Hirotaka Kawasaki

Hirotaka Kawasakiさんの My best 2020

シェアする

  • facebook
1

東京都

ハンバーグ

Hirotaka Kawasaki

【衝撃のパコリタンはパーコーダブル、大盛りで】 総本山は秋葉原、万世橋からほどちかく、 通称肉ビルを構える「肉の万世」 ハンバーグやステーキを誇る肉のデパートだ。 東京、関東圏にはおなじみ、牛の看板。 ここ練馬にも環七沿いに店を構えている。 衝撃のメニューがあることを知り、それを 目当てに一目散、正月に足を運んだ。 テーブル席に腰をおろし、ビール片手に あたりを見渡すと、ゆったりしたテーブル席に シャンデリアの眩い灯り、正装し蝶ネクタイを 結んだ落ち着いた店員が、キビキビと鉄板を のせたワゴンを家族連れに運んでいる。 どこを切り取っても昭和そのものの風景だ。 メニューをみると、ステーキやハンバーグ、 ロブスターなど老若男女が喜ぶラインナップ。 まずはあれこれつまんで呑み、しめに本命をまとう。 ローストビーフに、厚切り牛タンの塩焼きを つついてビールでくっとながす。 とくに鉄板にのせられた牛タンはサクッと した歯の入りで肉質もよく、下に敷かれた 野菜炒めが付け合わせにぴったり、下味もいい。 これらをいただき、いよいよ真打だ。 *パコリタン、ライス、豚汁付き(1100円) これをパーコーダブル(+180円) ナポリタンを大盛り(+120円) しばし待っていると鉄板にのせられご登場。 鉄板にぴっちり敷かれたナポリタン。 ピーマンがちらほら、上にはパーコーが鎮座し ネギも散らされ、大人も子供も大興奮の絵姿だ。 さっそくスパゲティをフォークでひと巻き、 これを口にほおりこむと、あぁ… うまい… ムギュッ、もっちりとした太麺に、炒めが しっかりしておりケチャップの酸味は飛んでいる。 パーコーにかじりつくと、外はさくっさく! 肉は脂身たっぷりながら赤身も残し肉々しく ジューシーだ! 付け合わせのライスがまた合いの手に最高だ。 ナポリタンを固めに炊かれたライスにのせ、 ケチャップの風味がとけこんだ色のついた ライスをほおばれば、がっぷり四つの相性で、 コクのある豚汁もまた旨い。 あとは一心不乱、スパゲティを巻いては口に 放りこみ、パーコーをかじり、ライスをかきこみ ビールでながす。 あぁ、うまかった… おそるべし、肉の万世。 新年早々、昭和の無骨さ、豪快さを感じられる なんとも求心力のある逸品に出会えた。 世のナポリタン好きよ、万世に急げ! #練馬 #パコリタン #ハンバーグサンド #牛タンの塩焼き

2

東京都

ラーメン

Hirotaka Kawasaki

【寒い夜には、限定 濃厚味噌ラーメン】 年もあけ、ことし一発目の限定は味噌。 夜の部におとずれ、券売機にて *おつまみセット(600円) *限定 濃厚味噌ラーメン(850円)を。 ビールをグラスにあけ、くっとあおり、 おつまみセットをつつく。 格子状の焼豚はバーナーで炙られ香ばしく、 鶏ムネのチャーシューはしっとり、パサつきなし。 下味がしみた味玉に、歯ごたえのいい肉厚なメンマ。 これでのんびりやっていると、入り口から 聞き覚えのある声。振り返ると、呑み仲間の姿が。 あれこれ話しているとお待ちかね、本命の 味噌ラーメンができあがり、丼が目の前に。 さっそくズズッとスープをひとくち。 (あぁ、うんまいなぁ…) ベースはデフォルトの豚骨魚介、そこにコクの ある信州味噌がとけこみ、渾然一体。 飲みすすめると、ゆっくりと味噌の風味がたち ベースの旨味の輪郭がくっきりとしてくる。 スープはとろみがあり、豚骨の炊きが濃厚で ざらつきを感じるほどの粘度のたかさ。 麺は三河屋の平打ち麺で、これが相性抜群。 もちもちの歯ざわりで、デコボコとした麺肌が スープをばっちりひろいあげる。 大判のローストポークに、白髪葱、九条葱、 肉厚なごろっとしたメンマ、そして、肝心要、 すりおろし生姜。 この生姜を混ぜながら食べすすめると、次第に 体は芯からポカポカ、味噌の甘さを生姜がピシッと しめる。このコントラストがたまらなく旨い。 呑み仲間と二人、うまいうまいとこれを啜り、 あっという間に完食。 やっぱりベースのスープが旨い店は味噌も 旨い。ちまたの味噌一辺倒の味噌スープとは ちがい、なんどでも食べたくなる。 この味噌ラーメン、平日はしばらくの間、 提供されるようなので、味噌ラーメン好きの 同志よ、いそぎ練馬に来られたし。 #練馬 #ビブグルマン #味噌ラーメン #豚骨魚介醤油

