Hirotaka Kawasaki

Hirotaka Kawasakiさんの My best 2021

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東京都

ハンバーグ

Hirotaka Kawasaki

【パコリタンはパーコーダブル、ナポリ大盛りで!】 初めての“パコリタン”体験は、 ちょうど一年前、昨年の元日だった。 あの感動は今も忘れられない。 肉の万世は、“万世橋”から屋号をとり、秋葉原に 総本山をかまえるステーキ、ハンバーグなどあまた 肉料理をあつかう、肉のデパートだ。 その本店では“月・水・金”にパコリタンを提供。 隔日のお目見えというのも、なにか焦らされて、 興趣を添えるものがありますが、やっぱり意中の ものは食べたいという時にいただくのが良い。 やってきたるは肉の万世、環七豊玉店。 こちらは曜日を選ばす、パコリタンをいただける。 元日の昼、開店時間に扉をカラカラ。 箱の大きな店で、区切られた四人がけボックス席に 案内され、注文はやっぱりアレしかない! *パコリタン ライス・豚汁付き ダブルパーコー(1280円)+ナポリタン大盛(120円) 新春、練馬、昼の炭水化物祭り! 鉄板にのせられ、蝶ネクタイ姿の店員が運んでくれる。 (これこれ!これですよ!) さっそく太麺のスパゲティをフォークで一巻き。 もっちりとした歯ざわりのスパゲティは、懐かしい 喫茶店のクタクタさがあり、ケチャップの酸味は しっかり炒めて飛び、甘さがほんのり。 上にたっぷりのせられたパーコー、これがまた… 美味いのなんの!ひとりニヤニヤ身をよじらせる。 衣はサクサククリスピー、パーコーの肉質は脂身と 赤身の塩梅よく、しっとりしたジューシーな脂身に やわらかく旨みの濃い赤身が同居した偉いヤツ! 炊きかげんの良い白米、ナポリタン、パーコー、 そして、コクのある豚汁を。歯ざわりをかえ、味の 濃いものを白米で調和しと、テーブルの上に広がる パーコーが織りなす小宇宙にどっぷりひたる。 あぁ… うまかった… おせちもいいが、年明け最初に口にするのが、 パコリタンとはなんとも幸先の良いスタートダッシュ。 懐かしく、ちょっと上質なファミレスの趣きのある 店内で、古いようで斬新なパコリタンをつつく。この ゆったりとした空間でいただくジャンク飯の素晴らしさ。 一年の計は元旦にあり。 正月に食べたものは、ふしぎなもんで 一年、尾をひき、生活の根幹をになう根深さがある。 ことしはどんなジャンク飯に出逢えるだろう。 粛々と、たゆまずの精神でいきましょう。 #練馬 #パコリタン #パーコーダブル #ナポリタン大盛り #白米、豚汁付き #換気よく席数多し #PayPay可

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東京都

イタリア料理

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【蛤に牛タン、真鯛のパスタ】 年始の挨拶がてら、夜の開店時間に 予約をいれ、やってはきたのは桜台。 先日から夜は限定二組。 カウンターに一組、離れたテーブル席に一組、 店内での食事は事前の予約が必要となった。 カウンター席を独占させてもらい、 口開けはワカサギのサオール、南蛮漬けですが 肝の苦さをはらんだワカサギはふっくらとした 身で、南蛮漬けの酢の加減もよく、俄然、腹がすく。 店主、頓所さんのすすめにならい“蛤”をいただく。 肉厚ぷりぷり、磯の旨味がつまった蛤をタイムと 出汁で蒸して、ソースは二種、百合根のピューレと オマール海老の味噌を煮詰めたもので、あっさりと した百合根の滋味と、濃密なオマール海老の出汁が 上質なソースとなった蛤にうっとり。 この日のメインは牛タン。 じっくり茹でられたタンはスッと繊維質に ナイフが入り、口に含むと、繊維質はほろっと崩れ、 噛むたびに牛の濃密な味がひろがる。ソースもからみ 極上タンシチューの汁なしバージョン! 肉を食べ、さいごはやっぱりパスタでしめなきゃ。 この日は、真鯛のパスタだ。 鯛の出汁で煮たのどぐろも入れられ、味付けには ガーリックオイル、そして、からすみと豪華絢爛。 もっちりアルデンテの細麺に、ガーリックの風味、 鯛の出汁がたっぷり滲み出たほぐし身はほろっほろ、 からすみの塩気に、何よりキャベツの甘みが楔に なり、一口ごと、嘆息がもれる、酒のアテだ。 さいごにピートの芳しい香りのスコッチウイスキー、 そして、白雲丹とニンニクのピューレを合わせたアテを ごちそういただき、これを愉しみ店をあとにする。 次はいつおじゃまできるだろうか。 帰り道、いただいた料理を脳内反芻、ひとつひとつ 想いかえして、こんなに幸せな気持ちになれる店に 伺えるありがたみが胸に押し寄せ、グッとくる。 #桜台 #イタリアン #蛤 #牛タン #真鯛のパスタ #テイクアウト可

