出張で名古屋前泊、おまけに予定無し! これは今日こそ大甚!と思わなくて何と思おうか。 てことで、名古屋に到着即地下鉄東山線で伏見に向かう。18時30分くらいに大甚到着、店内の賑わいを外から少し眺めてからガラッと入店。「一人です」と言えば、どうぞー、タバコ吸います? はい、という会話が途中にスムーズに挟まりつつ共同テーブル席にするするっと案内された。そして座る。コレってめっちゃ幸運ちゃうの? 何だか今までで一番自分が持ってる気がした木曜の夜。 席に腰を落として年季の入ったテーブルを暫く眺めていると、何となく城の中を見ている時に近い感覚。ただ年季が入っている、だけでは語り尽くせないロマンを感じさせるテーブル。 席に収まったところでお兄ちゃんが飲み物の注文を聞く。熱燗、、いや、ここはやはり常温が良い。言えばあいよと慣れた感じで帰っていく。たちまちに大甚徳利に入った常温酒がやってきた。樽の香りが鼻を突く。これは樽酒だ。美味しい。旨いぞ、このお酒。あかん、これずっとリピートしそう。ここらで落ち着いて店内を見回す。このお酒は賀茂鶴みたい。 ここで食べ物の注文について尋ねる。初めてです、と。お兄ちゃんが自分で小皿を取っていくシステムを愛想良く説明してくれる。まぁ、予め知っていたんだけど。おもむろにほいっと銀色のお盆!を渡される。むむむ。 そして、並んだバラエティに富む小皿の中から物色する。これがめっちゃ楽しい。ここまでのプロセス、中々表現できないんだけど、呑兵衛独特のテンションが鰻登り。これ何ですか?と聞くと教えてくれる。でもその教え方が割とアバウトなのがまた良い。そうこうして選んだ三品。 ・何かの白和え めっちゃ濃厚。衣のまったりヌメッとした食感も良いし優しいお味も良くてこれは必要な一品。 ・イカの酢味噌和え うわ、正に名古屋っぽい酢味噌! 美味しい。 ・鶏レバーの甘煮 思っていたよりもしつこくない仕上がり。普通に美味しい。ちなみに、聞いてないけどこれは鶏だ。 あとお造りが食べたかったので聞くとネタケースの中にあるものを説明してくれる。その中から鮪を選択。脂が乗っていてこれが美味しいんだわ。 もしかすると、どれも普通に美味しいだけかもしれない。だが、来てみたら分かるだろうが、ロマンという味わいを纏っているとでも良いのだろうか、普通どころではない満足度。 ここで店主らしき御仁を発見、焼き魚ってどうすれば頂けるのですか? そしてまたネタケースから焼き魚を選ぶ。メヒカリにした。やっぱ焼き魚は外せない。プクプクのメヒカリが3尾。全て子持ちのプクプク。程よい塩味でこれは美味しい。 このお店、カウンターというものが無い。でも、ここにはそんなものは必要ないのだろう。お店とお客とで創り上げる空間そのものが落ち着くんだろうな、と。そう感じさせる聞きしにまさる居酒屋だった。この日のことを忘れることはあるまい。そう、名古屋の人がめっちゃくちゃ羨ましくなった夜。 おもむろにお勘定と言えば女将のようなおかあさんがでっかい算盤を弾いて計算する。しめて今宵のお代は4,320円也。今夜ほど満足した4320円は今までに無いかもしれない。 大甚という居酒屋さんら最後の最後まで素晴らしい飲み屋でした。ご馳走さま、必ずまた伺います。 あと、太田和彦さん、ありがとう(笑) ※ちなみに、常温でお酒頼んだだけで2合とっくり出てきたお店は初めてやった(笑) 結局4合頂きましちゃったよ。