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Shingo Inoueさんの My best 2021

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フランス料理

Shingo Inoue

2016年7月にオープンしたナベノイズム。場所は隅田川沿い。江戸通りと隅田川の間にある細い通りにあるのだが、今この通りがかなり熱い。ロケーションがすごく良いためか、近年注目のお店が次々オープンしている(気がする)。ナベノイズムは都営浅草線の浅草駅のA2出口を出たら3分ぐらいかな。近い。もともとこの道をよく使っていたので、ナベノイズムはいつか来たいと思っていたお店。5年という月日がたってしまったが、ようやく予約をとって訪店。 1階で予約名を伝えて3階へ。1階は厨房になっており、さらりとシェフ(渡辺さん)を紹介されるのが面白い。2階はテラス席があるのが特徴、3階は隅田川沿いのカウンター席がある。今回はこのカウンター席だったが、控えめに言って最高だ。東京スカイツリーが目の前にあり、隅田川の流れを楽しむことができる。もちろん2階のテラス席でも同じだと思うが、室内空間の方が安心して食事がいただけるという点はポイント高い。 そんな席の紹介はさておき、この日は休日のランチ。基本のコースは12,100 円(税込)だが、ディナーと同じコース(24,200円)もお願いすれば提供可能。緊急事態宣言ということもあり、ノンアルコールのドリンクも豊富に用意されている。ワイン用のぶどうを使ったノンアルコールのぶどうドリンクなど、おすすめたくさんあるので是非試してみてほしい。 最初のアミューズ。このインパクトかなりすごい。中央にあるのがメロンのガスパチョ。ほんのりとスパイスをきかせているが、メロンの甘みが前面に出ている。飲みやすい。右下から雷おこしを使った一品と、モナカを使った一品。どちらも絶品だが、特に良かったのはモナカ。上に乗っかるのはトロ。このアミューズ、あと2〜3個食べたい。スパイスの使い方、味の引き出し。完璧と言っていい。ほおずきを使ったピンチョスもレベルが高い。アミューズで唸ってしまうと、先が楽しみで仕方ない。 2皿目はナベノイズムのスペシャリテ。そばがきに、昆布で出汁をっったジュレ、そしてその上に乗るのがウニ。さじに軽くウォッカクリームを乗せているが、全体を混ぜて食べるのが正解。ベースのそばがきとジュレがあっさりだけどしっかりしていて、トップに乗るものの良さをガッツリ引き出しているのが興味深い。すごく不思議だけど、結論美味いからいいじゃないか。 3皿目は魚。この日はスズキだ。この皿がまた最高。スズキは生で出されるものと、バーナーで炙ったものの2種類。スズキってそこまでコクのある魚じゃないという印象があったけど、ニューサマーオレンジを始め酸味の使い方がうまく、端的に美味い。絶品だったのがタップナードのムース。オリーブのうま味を凝縮しながら、爽やかに食べられるように仕上げている。自分の説明力の限界。とにかく美味いから食べてみて。ちなみに左下にはオリーブオイルのパウダー。 4品目も魚。さかなと言ってもアオリイカだ。ただ、でてきた瞬間は「これがイカ?」と思ってしまう。包丁の入れ方と調理法。ちょっとした白身魚にも見えてしまう。あっさりとした味わいを残しつつ、食感は間違いなくイカ。そしてソースがパーフェクト。和の感じを残しつつ、間違いなくフレンチ。このソースは絶妙だった。パンで拭(ぬぐ)って食べたいけど、酢飯につけても美味しそう。伝えたいけど伝わらない。とにかく食べてほしい。 メインは豚。妻有ポークのロース。表面にはスパイスがたっぷり。このスパイスにナスが入っているのが面白い。あと、ソースがちょっとカレー風味なんだよね。付け合せのナスと玉ねぎも完璧すぎて、なんか言葉がない。 さぁ、デセール。1皿目はヤギのチーズのアイスクリーム。これをチェリーに合わせる。なかなか攻めの姿勢を感じる一品。個人的にはヤギのチーズも好きなので、全く問題ないが、個性が強いので合わない人もいるかも知れない。 2品目のデセールは紅玉。ムースとソルベ。パリパリのキャラメリゼ、しっとりとしたムースによる食感のコントラストがきれいだ。カルヴァドスの香りも強く残っていて、程よいインパクトがある。この一皿もレベルが高い。 最後はコーヒーを飲みながら小菓子を。クッキーとカヌレとマカロン。どの小菓子も少し和風な感じがあって食べやすい。特にマカロンが良かったかな。 最初から最後まで、レベルの高いフレンチだった。ポーションはそんなに大きくないけど、ストーリー性があって一品一品のメッセージがある。ギュッと込めたメッセージをフィルターで少し隠しているもの、前面に出しているもの、お皿によって違うけど、全部シェフの自己表現なんだと思う。このランチコースが11,000円(税抜)はやばい。来て正解だった。次はディナーだな。 #浅草フレンチ #ナベノイズム #ランチにフレンチ

