしくフルーツのアロマがたっぷり。 ◎シャンパン ギュイドサンフラヴィ ピノ・ノワールとムニエのシャンパン。 ◆桃 バジル 桃のコンポートにバジルアイス,泡。もう夏は訪れを告げている。 ◆プティフール フィナンシェ,マカロン,コンフィズリー 伝統的なフレンチを底流としながらも、日本の食材を多く用い、和のテイストも取り入れて、現在を生きる我々の感性に訴える驚きと感動の演出。 連れ添うは、食材の旨味を一層引き出しながら、自らもまた食材により、魅せる姿が変貌する極上の雫たち。 コースにストーリー性を、ペアリングによって引き合わされた食材とワインに、物語の一幕の、連れ添う男女の共演を見る

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東京都

フランス料理

Ryoichi Sato

【制約と収斂】 魚介に特化した料理を提供するお店として有名なこちら。以前から伺いたく、予約の上訪問。 青山,外苑前は洗練された素敵なお店が多い。こちらもまた、白を基調とした外観が清澄な印象を伝える 扉を開けると外観の純白とは一転、ダーク系統の色彩をつかったシックで重厚感あふれる雰囲気 。感覚的には、あたかも深海の扉を潜り抜けたかのよう。深海に行ったことがないのに、そうおもえる人間の思考の飛躍。なるほど、たしかにアビスだ。 この日はランチの5,800円(税/サ別)をいただく。 以下、供された品々 聞き逃しているのと、正式なタイトルは不明なので記載のズレやブレはご容赦。 ◆シャンパン ブランドブラン,シャルドネのミネラルと爽やかなグレープフルーツのような柑橘香が拡がる。シャルドネはキリッと口当たりがシャープで、この季節いいな。シュポんっと音がしたので、開栓いただいたのか。そうおもうのと、美味しかったので、二杯もらう。 ◆青のりのサブレ 牡蠣のムース キャビア アミューズ。のっけからすごい。心奪われた。 青のりを練りこんだサブレと牡蠣のエキスを加えたクリーム。双方主張が激しく、応酬するかとおもえば見事に手を携えている。なるほど、クリームにサブレと相性は抜群だ。キャビアの塩気で引き締めており、デセールみたいな一品は、たしかにアミューズの役目を果たした。 ◆アオリイカ コールラビ 色合いが純白の食材二つを合わせた。クニュっとした烏賊の食感とシャキっとしたコールラビのコントラストが楽しい。オレンジパウダーとシェリービネガーで柑橘の華やかな香りと味わいを余韻に伝える ◆稚鮎 オカヒジキ アスパラソバージュ 旬の食材取り揃えた。稚鮎のフリットにオカヒジキとアスパラソバージュを合わせた一皿。コリアンダーの花を散らせて色彩に拡がりをもたせた。稚鮎の苦味と繊維質な身の食感、アスパラソバージュのぬめりとニンニクの芽のような歯になじむ口当たり、オカヒジキのシャキシャキ感。一つの皿に集わせるシェフすごいな。 ◆ロートシーファー リースリング カビネット ドイツ モーゼルのファン フォルクセンのリースリング。リンゴの香りと酸味がし、爽やかな甘味が口内に拡がる。 ◆スープ ド ポワソン 当店のスペシャリテ。5種類の魚介のアラが入った濃厚なスープ。オマール海老のビスクが加わる。見た目よろしく圧巻の濃厚さなのに、魚のもつ魚介臭さが尾を引かない。登場して劇中の存在感は圧倒的で、幕引き,余韻はさりげなく立ち去る女王の振る舞い。 アラ、美味しい。5種、わからず(1,2種は…)。 ◆アルバリーニョ 国名失念(検索すれど見つからず)。気品ある琥珀色に輝き、味わいはパインやグレープフルーツの甘味と酸味が拡がる。メインのマナガツオの主張に寄り添える一杯として供される。 ◆マナガツオのポワレ 数種の野菜 ポワレされたマナガツオの曇りない白さ。ほのかに内側のレアなピンク色が透けて見えるのが、火入れの絶妙さを表している。 皮目はこんがり焦がして香ばしさが漂っており、どれだけじっくり火入れしたのか気になる。アイスプラントやフェンネルらがまわりを囲み、見た目と食感のアクセントに。 トマトとあさりのソースがカツオに深みと爽快感を与える。 ◆わらび餅 マンゴー デセール。これもスペシャリテと呼んでいいんでないか?写真のきな粉のような顆粒状のものは、ココナッツキャラメル。下にマンゴーとわらび餅を隠している。別の冷たい器に移していただくと、たしかにわらび餅じゃないの。マンゴーの果実の甘味とココナッツキャラメルの甘味がわらび餅の爽やかな口当たりに溶け込み、一気に初夏の季節を到来させた。魚で満足充足したのに、デセールやばいな。 ◆明石蜂蜜 オゼイユ 梅酒 ブランマンジェ デセールセカンドバレット。初夏漂わせるなあ。梅酒はシェフが漬けるらしい。梅酒とオゼイユから酸味が拡がり、蜂蜜の甘味とともになめらかな食感のブランマンジェを優しく包み込む。 ◆ホワイトチョコ パッションフルーツ デセールの三撃目。ホワイトチョコに閉じ込められたパッションフルーツから、一噛みで糖度高い甘味と爽やかな酸味が噴出する。 デセール美味かった。魚のプロの肩書きだけではない。シェフ圧倒されました。 コンセプトを限定することは、注目の一方、後戻りできない選択でもある。 だからこそ、徹底した食材への真摯な眼差しで、限定した領域に厚みが増し、深淵な世界まで到達できるのかもしれない。 制約された世界はabysseで収斂され、深淵な世界にたどり着く。