3

東京都

寿司

Hirotaka Kawasaki

【町寿司の世界】 過日の町の寿司屋。 寒さも一入、底冷えで雨もまじる三月半ば。 暮れなずみ、すべりのよい引き戸をカラカラと 開けると、笑顔の女将さんがお出迎え。 少し遅れ、大将がパリッとした白の上っ張りを 纏って、奥からカウンターに姿をあらわす。 「ゆっくりしていって下さい」という口上に あぁ… 帰ってきたんだなぁという感が深まる。 さっそく、瓶ビールを呑み、シャキシャキの 白魚に、肉厚なタコをつつき、ツレを交えて 大将、女将さんと四方山話に花を咲かせる。 酒を日本酒にきりかえ、刺身をもらう。 ねっとりとしたイカに、水気のない鮪の赤身、 とろっとした口どけの中トロ、こりこりとした さよりに、隠し包丁がはいりプリプリのタコ、 もっちり肉厚な石鯛。 この時期は貝も旬、盛り合わせてもらおう。 ほっき貝にホタテ、そして、ひもきゅう。 このひもきゅうがまた、なんとも憎い。 紐胡瓜、赤貝のヒモと胡瓜を芯とした 細巻きで、弾力のあるヒモと、シャキシャキの 胡瓜の食感の違いに、香り高い海苔の風味。 酒呑みにはこたえられない。 ここらで、穴子を炙ってもらい、山葵に 塩をまぶし、ポイッと口に放りこむ。 表面は香ばしく、なかはふっくら。 淡白な味の奥に旨味の芯があって、日本酒も 拍車がかかり、すっかり夢見心地になり握りを。 酢じめの塩梅がいい小肌に、香りよく臭みの ない鯵、穴子は二種、塩と甘さのあるツメでと 豪奢にいただいた。 ついで、ぷりぷりの海老、プチプチと弾ける いくらに、鮪は駆け上がるように赤身に始まり 中トロ、大トロ、大盤振る舞い! ガス釜で炊かれ、ふっくらとしたシャリは、 赤酢の塩梅に、一粒一粒のほぐれもよく、 ネタに寄り添う、名人芸を想わせる。 そして、しめはトロたく。これを食わなきゃ、 しめられない。ねっとりとしたトロに、沢庵の カリっとした食感が渾然一体となり、磯の香り パリッとした歯ざわりの海苔ががっぷり四つ。 あぁ… うまかった… 酒もアテも人もよし。 やっぱりここは底抜けに気持ちがいい。 洗いざらしのような、よどみのない凛とした 空気は、大将と女将さん、二人の実直なお人柄 そのもののようだ。この桃源郷でいただく アテに握り、酒は何にもかえ難い魅力がある。 町に永く根付き、つっかけ姿でふらっと行ける 寿司屋というのは庶民の味方、町の宝だ。 ここは三月の下旬から、しばし休業。 落ち着いたころに店をあけていただき、 その折には、お二人に逢いに駆けつけよう。 #新江古田 #町寿司

4

東京都

そば(蕎麦)

Hirotaka Kawasaki

【舞茸天、玉子焼きに、細挽き、粗挽きそばを】 練馬、桜台界隈でもっとも好きな蕎麦屋。 二年ほど前から昼営業をやめられ、営業日は 金、土、日曜の三日間、夜のみと敷居が高くなり なかなか伺えなかった。 ときは週末。夕刻に電話をかけてみると、席の 予約は埋まっていないとの返事。ではと開店直後に 予約をし、桜台駅から、えっちらほっちら歩き、 軽く汗ばんだ頃合いに店先に。 古民家然とした外観は見るからに美味い蕎麦を こさえそうな風格もたっぷり、扉をカラカラあけ、 玄関先で靴をぬぎ下足入れに置き、畳の上に歩を すすめ、奥のテーブル席に。 厨房から姿をあらわした花番のお姉さんも かわらずお元気そうで、ホッと一息。 腰をおろしまずはビール。 喉にスッとひとすじ、キンキンに冷えたビールで 喉を潤し、アテに数品。 *厚焼玉子 2個玉(550円) *海老と舞茸の天盛り(1250円) *鴨のネギ焼き 2枚(800円) まずは天盛り。 香ばしく身のつまりの良いプリプリとした海老に 噛むと香りがひらく舞茸、これを天つゆに浸したり 塩をまぶしたりと、熱々にかぶりつく。 ついで、厚焼玉子。 これが、実に良い味で、必ず頼んでしまう一品だ。 出汁巻きと違い、過度な旨味ではなく、玉子自体を 味わうもので、ふっくらとして、玉子そのものの 滋味が好ましく、いそぎ、酒を冷やでお願いして 玉子をつついてはクイッと一杯。 ついで、ネギをしょってきたのは鴨だ。 鴨の野性味はちゃんと残しながら、隠し包丁も入り 繊維質そのものを愉しむことができ、噛むほどに 鴨の野趣がじわじわ沁みだし、呑む酒に鴨特有の 香りがのり、あぁ、至福… 酒も重なり、ほろ酔いになったところで蕎麦を啜ろう。 *せいろ(750円) *ほうしとせいろ(750円) しばし、酒をちびちび呑り、燻製のたらこを つまみ蕎麦の到来を待っていると、運ばれる。 細挽きの“せいろ”は、喉越し良く、スルッと入る 滑らかさ。 そして、こちらの“ほうしとせいろ” 粗挽きなんですが、これが出色の美味さ。 こちらも滑らかな麺の肌で、ボソッとした感じも なく、噛めば、蕎麦の香りが口から鼻までズバッと ひろがる。 咀嚼の美味さといった趣きで、実に美味い。 この蕎麦二種を交互に啜るのがよく、合いの手の つゆも濃すぎず、薄すぎずの塩梅で相性がいい。 さいご、とろみの少ない蕎麦湯をじっくりと いただき、店をあとにする。 やっぱり“法師人”の蕎麦は格別だ。 この慎ましい屋号もまた、こちらの素朴な蕎麦の 美味さとぴったり符号があうように想う。 #桜台 #蕎麦 #厚焼玉子 #テイクアウト可 #金、土、日の夜のみ営業