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フランス料理

Shingo Inoue

浅草でフレンチと言えばオマージュは外せない。とはいえ、なかなか訪れる機会がなく、この日は恐れ多くも前日に予約を入れて訪問。浅草寺の裏辺りの住宅街の中に現れる打ちっぱなしビルの1階(入口)がオマージュ。予約時間に訪れると、入り口でカバがお出迎え。名前を伝えて2階に通される。実はこのカバ、聞いてみたら椅子だそうで、帰りに座らせてもらいました 笑 席に座ると、これまたカバがマスクをしたイラスト入りの小さな封筒。マスク入れにお使いください、とのこと。ほっこりしたデザインで緊張をほぐしてくれるのが良い。店内は落ち着いた雰囲気で、席数もそれほど多いわけではない。20席弱ぐらい。アットホームな空間だ。 早速アミューズ・ブーシュから料理が始まる。お店にとって最初の印象を与えるアミューズ。結論から言うと、このインパクトが大きかった。一つ一つはブーシュというだけあって一口サイズだが、クオリティが高い。4種類は大皿の周りに配置される。きゅうりのタルト、真鯵、うずらの卵、玉蜀黍のフリット。そして別皿で提供されるのが「鴨フォアグラ」。このフォアグラはめちゃくちゃ美味しかった。いぶりがっこの燻製香といちじくの酸味、そして焼き茄子の旨味がフォアグラにベストマッチ。持ち帰れるならもう一皿ほしい。もう一つ別皿で出てくるのが、モッツァレラチーズ。パッと見たら黄色く見えるが、それは宮崎マンゴーのソースに包まれているから。カリカリに焼かれたパン・ド・カンパーニュを割り入れて食べると、サクサクとした食感も一緒に楽しめるという一品。 続いても前菜。「馬肉」と書かれていたが、でてきたお皿は牡蠣の形。そう、馬肉と牡蠣のマリアージュ。ちょっと見えづらいがウニも潜んでいて、馬肉と海の幸がこんなに合うのかとびっくりしてしまう。 ヴィシソワーズはポロネギにチョウザメ、燻製にしたビーツ。上に乗るのはベルギー産のキャビア。ビーツの燻製香がいいアクセント。お口直しには少しインパクトがあるけど、コースとしての構成を崩す感じではなかった。 魚料理は真名鰹。しっとりとしながらフワッフワに仕上がっている。横に添えられているのは山形名物「だし」。ソースはコラトゥーラという魚醤とルバーブを使っており、複雑な味わい。ホッとする味わいだけど、きっちり爪痕を残すというか、コースのアクセントになっている。 次の料理は「村越シャモロック」と書かれているだけ。でてきたのはスープ皿で中にはトリュフ。あとからスープが注がれて、完成される仕組み。青森のシャモロックから取ったスープ、具材はシャモロックを使ったラビオリに、アワビ、そしてトリュフ。癖がなく飲みやすいスープだ。 サラダが出てくる前にテーブルに置かれた台紙。書かれているのは豊富な野菜類。20〜30種類の野菜がたっぷりはいったボウルがやってくるのだ。この料理が変わっているのは温かいというところ。沢山の野菜に加えて、豆鼓醤やカシューナッツ、野菜のピューレなどがアクセントに。普通のサラダとは違って、存在感が強い。 そしてメインである。この日は仔羊。最近、なんとなく最近仔羊が多い気がする。そしてナイフは9.47。なんとなく最近9.47が多い気がする。そんな事情はさておき、、火入れ、ソースとのバランス含めて完璧。感動的なメインだ。このメインを演出しているのが、その前のスープと野菜。この構成が舌を整えてくれていたのだと思う。 最後のデセール。最初は雷おこし風味のブランマンジェ。そしてお口直し代わりのひとしなは桃の上にミョウガのグラニテをかけた一品。ここに続くフィナーレがサントノーレだ。シュー生地にはプラリネ。ソースには姫レモン。甘いだけじゃない、酸味をうまく使ったバランスが一級品。最後まですごいわ。 お茶菓子は、マドレーヌにかりんとう、カヌレ。かりんとうは3種類とも味が違ったが、何味だったかを失念!あっという間に食べてしまったというのもある。しかしカヌレは美味かったなぁ。お皿にはこれまたカバのイラストがあって、最後までほんわかさせてくれる。 いつか来たいと思っていたお店だったけど、期待を全く裏切らない高いクオリティだった。一つ一つの料理だけじゃなく、流れの作り方、接客のスタイル、細かい気遣い。心地よく食事をするということも、フレンチにとっては大事な要素の一つだ。良いお店だった。 #浅草 #フレンチ

