おにへい
拝島駅
ラーメン
オーパーツ。 昔、漫画か何かで読んだが、現代の科学水準ではおおよそ創り出すことが出来ない機器、物質。 コチラのラーメンを頂くと、そんな感覚に落ち入ってしまう。 現場は、拝島駅西武線のコンコースを北口側に歩き、左側の階段を降りる。 そのまま線路沿いの路地を歩き、ファミマを過ぎたら右側の橋を渡ると右手マンション1階の小さな店が目的地だ。 2人組の男性が店の外で待っていた。 程なくして案内された先程の2人組の男性が、ヒョコっとドアから顔を出し「あと1人入れますよ」と招いてくれた。 さらに数字を押すタイプの券売機の前でマゴマゴしていると「0を押してから、数字を押すんです」と再び助けられる。 お礼を言って「ラーメン好きに悪人は無し」などと今考えついた格言を頭の中で反芻しながら食券を購入する。 凛々しい特製地鶏中華そば+塩チャーシューカップごはん(¥980+¥220)をチョイス。 店内は極めて狭く、5人がけのカウンターがあるのみで、カウンター内のキッチンも2人いる男性と女性のスタッフがすれ違うことも出来ないくらいだ。 職人とお客の距離が極めて近く、作業のほとんどが見て取れる。 麺を湯がくのも小さな寸胴一つきりで、麺カゴが2個ギリギリ入るくらいの大きさだ。 一見効率の悪い感じにも思えるが、スタッフさんがテキパキと役割をこなしラーメンが出来上がるプロセスを眺めながら待たされることはない。 同時進行で小さなコンロの上で、ご飯用のゴロゴロした豚ロースの角切りをフライパンで炒めている。 先にご飯が到着。 丸く盛られたご飯の上に、塩胡椒で味付けされた角切り豚ロースがこれでもかと敷き詰められ、チョコンと三つ葉をあしらっている。 外側はカリッと香ばしく、噛み締めると実にジューシー、味付けもシンプルだが、ラーメンを邪魔しない程度、まさにいい塩梅に仕上げてある。 程なくして、ラーメンも着丼。 鶏チャーシューの上に低温調理されたレアチャーシューがどっさりと鎮座する。 これは、なるべく煮えないようにとの配慮であろうか、レアチャーシューはスープに浸らずに提供される。 さらに、味付けタマゴと山クラゲに三つ葉が添えられる。 まずは、スープを一口。 そしてスープを、さらにスープを、、レンゲが止まらない。 ウマい! いや、ウンマい!! 出汁とかえしが、見事に調和して何も引っかかるモノが無い、あたかも元々自分の体内に存在していた体液かのようにゴクゴクと身体に染み込み吸収されていく。 すかさず、麺をすする。 つるりとしたストレートで、バキッとした食感をほんの少しだけ残す。 山クラゲの食感も嬉しい。 レアチャーシューを一枚放り込み、噛み締めながら、一息つく。 そういえば、このスタイルのチャーシューを初めて食べたのもこの店の青梅の本店だった。 上品な味付けは、この極上のスープと交わったときに完成するよう計算し尽くされているのではと、感じさせる。 初めて食べたときの衝撃は、色褪せることなく抜群にウマい。 箸とレンゲの動きが加速し、危うく喰らい尽くしてしまいそうになる。 この店は、ラーメンでもスープ割りが出来るのだった、この味のまま飲み干したい気持ちをグッと堪えて 完璧に最後まで味合うには、スープ割りをしなければならない 本日のスープは生姜とあるが、さて… 白い刻んだ生姜が見て取れる。 一口、貝出汁だ。 もちろん生姜の主張が強いが、明らかに貝を感じる。 全く別物になったスープをすすり、程良く煮えたレアチャーシューの最後の一枚を頬張る。 現時点で一杯のラーメンという料理として、ある意味到達している。 いや、突き抜けているのではないだろうか? 是非とも、皆さんの意見を拝聴したい、、 今後も、この小さな巨人から目が離せない。