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丼もの

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【豚丼にグリーンマスタード】 フレンチ仕込みの豚丼屋 “豚丼ながい” 看板メニューとなる豚丼の美味さは折り紙つき、 ちょい呑みセットからフォアグラ丼、トンテキに ビーフシチューと、品書きも豊富で、よりどりみどり。 休日の昼、開店時間におとずれ、持ち帰りで お願いしようと思ったが、先客はおらず、席には アクリル板の仕切り板があり、それをみて、店内で いただくことにした。 券売機でえらんだのは *赤星(600円) *豚丼(900円) *大盛り ごはん、肉が1.5倍(350円) しばし待ち出来上がり、お盆をカウンターごしに 受け取ると、思わずニンマリ、頬がゆるむ。 豚丼に、ぬか漬け、吸い物と盤石の布陣。 さっそくレンゲで、艶やかな豚肉に分けいり、 底から白米ごとガッとよそい、口にほおりこむ。 (やっぱり、うんまいなぁ…) 網焼きで焼き目のついた光沢のある豚ロース肉は 表面がさくっとした歯の入りで、香ばしく、肉質は ふっくら、脂身と赤身の具合も申し分なし。 噛むほどに肉のエキスと醤油の下味が口中に広がり 敷かれた固めに炊かれた白米、あいだに忍ばせた もやしのシャキシャキの歯ざわりもたまらない。 甘辛いタレも食欲をかきたて、あとは一気呵成。 ガツガツとレンゲでがっつき、途中、ぬか漬けや 吸い物で流し、赤星をキュッと。 丼も中盤にさしかかったころ、店主の方から 「まだ出したことがないソースがあるんですが 試してみませんか?」と。 この店は、各種さまざなソースが卓上に並んでおり 柚子胡椒なんかも美味いんですが、あらたな刺客の 到来とあらば、試さずにはいられない。 新味は“グリーンマスタード” からし菜の一種ですが、これを豚肉にまぶしパクり。 (おぉ!うんまい!) フレッシュで若い液状のマスタードで、香り、 風味が爽やかで、なおかつ、嫌味のない辛さだ。 これが豚ロースの脂身と、がっぷり四つ。 スイスイ食べすすめられる味わいで、濃密な 甘辛いソースに羽が生えたような軽みがでる。 ふぅと一息、ブーの音もでない上品かつ、素朴な 豚丼にノックアウト。 #江古田 #豚丼 #グリーンマスタード #持ち帰り可 #仕切り板あり #券売機システム