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フランス料理

Shingo Inoue

良い緊張感を持って訪れるフレンチ、そんな一つが銀座大石。どんな料理が食べられるだろうか、というワクワク感と、最後まで食べきれるだろうか、というドキドキ感。食事というのはある意味エンターテイメントのひとつなのかもしれない。 ということで、春の大石である。今回もランチタイム。12時にお客さんが揃ってスタート。ノンアルコールカクテルもあるが、ペリエで。最初にペリエって言ってしまったからペリエで。サンペレグリノでも良かったなぁ、と思ったけど初志貫徹だ。そんな個人的な感情はさておき、バター茶から。そろそろこいつが熱いな、と思える季節になったけど、気分を落ち着かせるには最高の一口。 最初のアミューズはいつもの一品。キャビアにたまごの黄身、そしてトップのディル。一口だけど料理のスタートを告げるには十分。そして、定番のジュレ。コンソメジュレの下に北海道のバフンウニ、北寄貝とボタン海老、底にカリフラワーのムース。コンソメジュレだけ食べると少し濃いな、と思うかもしれない。しかし、それで良い。味のコントラストと、フローを楽しむ料理なのだから。最後はウニとエビ、貝、カリフラワーが一体になる。 続いてまだアミューズと言って良いのだろうか、一品は簡単な魚料理。愛媛県産のスマを使って、下には酢飯(と言ってもバルサミコ酢を使って)、スマの上にワカモレとディル。爽やかで食べやすい。フォカッチャに続いて、コンソメスープ。こちらはすっぽんをふんだんに使っており、真ん中にはカブ。表現の仕方は難しいんだけど、美味いんだ、これが。 序盤の主役、前菜の八寸。前回はこのあたりから少量をお願いしていたが、今日は行けそうな予感。いつもどおり時計回りに6時の方向から説明。「6種類の野菜のゼリー寄せ」「ホワイトアスパラ」「サツキマス(サクラマス)」「紫キャベツ」「うずらのテリーヌ」、そしてピクルス。季節モノでいうと、ホワイトアスパラにびっくりすると思う。この太さと食べごたえはなかなかない。後はサクラマスかな。ちょっと濃い目の白ワインとかあったら最高だろうな。 そんな八寸の終盤で手渡されたのがモナカ。フォアグラとイチのモナカ(パート何番だったかは忘れた)。ザクッ、ガリッの食感のコントラストが良い。この辺は樽香の強い白ワインとか良さそうだよね。 シンプルなしいたけはゴルゴンゾーラのソースとともに。しいたけも良いんだけど、このゴルゴンゾーラのソースがすごい。酸味の香りを残しつつ、味としてはあっさり。ブルーチーズならではの臭み的なものが排除されてて、不思議と食べやすい(語彙力…… そろそろ食事も終盤に差し掛かり、魚料理は金目鯛。色々端折っているが、大石さんの説明により、この後なにがでてくるのかわかっている我々としては、調整の段階だ。個人的な決断は、「魚・鶏を少なめにして、牛肉を存分に楽しもう」だったので金目鯛は少ない目で。とはいえ、この金目鯛がめちゃくちゃ美味くて、少し後悔したのはここだけの話。 鳥料理はじっくりとフライパンっで仕上げた鳥取の大山地鶏。目の前で、丁寧にさばいてくれる。しかも説明付きで!最近焼き鳥屋山によくいっていたので部位の説明があってわかりやすい。ボンジリとかソリレスとか、普通どこかわかんないよね。 そんな鶏が終わってでてきたお口直しはスイカ。高知県のルナピエナを使った一口ジュレだけど、これ美味い。いい表現かわからないけど、水筒に入れて少しずつ飲みたい、そんな感じ。 おまたせしました、メインの牛肉はタンとランプ。タンは炭火でじっくり焼き上げて、ピンクでじゅわっと食べるのでなく、サクッとした触感を楽しむ一品。包丁を入れてみたら、意外とピンクだったのはご愛嬌。歯ざわりはイメージ通りで、サクッと食べられる。タンの楽しみ方が変わる調理法(ここしか無いってことではないです)。ランプの脂ののり具合も最高でバランス感覚良い。 最後は、ずっと目の前でわさわさ動いていたオマール海老のご飯、カレーを頂いて、食事は終了。アヴァンデセールはびわの上にマールのシャーベット。グランデセールはパイ生地の中にクリームと上からたっぷりのマンゴーという組み合わせ。まぁ、控えめに言って最高ですな。 春の大石は初めてだったけど、個人的には最もフィットしていた。個人の好みとか、コンディションとかあると思うけど、食材がリッチな冬よりも春のほうが合っているのかもしれない、そう感じた5月。と言いつつ、また夏と秋の大石も楽しみなのである。 #塊タン #銀座大石 #大石劇場

