小林多喜絵
小村井駅
ラーメン
銭湯巡りが趣味なんです、私。 そんな銭湯巡りの途中でふと見つけたこのお店。 なんか匂います。 一見、昔からある感じのトンカツ屋さんか中華料理か定食屋さんかなんかそんな感じ。 そろそろ新しいのを作ったらどうかな?という感じの暖簾には、餃子舗の文字。 敢えて餃子舗と名乗る辺りに手練れの香りを感じます。 後で来ようかなと思って、お風呂入っていざ帰り道。 寄ってみましたよ。 こんな道誰が通るんだろう?とか思うような道です。 一軒だけポツンと点いた蛍光灯の明かりに向かって、私は夜の虫です。 少し建て付けが悪くなった木枠の引き戸を開けて 「すみません、まだ大丈夫ですか?」 と訊きました。 「大丈夫ですよ」というので中へ。 お客さんは、私ともうひとり。 その人は店長さんとふたりで喋っていたようです。 草野球かなにかの話です。 『◯◯さん、なんか練習来ないから心配になっちゃってね』 『いやあ、ここでも見かけないねえ』 みたいな感じでやり取りしてる。 店長さんのお歳は七十くらいかな。 痩せ型で、職人さんという風体です。好印象です。 私は、餃子を頼もうとテーブルの上のメニューを見ます。 焼き餃子と水餃子とありました。どちらも450円。水餃子好きのタキちゃんとしては当然水餃子と行きたいところだったんですけど、どうしても焼き餃子の口になってしまっていたのでそこは焼き餃子。 もう一品と思い、ラーメンを頼みました。 カウンターに座ったので、厨房の中が見えたのですが、調理道具は使い込まれて黒々とした小さなお鍋です。 なんか、店長さんと共に生きてきた感じがしてちょっと感動です。 お客さんと店長さんの談笑は続きます。 しばらくして、餃子の完成です。 小ぶりの丸み帯びた餃子が6個。羽根つきです。 いい感じに焼けています。 ラー油はおそらく自家製なのでしょう。たっぷりお皿にとって、お酢とお醤油を入れます。 一口いただきます。 美味しい! 美味しいんです。もちろん期待して入りましたけど、期待を裏切らない。 少しもちもちした食感は、おそらくこの皮が普通の焼き餃子よりも厚めの皮だからでしょう。 だからといって厚すぎない。ちゃんと焼き餃子の皮の厚みにおさまっている。 それはおそらく水餃子サイドから見て少し薄めの皮だけど破れることなくちゃんとおさまっているみたいにとれるのかもしれません。 この餃子は、多分水焼両用の餃子。というわけです。 お見それしました。 ラーメンもいかにも東京のラーメンで美味しかったのですが、ちょっと餃子が美味しすぎて次は餃子2つ頼みたいくらいになっています。 また来ます。