妖しい街、錦糸町。南口のマルイ裏はさらに妖しいカオス地帯。その一角にあるベタな名前の店、「アジアカレーライス」。ここは都内でも珍しいバングラデシュ料理の店。乱立する風俗店の呼び込みをするベンガル人たち御用達の店でもあります。 店に入ります。カウンター5席だけの極狭な造り。席に着くやいなや、ベンガル人の御主人に「ヒガワリ?」と聞かれます。素直にハイと答えます。ものの1分で料理が出てきます。バングラデシュのカレーセットです。マトンカレーにエッグカレー。フライドチキンらしきものと生野菜。これらが完全に現地仕様のライスに乗って出てきます。 ひと口食べます。美味いです。左側にはスキンヘッドのベンガル人。右手を器用に使ってカレーをわさわさ食べます。右側は「今夜が山田」を5倍濃縮したような男。同じく手を使ってカレーを喰らいます。 店の中はベンガル語が飛び交います。テレビでは日本の刑事ドラマが映し出されています。しかし言葉が分かりません。ベンガル語に吹き替えられています。北大路欣也がベンガル語で取り調べを行います。日本にいることを忘れます。 美味しいカレーに満足です。旅先でつい入ってしまった現地人オンリーの食堂で、独り食事をする日本人の気分も味わえます。食事代は1,000円ポッキリ。つかの間の旅行気分と南アジア特有の緊張感、プライスレスです。