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寿司

Shingo Inoue

夏のはしもと。今の場所の移転したのが2019年の8月だったので、まもなく移転後2周年ということになる。オープン当初から通い続けているけど、少しずつ細部が洗練されていっているのはもちろん、その日の状態に応じた柔軟な対応など、本当にいいお店です。 ということで、この日も最初はツマミから。 ・枝豆 ・刺し身2種(つぶがい、くえ) ・とうもろこしの茶碗蒸し このトウモロコシの茶碗蒸しも今回はじめてかな。上には海苔とウニが乗る。ウニの旨味と甘味、茶碗蒸し部分は圧倒的にトウモロコシの甘さ。この間をつなぐ海苔がいい意味で存在感を消しながら媒介役を演じている。 ・アワビ ・食べ終わった後に、酢飯とイカ、そして肝ソースを追いがけで ・イワシ海苔巻 ・珍味三種(あん肝、白エビのカラスミ和え、鮎のペースト) ・うなぎの白焼き、塩すだち うなぎってのも珍しいし、塩すだちもちょっと見たことがなかったが、この組み合わせいい。酸味と塩味、旨さと程よい脂身のバランス。 ということで、ここから握り。 ・いつも通り最初はこはだ ・かすご、昆布締め ・赤身のヅケ ・ほんあら ・ホッキ貝 ・せとろ ・中トロ ・エビ うーん、途中の記憶がだんだんとなくなっているが、もっとたくさん出てた。ここまでで12貫かな。 そして、ウニと煮穴子。この日のウニは天草のあかうに。ウニももちろんだけど、はしもとは海苔が美味いんだ。だからウニの美味さが引き立つ。 最後の追加は、珍しく梅しそ巻きを。シンプルだからこそ、美味しいんだよね。 夏の鮨には独特の良さがあるので、是非トライしてみてほしい。次は秋かな。 #新富町 #江戸前寿司

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ハンバーガー

Shingo Inoue

移転してから来たくて仕方なかったが、なかなか行けず、ようやく訪問、The Good Vibes。場所は芝浦。最寄り駅は芝浦ふ頭だが、この日は田町(三田)からてくてく歩いて10分ほど。タワーマンション群を過ぎた頃に現れるおしゃれなお店、それがThe Good Vibes。テラス席も素敵だが、この日は店内に。中央に大きなテーブル、そして壁際にもテーブルが有り、15席強ぐらい。テラス席を含めると、25席ぐらい行けそうだ。 メニューはハンバーガーを中心に、ステーキメニュー、アラカルトなど。とはいえ、この日の狙いは看板メニューの「The Good Vibes Burger (ザグッドバイブズバーガー)」。名物のパストラミを使ったガッツリバーガーだ。ところが「パストラミがなくなってしまって、、」という悲しいお知らせ。。。しかし、なんとか1個ぐらいは作れそう、、ということで、そちらをオーダー。 最近ビールも揃え始めたというThe Good Vibes。色々売り切れになってしまっていたが残っていた中からHazyスタイルのVoodoo Ranger Jussy Haze IPAを。飲み口が軽やかで少し甘いながらもスパイシーさがあるThe Hazyなタイプ。これは美味いよ。 ハンバーガーはバーガーボックスに入って登場。パストラミという概念を崩してくれる分厚いビーフがパティの上にガッツリ乗ってくる。やっちゃったな。久しぶりに食べる前から美味いってわかってるハンバーガー登場だ。食べて最初にわかるのがバンズのサクサク感。焼きすぎない一歩手前のコンガリ感が残っているからこその食感。しかし、これは序章に過ぎない。この後やってくるのがやさしい野菜のオブラートと、肉の重厚なコンビネーションだ。全体的に重たい。重たいけどバランス良い。パストラミってこんなに食べごたえあるの?という概念を変えてくれるハンバーガーだ。 まだまだ食べる、この日のハンバーガー第二弾は「熟成肉チーズバーガー」だ。よりシンプルに、よりバランスを求めて。先程のグッドバイブスバーガーにも入っていたが、より目立つのが一番下に敷かれたソテードオニオン。チャツネ一歩手前のペースト状オニオンだが、これがめちゃくちゃいい仕事をしている。ガッツリしているんだけど、全体的に後味が爽やかなのはこのオニオンさんのおかげだ。 最後に食べたのがプルドポーク。エスプレッソBBQプルドポークサンド。ガッツリとプルドポークが入った上に紫オニオンを全体のつなぎとしてうまく使っている。しかし、主役を食う勢いのバンズがすごい。包み込みつつ、存在を主張している名脇役だ。 ボリュームもインパクトもあって、わかりやすいんだけどまた行きたいハンバーガー屋さん。次は違う種類のハンバーガーも食べたい! #芝浦 #ハンバーガー #パストラミ #プルドポーク

