Taizo Son

Taizo Son

旨い鮨を食べるためなら労を厭わず、進化し続けるフレンチのトレンドを追い、ウォッカマティーニの飲み方を究めることを人生の目的のひとつとしています。味や店の雰囲気もさることながら、料理人のクリエイティビティを重視しています。投稿は僕が愛するお店について愛情たっぷりかつ字数制限いっぱいまで冗長に書くことを意識しています(笑)

  • 13投稿
  • 91フォロー
  • 1623フォロワー
  • エリア(すべて)
  • />
    ジャンル(すべて)
Taizo Son

Taizo Son

good

渋谷駅

寿司

「凛」とした鮨を食べさせる店。渋谷という鮨屋にとって不毛な場所で、若いが頑ななまでにこだわりの強い大将が、鮨、酒、空間の隅々まで神経を行き届かせようとひとり真剣に勝負している様は、業種は違えど真剣勝負をしているこちらにとっても見ていて非常に心地よかった。 特筆すべきは古の製法の赤酢を使ったしっかりとしたシャリ。噛んで心地よし、ネタとからんで味わいよし、歯の弱くなった老人には悪いが、若き大将ならではのビシッと締まった鮨は自分好みで好感をもてる。 つまみが数品、最後に脂の乗った炙り鯖を楽しんだ後、最初に出てきたにぎりはなんと中トロ、もひとつ中トロ、そして赤身のヅケ、極めつけは写真にある美しい秋サヨリ!サヨリの旬は春、と思い込んでいたら「秋のサヨリも脂が乗って旨いんです」との大将の言。なぜこのような組み立てかと聞けば、つまみと握りのトータルの組み立てでみれば、必ずしも握りが白身から始まる必要はないという考えから。慣習に囚われず旨い鮨を食わせようという若き彼の努力に大いに刺激を受けた。 おまかせでつまみ五品+握り13貫で1万2千円が基本。少々無理をしてでもぜひ若者に行って欲しい鮨屋。

Taizo Son

Taizo Son

excellent

表参道駅

焼肉

焼肉ジャンボにて修行し、さらにその先を求めて開業したオーナーのVANNE氏(クラブDJとしても有名)が創りあげた、「焼肉」という料理の可能性を広げ東京で最も進化した最新型焼肉店。おまかせで頼むと、ミスジ、シルクロース、ザブトン、カイノミ、シャトーブリアンなど、ふつうの焼肉屋では聞きなれない部位の肉が次々と並ぶ。味の違いが誰にでも歴然とわかる食材の素晴らしさ、食材ごとに考えぬかれた肉の厚み、切り方、焼肉ダレだけにとどまらない様々な調味、懐石のようなドラマティックな展開のコースの組み立てなど、肉の旨味を最高に引き出すにはどうしたらいいかということをひたすら追求した結果、従来の焼肉屋の概念や枠組みにとらわれず「焼肉」という料理の新しい地平を切り開くことができた、画期的なお店であると思う。 通常、焼肉は客が自分たちで焼くスタイルだが、ここに来たら必ずお願いをしてオーナー自ら焼いていただき、プロの仕事を堪能すべきである。食材ごとに異なるベストな火加減があるということを解説とともに実際に証明し、楽しませてくれる。 素材の旨味を引き出すということにおいて最高レベルの鮨屋と同じ境地の至高の焼肉店。

Taizo Son

Taizo Son

excellent

広尾駅

フランス料理

新進気鋭の天才シェフ生江史伸氏が創り出すクリエイティブな作品を堪能できる最新型フレンチレストラン。とにかく素晴らしいそれぞれの皿の出来栄えとコースの組み立て。いったいどうやってこのレシピを思いついたのだろうという独創性と、ユニークなだけじゃない料理の完成度の高さに思わず舌を巻く。 生江氏の作る料理を味わうという行為は、単に美味しくて斬新な料理を楽しむということだけではなく、彼の食材に対する情熱や自然に対する哲学、人生における美意識など、彼の世界観を共有することに他ならない、そんな稀有な体験であるといっても過言ではない。それぞれのお皿は、味わうたびに感動すると同時にすごくいろいろなことを考えさせられ、それは、食事というよりもむしろ映画やアートを鑑賞した後の感じに似ている。かつて僕が料理を食べてこのような境地に至ったのは、Michel Bras Toya JaponとDinner by Heston Blumenthal Londonとここだけだ。 僕はこのお店に最大級の賛辞を贈りたい。そして今後ますます花開き燦然と輝くであろうであろう彼の創造性のきらめきを見守っていきたいと思う。

Taizo Son

Taizo Son

excellent

恵比寿駅

イタリア料理

ピッツァが食べたくなったら間違いなく絶対ここ。メニューはもちろんあるのだけれど、基本的にそんなものは見ない。店長に今日のおすすめをおうかがいするとその日の旬の食材を教えてくれるのでそれをソテーするかフライにするかアクアパッツァにするかを相談して注文し、ピッツァは白魚とかトリュフとかいろいろ季節に応じておすすめの具材とソースを提案してくれるのでそれを注文し、ワインもピオ・チェーザレやリヴィオ・ファルーガなどコストパフォーマンスに優れた本当に質の高い素晴らしいワインを勧めてくれるのでそれを頼み、次々に出て来るものをかたっぱしから思いきり頬張ってご機嫌でお腹いっぱいになって帰るという、なんともお気楽極楽で最高に幸せな気分になれる素敵なお店。やっぱイタリアンはこうでなくっちゃあ! ピッツァは生地がなんとももちもちしてて具材やソースの味付けの塩梅も絶妙でほんっとに美味しい。毎回行くたびに違うピッツァを食べているが、行けば行くほどもっともっと食べたくなる。ああ、ピッツァ食べたい! イタリアの旨い料理と旨い酒、開放的な雰囲気を広尾にいながらにして存分に楽しめる、僕にとって大切なお店。

Taizo Son

Taizo Son

good

薬院大通駅

焼き鳥

福岡の焼とり好きで知らぬものはいない焼とりの名店がここ「とりかわ粋恭」。 ここで食べるべきは、もちろん「とりかわ」。福岡のとりかわを知らない人は「鶏皮ぁ?そんなにうまいかなあ?」などと言うが、食べたことのない人には絶対に分からない、他の地域の鶏皮とは全然違う「とりかわ」がここにある。タレのよく染みた鶏皮の香ばしさが口の中いっぱいに広がった後、柔らかくてむっちりクニュクニュとした歯ごたえがなんともいえずたまらない。普通の鶏皮は皮を短冊状に切って串刺しにしてあるだけだが、ここのとりかわは細長く切った皮をくるくると串に巻きつけるように刺してあり、それを秘伝のタレに何度も何度も漬けて数日かけて一本の串が仕上げられる手の込んだ作りになっている。その手のかけ方が、濃厚で深い味わいを作り出しているのだ。 「博多の食べ物を一晩でいろいろ味わいたい」という欲張りな人が来た場合、スターターとしてここへ連れてきて、とりかわだけ食べて次の店にはしごする、という技を僕はたまにやるのだが、連れてくるとみんな必ず、店から引きずりだすのがたいへんなくらい感動してなんとかここに居座ろうとする。そんな磁力のあるお店。