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居酒屋

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【たちかまの味噌汁に、穴子めし】 店構えもまた味のうち。 黄土色の暖簾に、店主お手製の弁当箱が 紐でつるされた店先は、風情があって、外から 察するに空気の通りが良い店内だと想わせる。 そして、インスタにあげられていた弁当。 “鶏ごぼ弁当”にグッと心を鷲づかみにされていた。 そんな折、古くからの知人がこちらの レビューをあげており、完全にノックアウト。 休日の昼、開店の十一時半に訪れると、恰幅の 良い大将が奥からひょっこり。愛嬌があって憎めない 人柄に、ホッと一安心、しばし品書きとにらめっこ。 選んだのは“あなごめし”(1000円) 生ハートランド(700円) 「先に小鉢だすから、それで呑みますか?」 二つ返事でお願いし、ほどなく、盆にのって 運ばれたのは、かぼちゃの煮付け、玉子焼きに、 きんぴらごぼう、へしこのせクラッカー。 どれも味付けは薄からず、濃すぎずの塩梅で、 へしこの塩気とコクがまた酒を呼び、ビールはすぐ 空となり、急ぎ日本酒、“正雪”(720円)を。 そうこうしていると、穴子めしと味噌汁が。 さっそく、味噌汁を何気なくいただくと、これが 目を見開く美味さで、大将の方をチラリとのぞくと 「それねぇ、たちかまだよ」 スケトウダラの白子を蒲鉾にした、北海道は 岩内町の伝統的な味で、このたちかまの出汁が 効いた汁に、プルプルの身の美味さも相まって、 これだけで酒がとまらない。 そして、忘れちゃいけない穴子めし。 艶めかしい照りの穴子に一箸つけ、口に運ぶと ふっくら、煮含みも甘さはすっきり、敷かれた 白米、間に忍ばせた大葉と海苔の合いの手もよく スイスイ食べすすめ、あっという間に丼は空に。 やっぱり店構え、暖簾が琴線にふれる店に間違いなし。 次は持ち帰りにし、家で晩酌、しめは鶏ごぼ弁当だ。 #江古田 #あなご飯 #たちかまの味噌汁 #持ち帰り可 #PayPay可

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ラーメン

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【ポークソテーに哀愁の三百円ラーメン】 不意に、中華そばが食いたくなる。 その辺のシャレオツな、吹いたら飛ぶような 流行りのラーメンじゃなく、中華そば。 目指すは、心のオアシス“新京”へ。 半休の昼過ぎ、所望のテーブル席にピットイン。 まずはやっぱり大瓶(600円)だ。 突き出しのメンマをつつき、アテに *ポークソテー(550円) 生姜がほんのり、肉厚な豚肩ロースに 添えられたケチャップ、煮汁をたっぷりまぶし かぶりつき、ビールをキュッとながしこむ。 しめはやっぱりラーメンだ。 時が止まったかのような価格、一杯三百円。 コクのある鶏ガラに、醤油の輪郭がくっきり。 中太のちぢれ麺はぷりぷり、もちもちで啜りよく ほうれん草、メンマ、チャーシュー、ナルトという 具材もこのラーメンにぴったりの潔さ。 五臓六腑に沁みわたる一杯だ。 あたりを見渡すと、いつもの風景。 「水くださーい」 『悪いけど、あそこ、自分でやってもらえる?』 『読んだ新聞はちゃんと、あそこに戻して』 鬱屈とする今の時世に、風穴をあけるが如く、 ズバッと消費者気分の客を軽く一蹴。 こちとら、おじゃましている身、なんでもやって もらえるというビップ気質の客はここで、己を知る。 昭和が色濃くのこる町、東長崎。 創業五十年をこす老舗中華屋の矜恃たる中華そばは 哀愁に溢れ、一本芯の通った、凛とする味がする。 #東長崎 #中華そば #一杯三百円