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懐石料理

Shingo Inoue

人形町は甘酒横丁にできたビルの7階(最上階)に今年(2021年)5月、オープンした日本料理屋さん「柳燕」。オープンの噂を聞いてからすぐに予約をとってみたが、7月になってしまった。スケルトンのエレベータを上がりながら、お店に向かうとテンションも上がるというものだ。 引き戸を開けようと思ったら、中からいらっしゃいませの声。予約名を告げて席に。カウンターのみで8席。こじんまりとしているけど、お客さんと大将の距離感が近くて素敵な空間だ。カウンターに置けるのはスマホだけ、とのことだったが、ちゃんとスマホを置く台(コースター的なもの)が有ってなんか可愛い。 大将の「野呂です」という挨拶から始まる。皆さん左胸に名前が刺繍されているので、覚えやすくていい。最初の先付は茄子の荷揚げに煮アワビと根室のウニ。なかなか贅沢な一品からスタートだ。わかりにくいかもしれないが、ボリュームもあって、食べごたえあり。茄子の旨味をアワビとウニがよく引き出している、想定の逆の立ち位置。 続いてのお椀は、毛ガニ。丁寧に積み上げられた蟹の身をササッとほぐして出汁にとく。こうすることで蟹の旨味が全体に行き渡り、最高の一品に。手元で完成するお椀なのだ。 三品目はお造り。明石の鯛とアオリイカ。このアオリイカがめちゃくちゃうまい。丁寧に筋を切ったイカはポーションが大きく、それでいて食べやすい。と、感動していたら、鯛も美味かった。下に隠れているのが大葉ときゅうりで作ったけん。これをさっと巻いて食べると絶品。 次の料理を待っていたら、突然「ラー油は大丈夫ですか?」と。出てきたのはアジのなめろう。最後にラー油で仕上げることで味がしまるのだ。これを海苔で巻いて食べる。 小休止のように出てきたご飯モノは「温かいお鮨」ということで、酢飯の上にのどぐろを乗せた一品。ほぐしながら、混ぜて食べるのが吉。いい感じで脂が乗ったのどぐろと、酢飯の相性がピッタリ。もう一杯!と言いたいが、この後のことを考えると、焦げぐらいのボリュームが良いのかもしれない。 次の料理の前に、たっぷりのタルタルソースが手元に。「お変わりできますので」という悪魔のような囁きがあり、揚げ物が出てくる前についついそのまま食べたら、これがめちゃくちゃうまい。ピクルス代わりになにか漬物を使っているのだがわからず、、聞いてみたらすぐきとのこと。なるほど!このタルタルソースがベストマッチするのが、カキフライ。夏は岩牡蠣のシーズン。良い岩ガキを食べられるのがこの時期の贅沢でもある。 焼き物は魚。何やら赤いものが用意されているな、、と思っていたらキンキをたっぷりの梅ソースで仕上げた、ちょっと珍しい焼き魚。かなりソースがたっぷりなのだが、これがしつこくない。キンキの美味さをよく引き出している。ボリュームもかなりあるが、サラッと食べられてしまう。 そろそろ終盤戦。ここで主役級がまた登場。ねぎま(葱鮪)鍋。文字通り、ネギとマグロで食べる鍋なのだが、コイツが絶品。最初にネギやごぼうなどを鍋に入れて、最後にマグロを泳がせ、包んで食べる。味のアクセントはコショウ。この胡椒がまた絶品なんだ。めちゃくちゃうまいので、とりあえず食べてみてと言うしかない。 ということで、ご飯物。お釜で炊くのは新潟の雪椿。これにうなぎがつく。更に、とろろも!どう合わせて食べるかは自分次第、というが、アレンジの幅は広い。うなぎも美味いが、ついついご飯もおかわりしてしまった。 デザートの前に、ほんの少しだけニュウメン。細い細いそうめんを暖かくして一口で。お腹はいっぱいだけど、スルスルと入ってしまうのが不思議だ。最後にデザートを頂いてごちそうさま。 一つ一つの食事のレベルも高いけど、全体の構成がいい。あと、ボリューム感も良くて、個人的には相性が良いと感じた和食だった。季節ごとに訪れるお店にしたい。 #人形町 #注目の新店

