■全国から鰻にうるさい猛者たちが訪れるという、住宅街にひっそり構える超人気店■ 今年訪問した約250強のお店の中でも、 一際強く印象に残っている1店。 いわゆる予約困難店。 1日10組(10名?)しか受け入れないのは、 仕入れる素材の質を維持するため。 実は焼鳥屋とのことだが、鰻には太さを求める。 ■□■□■□ 訪問は、土曜の昼。 予約は、訪問日の約2ヶ月前に。 ちなみに… 約2ヶ月先までしか、予約は取っていないとのこと。 既に10月までほぼ埋まっているらしい…。 メニューは「おまかせ」のみ。 内容については、事前の予約電話ですり合わせ可能。 そして、おまかせしておけば、 “これぞ職人”と呼べるお父さんのストイックさが 存分に発揮されたメシにありつける。 ■□■□■□ 至福だ。 メインの「鰻重」は見事としか言いようが無い。 蒲焼きの身のプリッとした食感は、 単に新鮮というだけでは無い。 お客が食べる時間を逆算して仕込まれる、 職人の心意気が生み出す賜物。 一定の太さ以上のものしか扱わないということも 重要ではあるのだが。 ちなみに…鰻は奥三河産。 愛知県は、鹿児島県に次いで、鰻の養殖量で全国2位だ。 身が立っており、心地良い弾力。 脂は甘く、みずみずしい。 ホワッとしすぎず、 鰻のアイデンティティがしっかり生きている。 そして、甘めのタレと、 それに負けないふっくらとした米。 お米は炊く前から、その温度に気を遣われる。 素材自体のクオリティの高さに、 職人のこだわりと丁寧な仕事。 必要不可欠な要素が、高密度に凝縮された逸品だ。 ■□■□■□ また、電話では「出せない」と言われていた、 肝(写真2枚目)は、10匹分。 更に、記念日利用ということで、 特別に出してくれたヒレ(写真3枚目)は、8匹分。 ガスながら、火入れは絶妙。 素材の鮮度が伝わってくる。 ■□■□■□ 記念日で利用するには、 正直派手さに欠けるかもしれないが、 接客も心地よく、何度でも通いたくなる。 お母さんの笑顔が素敵すぎる。 そして、お二人共、腰がおそろしく低い。 「選んでくれて、ありがとうございます」 という言葉に、泣けた。 そんなお二人とじっくりお話が出来たのも、 貴重な体験だ。 田舎でゆったり飯を食らうような感覚。 確実に満足できるひと時が、ここにはある。 P.S. 繋ぎ無し。挽肉は使わず。肉を叩いて作るホワッホワッな「つくね(写真4枚目)」もまた必食。 #summer2016