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東京都

ラーメン

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【暑さには、冷製ヴィシソワーズつけ麺を】 夏だ!暑いぞ!冷やしが美味い! 朝の強い雨から一転、暮れなずみの練馬は晴れて 暑さもひとしお。こんな日は美味い冷やしに限る。 昨日から提供が始まった、限定の冷やしを 啜ろうと、心を躍らせ店へ向かうと、たったいま、 その冷やしを堪能したという友人とばったり再会。 外で四方山話に花を咲かせ、別れを告げ、店内へ。 券売機で購入したのは *ヴィシソワーズつけ麺(900円) 中盛り300g(+50円) 味付玉子(100円) かつて、15年、18年にも、この暑い盛りの 時期に供されたこの“ヴィシソワーズつけ麺” 三年ぶり、感動のご対麺。 平打ち縮れた麺がこんもり盛られた器には、 パプリカ、鶏むね肉、味玉が色取りよくのせられ、 つけ汁の方は、乳白色で、九条葱が散らされている。 さっそく、麺をたぐり、つけ汁にひたしズズッと啜る。 (ああ… めちゃくちゃ美味いな…) もっちりした平打ち縮れ麺は、もちもちとした 歯ざわりで、粘度のあるスープがからみにからむ。 つけ汁は通常のラーメンで用いる豚骨、鶏、鰹が ベースになり、そこに、ジャガイモをミキシングし さらに濾した、まったりとした滋味が底光りする。 たっぷりの麺量ながら、スイスイ箸がのびる 軽やかさがあり、スープ、器自体の冷たさも食指に 拍車をかけ、一気呵成、ひたしては啜りを繰り返し あっという間に丼はからっぽに。 口中に残る旨味の余韻、喉が鳴るのどごしに ノックアウト。ひさびさに啜ったヴィシソワーズ つけ麺は、唯一無二、香り、旨味、食感どれを とっても一級品のGOTTSUクオリティだった。 どんな味か気になる方は、8/1、20時放送の “鬼旨ラーメンGP”という番組をご覧ください。 この“ヴィシソワーズつけ麺”が特集されます。 限定の提供は8/8までの予定となっており、ご覧に なってからでも間に合うので、ぜひ一度ご賞味ください。 ジャガイモと豚骨魚介のかけ合い、必食の旨さですよ。 #練馬 #冷製ヴィシソワーズつけ麺 #スープ割りもあり

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つけ麺

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【超絶濃厚 豚骨魚介つけ麺を】 七月の下旬に開店した“長男 ほそのたかし” 本八幡の人気店“長男 もんたいちお”の姉妹店。 その“もんたいちお”は亀有の“つけ麺 道”の出身。 どちらも訪れたことはありませんが、 濃いつけ汁のつけ麺を提供し、行列が絶えないという。 その系譜の店であれば、濃い味確定! この日は無性にパンチがきいた味を欲し、そろそろ 行列も落ち着いていると思い、江古田にぶらり。 平日の昼の開店二十分前に着くと、先客はなし。 ほっと胸を撫で下ろし、店先に置かれた順番を 記した椅子に腰かけ、きたる時間にそなえる。 開店の十分前に、笑顔の店主が出てこられて麺量の確認。 大盛りを告げ、開店時間となり券売機にてポチりと購入。 *特製つけ麺(1100円)大盛り(300g、100円) カウンター席の端に腰かけ、茹であがりや調理の さまを覗き、待っていると、まず先に薬味の提供。 ネギと柚子胡椒はつけ汁に、梅鰹は麺にまぶして どうぞと案内され、数分後につけ汁と麺が目の前に。 艶やかな麺肌のつけ麺に、チャーシューが二種、 メンマに海苔、味玉が添えられ、つけ汁のほうは 茶褐色の見るからに濃い色合いだ。 さっそく麺をつけ汁にひたし、ズズッと一口。 (おお!濃ゆいなあー!!) つるつる、もっちもちの太麺に、鶏ガラや豚足、 煮干し、鯖節などをじっくり炊いたというつけ汁が からみ、ガツンと脳に一直線、濃い旨味が駆けのぼる。 ついで梅鰹をまぶし麺を啜ると、いってん、小麦の 風味に、酸味のある梅と鰹の旨味が、がっぷり四つ。 300gの麺量でも、スルッとおさまる軽やかさで ジャンクさと、清楚さを同時に愉しめるニクい演出。 豚バラと肩ロースのチャーシューは肉の旨味が強く 味玉、メンマ、海苔と、トッピングも抜かりなし。 ひさびさに、美味いつけ麺にありつけた… 食後の満足感と共に過日、この空間で営業し、閉店した “豚丼 ながい”での過ぎし時間が脳裏にチラチラと。 “長男 ほそのたかし”には、この地で永く根をはり 練馬民に、この“濃ゆい”つけ麺を味合わせ続けて欲しい。 #江古田 #超濃厚 #つけ麺 #気持ちの良い接客 #茹で時間は12分 #特盛以上はつけ汁追加可