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東京都

ハンバーガー

Shingo Inoue

最近肉料理好きの間で話題になっているフリーマン食堂。幡ヶ谷の駅を降りて南方面に進み5分ほど行った場所にある。途中でNISHIHARA STREETというゲートをくぐっていけば間違いない。「升本酒店」と大きく書かれたビルが目印。店内は右側のテーブル席をメインに奥にカウンター、手前はボックス席風だったような記憶が。ピークタイムは混雑するので、店の外にウェイティングスペースがある。 この日は休日のランチタイムに。サンドイッチメニューが4つ、そしてスペアリブ。スモークチキンサンドイッチ、プルドポークサンドイッチ、スモークサバサンドイッチはそれぞれ1,000円。NYスタイルパストラミサンドイッチが2,000円。スペアリブは2ピースで1,200円だ。サイドディッシュはポテトorサラダorスープが選べる。オーダーしたのは「プルドポークサンドイッチ」と「NYスタイルパストラミサンドイッチ」。 フードを頼んだら、次はドリンク。生ビールのタップが4種類あるということで、頼んだのはBurnt MillのIPA(Chinook)。飲み口はあっさりながら後味がぐっと苦くていい感じだ。周りを見てみると、外国の方が比較的多い。感覚的には半分ぐらいか。みんな楽しそうにサンドイッチを頬張りながらビールを飲んでいる。平和な休日の午後。 ということでやってきたサンドイッチ。まずはプルドポークサンドイッチ。こちらはプルプルに仕上がったプルドポークに赤キャベツのピクルスを添えて。豚肉の甘味、旨味とキャベツの酸味のバランスが最高だ。都内でも、いや全国でもプルドポークがもっともっと広まるといいのにな。 続いてNYスタイルパストラミサンドイッチ。シンプルすぎてヤバい。たっぷりのパストラミがドカンと乗っかり、マスタードがグリグリと。これだけ。肉食えよ!というメッセージがストレートすぎる。パストラミってサンドイッチで薄切りのイメージがあるので、これだけ肉厚なパストラミもすごいし、食べごたえがありすぎる。シンプルだけど肉のインパクトは本当にすごい。 もう1杯飲んだビールも美味しかったので紹介。こちらはBurnt MillのGarden of Greenというヘイジータイプ。めちゃ美味い!美味しいビールも飲めるし、最高のプルドポークにパストラミ。このお店は外せない。 テイクアウトで持って帰って食べたスペアリブも良くて、ランチメニューの半分以上を食べたけど、結果的に全部正解だったという、恐ろしいお店。幡ヶ谷あたりに住んでいる人は是非行ってみてほしい。 #プルドポーク #パストラミビーフ #幡ヶ谷

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焼き鳥

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ということで、押上のおみ乃。もともと2月の予約が緊急事態宣言などでリスケリスケで5月に。緊急事態宣言がアップデートされて酒類の提供はなくなってしまったが、鶏の旨さは変わらない、ということで、予約時間ピッタリに店到着。押上駅から徒歩5分ぐらい。住宅街の一角。入ってすぐに検温と消毒液で、席に。焼き場を中心にコの字型のカウンター。それぞれの席に名称が付けられているようだったが、最後まで覚えられなかった。 最初にドリンクのオーダー。アルコール類は提供していないが、ノンアルコールビールは国産とドイツ製があるということで、まずは国産を。サッポロだったが、結論から言うと、ドイツ製がおすすめ。ビットベルガーというノンアルコールビールのクオリティが高い。 ということで、最初に香の物と大根おろしが提供されて、焼鳥のスタート。基本はストップと言うまでずっと続く仕組み。自分の胃を信じて、1本1本を楽しむだけだ。最初にレバーから始まり、、(レバーを含めて)こんな感じで提供されていった。 ・レバー ・ししとう ・砂肝 ・ぎんなん ・あつあげ ・まるはつ(いわゆる心臓) ・せせり ・どんこしいたけ ・かっぱ(やげんなんこつ) ・白玉(うずらの卵) ・つくね ・かしわ(もも肉) ・はつもと ・かたのぶぶん(手羽元) ・ぼんじり ・食道 ・手羽先 ・山芋 ・ハラミ 手羽元あたりで終了の合図をするとともに、山芋とハラミは別オーダー。ちょうちんを食べたかったが、この日は残念ながら提供なし。 全体的な感想としては、とにかくあっさり。食べやすい。脂の部分をうまく使っていて、こってりな部位とのコントラストが良い。こってりとした焼鳥が好きな人は少し物足りないかもしれないが、個人的にはめちゃくちゃ良かった。 特に良かった部位は、マルハツ(心臓)。適度に脂が乗っていて食べやすいし、かと言ってしつこくない。あとは、食道。ソフトな柔らかさと食べごたえがあって、でも後味は爽やかで。いい焼き鳥。 最後に親子丼を頂いてごちそうさま。正直言うと、親子丼は期待したほどではなかったが、これは好みの問題。適度な塩加減の焼き鳥をガッツリ食べるなら、おみ乃一択だな、と思った夜だった。 焼鳥ってほんといい文化だよね。 #焼鳥 #押上

