尾田 敏浩
長柄駅
喫茶店
本日の朝食は天理市三昧田町にある「茶房 お食事 山鳩」にお邪魔しました。 こちらは、国道169号線、通称天理街道沿いに在る民家を改装したレストラン、喫茶店です。 桜井市から奈良市へ抜ける主要道路沿いに在って、ランチや喫茶を摂るのに丁度良いお店です。 ランチは、デミグラスソースがたっぷりかかった厚めのハンバーグ、海老フライ、唐揚げ、オムライス等、何れもボリュームが有り、尚且つリーズナブルで、地元のお客さんを中心に繁盛しているお店です。 ランチや喫茶以外にも、モーニングサービスも有り、使い勝手の良いお店です。 本日は評判のモーニングサービスをいただきたいと思います。 昨日に引き続き、今朝も良いお天気です。 今日も暑くなりそうですね。 但し、沿道沿いの田圃は黄金色に染まり、稲穂が頭を垂れています。 所々稲刈りが進み、季節は秋を迎えています。 愈々「食欲の秋」の到来です。 こちらは、昔から営まれている老舗で、若い頃から仕事の合間のランチ等で度々お世話になっているお店です。 天井が吹き抜けで広々とした店内には歌謡曲が流れ、時が止まったかのように「昭和」の雰囲気です。 昔から変わらぬ雰囲気で、こう言ったのが良いんですよね。 ならば今朝は「和」で行きましょう。 窓際のテーブル席に腰掛けて、注文を入れます。 本日は「モーニングサービス 竹」580円をいただきました。 こちらは、ベーコンエッグにサラダ、味付海苔、味噌汁、香の物、ご飯、ドリンクが付いたお得なモーニングセットです。 ドリンクはホットコーヒーをお願いしました。 お店の雰囲気を愉しみ乍ら暫く待つと、モーニングセットの登場です。 これぞ和定食と言った風情で美味しそうですね。 何だか実家の朝食を思い起こさせる定食です。 何より、こちらのお店らしく朝からボリューム満点のセットですね。 これで食後にコーヒーが付くとは… コーヒーが単品で400円なので、これで580円は破格のお値段ですね。 先ずはお味噌汁をいただきます。 お味噌汁は合わせ味噌で、具は若布、薬味は葱のシンプルなものですが、起き抜けの身体に沁みる優しい味わいです。 コレコレ、こんなのが朝には良いんです。 続いては、ベーコンエッグをいただきます。 目玉焼きは艶やかで綺麗な黄身が白身に映えます。 目玉焼きはサニーサイドアップで焼かれ、鮮やかな黄身は見事な半熟で、少し動かすと崩れそうです。 その両脇にはシットリと焼かれたベーコンがあり、共にいただくと丁度良い塩味が加わり、美味しいですね。 鮮やかな色合いの半熟の黄身を崩さないように慎重に口に運ぶと、トロトロの黄身が口の中で蕩けます。 これも美味いですね。 思わずご飯をかき込みます。 付け合わせのコールスローサラダもタップリと有ります。 ベーコンエッグに覆われたサラダには柚子ドレッシングがかかり、瑞々しいキャベツや紫玉葱のスライスのシャキシャキとした食感が良いですね。 和定食らしく味付海苔が付いているのが嬉しいですね。 これにご飯を包んでいただくと、もう堪りません。 海苔の風味が口いっぱい広がります。 香の物を挟んで、ゆっくりと「和」の朝食セットを愉しみます。 食後は、ブレンドコーヒーをブラックでいただきます。 香りの良いブレンドコーヒーは、苦味や酸味が抑えめのすっきりとした味わいで、食後にいただくのに丁度良いですね。 懐かしの昭和の雰囲気を味わい乍ら、ゆったりとした朝の時間を過ごします。 あー美味しかった。 食の多様化が進み、家庭の朝食も様変わりして久しいですが、昔気質の私としては伝統的な和食の朝食が恋しくなります。 国民的人気を誇る映画「男はつらいよ」では、作中で「寅さん」こと車寅次郎の理想とする朝食が語られるシーンがあります。 「男はつらいよ 第5作「望郷編」」にそのシーンで語られたその朝食とは… 皆が仕事に出た後、遅くに起きておばちゃんに「もう冷えちゃってるよ」と言われ、「上等、上等」と喋り始めます。 おばちゃんが「大したものは出来ないよ」と言ったのに対し、寅さんは… 「…温かい味噌汁さえあれば充分よ。 後はお新香、海苔、鱈子一腹、ね。 芥子の効いた納豆、これにはね、生葱を細かく刻んでたっぷり入れてくれよ。 後は塩昆布に生卵でも添えてくれりゃ、おばちゃん、何もいらねえな、うん…」 と滑舌の良いセリフ回しで一気に捲し立てます。 横で聞いていたおいちゃんが、それだけあれば充分と怒り、何時もの喧嘩になると言う一幕です。 寅さんが語った朝食は、正に「日本人の理想の朝食」という感じで、聞いているだけで 美味しそうですね。 そんな「昭和」の食卓も、今では中々お目にかからなくなりました。 しかし時折、そんな朝食が無性にいただきたくなるんですよね。 こちらのお店は、そんな気分の時に訪れる1軒で