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寿司

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【町寿司の高み】 かつて、雑誌dancyuのコラム“みんなの町鮨”と いう特集がくまれ、その栄えある第一回目に颯爽と 登場したのが、こちら「菊寿司」 その記事を読み、魅了され、一人で伺い、また人を 連れ、寄せていただきと、通いはじめ、早二年半。 緊急事態宣言中は、店を閉じており、宣言が明け すぐに、電話をかけると、ひさびさに訊く、店主、 村田さんの穏やかな声にホッと一息。週末の夜の 開店時間に予約を入れ、滑りの良い引き戸をカラカラ。 やっぱりこの店は気持ちがいい。 小体な店ですが、掃除はゆきとどき、洗いざらしの ような澄んだ空気に、柔らかい物腰の大将と女将さん。 生ビールで喉をうるおし、口開けは生しらすと 白魚。しらすの滋味に舌鼓をうち、量を少なめに してもらった刺身。これが、また美味いんですが、 何といってもイカ。ねっとりとまとわりつく旨味に もちっとした弾力。このイカを食べていると、嗚呼 菊寿司に帰ってきたという感が深まる。 ここの魚は吟味された素材に、調理の妙もくわわり なんとも言えない綺麗な味がして、嫌な雑味がない。 刺しの後は、穴子を炙ってもらう。 塩、タレの二種で、皮目香ばしく、身はふっくらと した穴子をつつき、いそぎ日本酒をクイッと。 ついで、すすめられたのがいくら。 “今月までしかお出しできないので”という口上も あり、期待に胸を膨らませ一口含むと、プチンと したほどよい弾力に、醤油は濃すぎず、いくらの 持つ塩気と、凝縮された旨味にもう、うっとり。 握りは、小肌や先のいくらを軍艦で、鮪もいやな 筋っぽさや水っぽさがなく、ガス釜で炊くシャリの ほろっとした口溶けに思わず、身をよじってしまう。 そして、トロたくが絶品。香りのよい海苔、パリッと したたくあんに、脂身の甘さのあるトロが渾然一体。 巻物で日本酒をもう一本、のんびり呑み、大将と 四方山話に興じ、今宵はここらで、打ち止めに。 嗚呼、やっぱり菊寿司は最高だ… 町の寿司屋のつっかけ姿で、ぶらっと寄れる気軽さが ありながら、凛とした立ち振る舞い、仕事ぶりに ちょっとだけ背すじものびる。 ここは何を食べても芯が一本通った尊い味がする。 #練馬 #新江古田 #町の寿司屋 #店内撮影禁止

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そば(蕎麦)

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【牡蠣フライで呑み、蕎麦屋のチャーシュー麺を】 創業六十年をこす、老舗の蕎麦屋。 富士見台駅からほど近く、店先には東京二八蕎麦の幟に 岡持ちをのせたバイクがとまり、引き戸には新そばの文字。 昼の開店時間に扉をあけると、席数が多く、 ゆったりとしたテーブル席に腰をおろし、やっぱり まずは酒。瓶ビールをたのみ、突き出しの枝豆を ぱくつきながら、アテに選んだのは *じゃこ天(350円) *牡蠣フライ(500円) じゃこ天は、おろし生姜をまぶし、ちらっと醤油に つけ頬張ると、じゃこの風味がたっぷり、ぷりっと した歯ざわりで、急ぎ、日本酒にきりかえる。 ついで、運ばれたのが牡蠣フライ。 添えられた中濃ソースをまわしかけ、かぶりつくと 熱々。ハフハフ言いながら味わうと、クリーミーな 牡蠣の滋味が口中にふわっと広がり、鼻から抜ける。 牡蠣は走りのもので、こぶりのものを数個つないで 揚げているんですが、充分な味で、何よりサクッと した粗めの衣の揚げがよく、牡蠣の旨味をぴっちり 閉じこめてくれている。 酒を呑み、アテをつつき、しめものを。 新そばの時期ですし、蕎麦を啜りたい想いがわいて くるが、当店にはラーメン、チャーシュー麺があり それを目当てにうかがったので、初志貫徹。 *チャーシュー麺(1000円) しばし待っていると、こんもりぬくい湯気を漂わせ 目の前に。さっそく、たっぷり注がれた褐色の汁を ズズッと一口。 (ああ… これは美味いなあ…) 鶏出汁に、カエシの味、塩味はさすが町の蕎麦屋と いった塩梅で、そこに乾物、昆布の旨味がかさなり なんとも滋味ぶかい、コクの中に優しさのある味だ。 麺はかんすいズバッと、ぷりぷりの黄色麺は啜りも よく、煮豚は肉厚ながらしっとり。赤身は肉々しく 脂身の甘さとコクがスープにとけこみ、汁を啜ると 時間の経過とともに深みがでてくるように想う。 嗚呼、ひさびさに美味い中華そばを食べた… 昔懐かしいと品書きを謳うラーメン屋は数知れず。 郷愁の念を誘う“昔懐かしい”ビジネスが横行すれば するほど、こちらのチャーシュー麺のような清廉な 味が底光りする。 #富士見台 #町の蕎麦屋 #昔懐かしいチャーシュー麺 #牡蠣フライ #じゃこ天