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割烹・小料理屋

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今年(2021年)2月にオープンしたときから行きたいと思ってた岡田前。平日のディナーが時間的に厳しい今、運良く土曜日の予約が取れたので、久しぶりの麻布十番。麻布十番駅から麻布十番大通りを六本木方面へ。カールスジュニアが最近できたビルの向かい辺りの地下1階が肉割烹 岡田前。お店の前には「岡田前」と書かれたバス停があって、遊び心が垣間見える。 店内はL字型のカウンターが2つ(8席×2)並び、間に炭焼のオーブンがある。なんとも説明しづらい内装なのだが、料理が始まってみればその理由がわかった。手前と奥のカウンターでスタート時間をずらし、常に岡田さんがカウンターに立つような仕組みになっているのだ。イノセントカーベリーでは指定しないといけなかった「岡田前」だが、ここでは全席「岡田前」。店名裏切らず。 最初に挨拶があって、料理が始まる。忙しく包丁を動かしながら、一品一品説明をしてく劇場型スタイル。一品目は「コンソメといくら」。牛肉で出汁をとった茶碗蒸しにイクラがたっぷり乗る。少し柚子風味。一面に敷き詰められたイクラの弾力がすごくいい。美味い。 2品目は「ステーキのタルタル」。目の前でタルタルが仕上がっていく。パンの上に乗せて提供。温かすぎず、冷たすぎずのちょうどよい温度が脂の融点。だから口の中でねっとりと広がる。 3品目は「メンチカツ」である。メンチカツと言っても上にたっぷりのウニが乗るので、かなりウニ。しかしこのメンチカツ、ウニに負けていない。ちょっとウニが勝つぐらいのバランスがいいような気がする。 4品目。この料理は感服。タンの刺身だが、目の前で丸々のタンをトリミングしていき、丁寧に切っていく。薄切りにした後は、ざっくり手でまとめてお皿に。この盛り付け方がなんかいい。これで終わりかと思いきや、上からたっぷりのトリュフ。このタンは最高にうまい。横に添えられた葉っぱはハマボウフウ。 5品目は小休止的にお椀。白アスパラの豆腐に秋田のじゅんさい。じゅんさいの季節だよね。あっさりとして心があたたまる。 6品目は「ユッケ」。さっきのタンの刺身が最高だと言ってしまったが、このユッケはそれを超えてきた。脂の融点を巧みにあやつり、整える。炊きたての御飯を手で丸め、お茶碗に。(めちゃくちゃ熱そうなんだけど、岡田さん曰く「手の表面に膜を作るんです。イメージで」と謎の説明)。卵黄をかけて、その上にユッケ、そして贅沢にキャビアを瓶の半分乗せる。瓶の半分乗せる(大事なことなので2回言いました)。文章で説明するのが面倒になるぐらい美味い。なぜなら食べたらわかるから。 7品目はタン元。ミディアムウェルに仕上げたタンだ。温度としては62.5度とのことだが、表面はしっかりと火が入り、中に少し赤さが残る。このタンは柔らかいのではなく、サクッとした歯ごたえが特徴。だから食べやすい。美味い。 8品目は「シャトーブリアンの天ぷら」。シャトーブリアンをバジルで巻いて、衣をつけて揚げる。肉の旨味とバジルの香りのバランスが良く食感も新しい。 9品目。店中央にあるオーブンでじっくり焼き上げられ、串に刺さった肉。「シンシンとサーロインのステーキ」だった。シンプルに火入れのレベルが求められる一品だが、控えめに言って最高だった。 10品目はそば。もうお腹はいっぱいだが、少量だし細麺だし、スルッと入るのがいい感じだ。最後にコーヒーとデザート。アイスクリームはまさかのトリュフ。なかなか無いよね、トリュフのアイスクリーム。珍しいけど食べごたえあり。 期待値が低かったわけでは決して無いけど、驚きの連続で満足度が高すぎた。常に説明を加えてくれることで、食事に対する期待が上がる。いいお店だった。 そうそう、これに加えてお土産もつく。フランスパンに肉を挟んだサンドイッチ(2個)と牛タンのカレー。このサンドイッチがまた絶品。これ1つだけで500〜1,000円は払えるんじゃないだろうか。牛タンのカレーは意外とあっさりで、フレンチなどで最後に食べるカレーにちょっと近い。 こんな長いレビュー、久しぶりだな。それだけ美味かったってこと。人生はいいお店との出会い。いい店に出会えた。 #麻布十番 #肉割烹 #岡田前

