杉山 善朗

杉山 善朗さんの My best 2020

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岐阜県

パン屋

杉山 善朗

岐阜駅前。老舗中の老舗パン屋さん。 どれぐらい老舗かというと、現在70手前の親父が近くの高校に通っていた頃よりも前からずーーーと変わらず営業しているくらいの老舗。 ショージキ、おいしいパン屋さんなら他にいくらでもあるんです。岐阜の駅前を舐めないでください。 安いパン屋さんだって探せばぜんぜん見つけられます。 オサレなパン屋さんならいくらでもある、っていうかここよりもオサレじゃないパン屋があったら逆に教えてほしいです。 でもねぇ、近くを通ると寄っちゃうんですよ。 何か知らんけど買っちゃうんです。 ホントにただのアンパンとかジャムパンとかなんです。 でもねぇ、買っちゃう。 高校生の頃、塾に行く前に寄ってメロンパンかじりながら参考書読んだこととか。 大学生の頃、バイト行く前に寄ってクロワッサン頬張りながらケッタ(自転車のこと)をこいだこととか。 そういうあれやこれやを思い出してねぇ。おいしくいただいちゃう。 ここのパンは思い出込みの味だし値段なんです。僕みたいな人、けっこういるんじゃないかなぁ。 この感覚が分かるという人にはオススメするまでもないし、逆に分からんという人には別にオススメしません。 だから「★」です。普通なんです。ちょっと商品名が変わっているけど普通のパン屋さんです。 でも、その普通ということが、普通であり続けるということがどれだけ貴重なのかということを世界中が突きつけられた2020年でした。だから今年のベストはサカエパンです。 だって岐阜で一番貴重なパン屋さんはここだと思うから。 半世紀を優に超える歴史の中で、おそらくいろんな危機があったことでしょう。それらを乗り越えて今も変わらずあり続けるサカエパンを見ていると、今回の危機もきっと乗り超えていけるはずだと信じられます。 そんなことを思って年末にお邪魔しました。いろいろ買って帰って、妻とアンパンをはんぶんこして食べました。いつもと変わらず、ズッシリとしたアンパンは普通においしかったです。 ダラダラとした長文にお付き合いいただきありがとうございました。皆様にとって、そして世界にとって来年がよい年になることを願っております。よいお年を。 さらに願わくば、サカエパンのアンパンを自分の子どもや孫の世代も食べられる世界であり続けますように。 #「普通」のパン屋