場違いだ。 この場違いな感じは、東京の私学に入学手続きに行った日を思い出させる。セレブっぽいファミリーが沢山で、田舎から一人上京した自分が酷く場違いな場にいるような気がしたのだった。 特徴の無いビルの中、洗練された林檎のロゴマーク。 いいのか?大して飲めない自分が入っても。 思わず足が竦む。 中に入ると、壁面を埋め尽くす洋酒。 壮観! スキーデビューなのに、いきなり琵琶湖バレイの上級コースにほうりこまれた日の情景がフラッシュバックする。 我が人生でBAR体験を数えれば、片手でも足りるかもしれない。 そんな無粋な私は、何を頼めば良いのかもわからない。 マスターは酒が弱い私用にモヒートを作ってくださった。 モヒートって何かも知らないまま、ゴクリとすると、おーっ!何とも爽やか。 7月の体の火照りをcool downしてくれる。 御同行の皆様のお話によると、此方のモヒートは格別美味しいらしい。 此方は、カルバドスの品揃えが凄いBAR。 マスターのお話を伺っているうちにカルバドスを頂きたくなった。 銘柄はわからないけれど、ストレートで。 軽く口に含むと、香りが心地よく鼻に抜けて行きます。 舌に残る余韻も円やか。 あれっ! ひょっとしたらcalvadosのこんな飲み方自分に合ってるんじゃないか? 香りと味わいを舐めるように、一雫づつ。 微量点滴するように。 すっかり、気に入ってしまって別の銘柄のcalvadosをもう一杯頂いた。 そして、マスターの高山さんにBARで飲むルールを傾聴した。 此方は、客席を満席にはしないそうだ。 来たお客の満足度を高めるために、席が空いていても、不意に来られたお客さんをお断りしておられる。 高山さんのお話は面白い、良く通る声でメモしたくなるようなお話のオンパレード。 こんな対応されたら、ろくに飲まずに帰れる訳がない。 弱いながらも、何とか3杯頂いた。 全く 、洋酒の銘柄も単語も知らない私ながら、素晴らしいものは肌で感じる。 ひょっとしたら、私にとって今年一番のお店かもしれない。 BARが好きになりそうです。 御同行頂きました皆様、予約を取って下さったYさんに深く感謝致します。 #バー #カルバドス #900