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東京都

和食

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【白子に生牡蠣、香箱蟹のグラタンに土鍋ご飯】 昨年、開店した“土鍋炊きたてご飯”に日本酒、 充実したアテを誇る、新進気鋭の和食屋。 酒を呑めるような時世となったので、やっとこさ 遅ればせながら、昼の開店時間に予約をいれ訪問。 場所は蕎麦のふる井から、一本入ったところで、 すっきりとした店構えに、なんとも心が躍る。 扉をひらき、中に入ると、カウンターの中には 若い大将がおり、予約をしたカウンター席は席の 間隔もひろく、仕切りもある。 瓶ビールを呑みながら、品書きと、にらめっこ。 初めて訪れた店だから無難に、いやいや、訊くと 昼もお任せのコース(4000円から)もあるという。 よし、今日は昼から奮発、お任せコースだ! コースの中身は *小松菜と木耳のおひたし *茄子の揚げびたし  *きんぴらごぼう *ワカサギの南蛮漬け *蕎麦の実となめこの茶碗蒸し *ぶり大根 *真鱈の白子ポン酢 *あん肝 *カラスミ *バイ貝 *生牡蠣 *鰹の炙り *香箱蟹のグラタン *炊きたて土鍋ご飯 ひんやり、さっぱりとしたおひたしに、出汁が しゅんだ茄子、きんぴらごぼうは、ささがきで ふんわり、シャキッとした歯ざわりが心地よく ここらで、日本酒も交え、アテをつつく。 茶碗蒸しは出汁がたっぷり、ぶり大根の鰤は肉質よく 脂身というよりも赤身の味が濃く、味のしみた大根も ほっとする味だ。 中でも、真鱈の白子ポン酢、これが出色の旨さで ぬけるような白さの白子は上物、プチンとした歯の 入りで、中はとろっと。くさみも一切なし。 自家製のカラスミはねっとりとまとわりつく旨さで 生牡蠣は仙鳳趾、つるんとした舌ざわりで、噛むと ミルキーなコクに、磯の香りがひらき、口中至福。 炙られて香ばしい鰹の身に、香箱蟹のグラタンは 蟹の風味がしっかりとし、ベシャメルソースも味が よく、酒がすいすい進んでしまう。 そして、もっとも素晴らしかったのが“土鍋ごはん” 一組ごと、頃合いをみて、炊きあげてくれる。 目の前で蓋が開けられると、炊きたての米の芳しい 香りがふわり。これをよそってもらい、頬張ると、 米の甘みに少し固めに炊かれ、粒の立ちも味わえる。 嗚呼、ひさびさに美味しい米にありつけた… 店主は若く闊達、カウンターでの会話も軽妙で、 やり取りも愉しい。肝心要、料理は気を衒ったものでは なく味は確か。酒も面白みのある揃えで、申し分なし。 近所での新たな出逢い。 蜜月となりましょうか、近く夜に再訪しよう。 #練馬 #和食屋 #日本酒 #ワイン #ウイスキー