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寿司

Shingo Inoue

じわじわと店舗を増やしている赤酢。もともとの創業は大阪だが、銀座店が本店となっているようだ。場所は八丁目の金春通り沿い。久兵衛のすぐ近くというか2軒隣ぐらいのビルの3階。1階には燻製料理で有名な煙事が入る。エレベータを降りると「赤酢」の文字。暖簾は左手にかかる。右側はトイレ。左の引き戸を開けると長いカウンター。おおよそ9人ぐらいが座れるようだ。 最初の前菜がわりの一品はじゅんさい。土佐酢のジュレとともに。スッキリと口の中をリセットしてくれる最高の一品。6月はじゅんさいの季節だよね。 2品目から握りが始まる。まずは挨拶代わりの「中トロ」。その濃厚さもなかなかのものだが、びっくりするのが赤酢のシャリ。かなり立ってる。酸味も十分、程よい歯ごたえ。この酸味の強さは脂の乗ったネタによく合う。3品目は「赤身のヅケ」。上に乗るのは福井産の地ガラシ。この触媒があるからか、ちょっとした香ばしさが口の中に広がる。3品目は「大トロ」。なんとマグロ3連発だ。このシャリはマグロによく合う。 途中で出されたガリは2種類。どちらも美味しい。加えて「しゃくし菜漬け」も。このしゃくし菜漬けは酸味と旨味のバランスが良くてどんどん食べられてしまった。 握りは小休止で、でてきたのが「長崎産、黒あわびの酒蒸し」。下には肝ソースがたっぷり。こちらをつけて食べてくださいということだったが、どう考えてもソースのほうが多い。と思ったら、残ったソースに、シャリとウニを乗せて、追いソース。これはめちゃくちゃ贅沢だ。加えてこのソースが美味い。バターを使っているのだろうか、和食というよりも少しフレンチのような味わいだった。 さて、握りに戻って、「熊本産のコハダ」。光り物とこのシャリの相性は、、と危惧していたが、絶妙なバランスだ。コハダの酸味よりも旨味が引き出されるところが不思議だった。続くのは「神奈川産のイシガレイ」。熟成によるうま味がにじみ出ている。 ここで茶碗蒸しの登場。なんと「梅水晶の茶碗蒸し」。珍しいよね。ふんわり柔らかく仕上げた茶碗蒸しを食べると、梅水晶のコリコリとした食感がアクセントになるという構成。 またまた握りへもどって、「鹿児島のアジ」。そして「キンキのしゃぶしゃぶ」。一口でお召し上がりください、とのことだったが、ふわふわのホロホロで食べるのが難しい!「愛知県産の本ミル貝」の握り、「銀鱈の西京焼き」と続く。つまみと握りが交互に出るスタイルは飽きさせなくていい。 そろそろ終盤。「天草の車海老」、「対馬のアナゴ」で、握りは終了。最後の巻物は「トロたく」か「ねぎとろ」を選べる。また、トッピングでウニorイクラorキャビアも選択できるということだったが、シンプルにトロたくをお願いした。全部のせにしたら、どんな見た目になるんだろうか。 追加のネタがいくつかあったので、気になったイワシを頂いて。最後のデザートはタピオカのわらび餅を頂いてごちそうさま。 赤酢のシャリはかなり特徴があるので、人によって好みが分かれると思う。個人的には脂がよく乗った魚との相性が非常に良いと感じた。また、食感が独特(少し芯を感じる)なのも気になる人は気になるだろうな。 接客を含めて、すごく温かい空間で気持ちよく食事ができたのが印象的。いい店見つけてしまったな。 #銀座で寿司 #赤酢のシャリ