5

東京都

テイクアウト

Hirotaka Kawasaki

【米沢豚炙りとろ豚丼を江古田にて】 ことしの九月に開店した“肉の極 大地の恵み” 江古田駅からほど近く、日芸前に店を構え、 近隣の住民や学生たちが闊歩する活気のある通り。 夜はシャトーブリアンのステーキや、月ごとの 特別メニュー、また食べ放題など、間口もひろく 昼は、米沢豚の丼や、唐揚げ、フィレステーキなど あまた肉料理を愉しめるステーキダイニング。 インスタで見た、炙りとろ豚丼の画像にズバッと こころを射抜かれ、昼の開店時間にぶらっと。 奥のテーブル席に腰かけ、品書きから選んだのは *ジョッキビール(550円) *米沢豚炙りとろ豚丼 L(六枚、1400円) 厨房で店主がテキパキと働く姿を眺めるのは 気持ちがよく、そうこうしていると、先にサラダと 味噌汁が運ばれ、すぐに意中の丼が目の前に。 思わず涎が口中にじゅわっとひろがる… 丼一面に艶やかな照りをまとった、とろ豚が咲き、 真ん中にはゆで卵が鎮座、葱がばらっとまぶされている。 さっそく一箸つけ、とろ豚にかぶりつく。 香ばしい匂いに、脂身はとろんと甘く、嫌な脂の 残りはなし。赤身もぎゅっと旨味が濃くて、タレは すっきり、甘辛さはつよくなく、敷かれた白米が びっしょりにならないのも嬉しい。 そして、この白米が実に美味しい。 粘り気は少なく、甘み、味がしっかりとしており ふっくらしながら丼に合うように固めに炊かれている。 上にはごまが散らされており、濃密な肉の旨味に 負けない米は、合いの手に申し分のない存在感で、 食べ終えるが惜しく、ひとくちひとくち丁寧にいただく。 がっつく丼もいいが、味わう丼もいい。 繊細で上品な一杯は食べ疲れのない軽みがあって スイスイ食べすすめられる。 この丼の美味しさは格別で、今もあのとろんとした 脂身とほろっと崩れる赤身の味が、頭に舌におもい おこされ、すぐにでももう一杯平らげられそうだ。 美味い丼には、そういう力強さ、吸引力がある。 #江古田 #米沢豚 #炙りとろ豚丼 #白米が感激レベル #PayPay可

6

東京都

牛料理

Hirotaka Kawasaki

【無角和牛のカツに土鍋ごはん】 先月、産声をあげた新店“牛肉料理 しもかわ” 大泉学園を散策していると、なじみのある店の 真横に見慣れぬ洋食屋然とした店がポツリ。 表の品書きをのぞくと、和牛のほほ肉の煮込みに、 牛カツ、ステーキとなんとも心躍るラインナップ。 今日は肉にしよう! 期待に胸をふくらませ、扉をひらき、店内へ。 厨房を取り囲むカウンター席は四席、二名がけの テーブル席が二つ、十名ほどが入れる小体な造り。 カウンター席に腰をおろし、注文は *無角和種 牛カツ御膳(2800円) 「注文が入ってから土鍋でご飯を炊くので、20分 ほど、お時間大丈夫ですか?」 二つ返事でお願いし、しばし、大将から、開店の いきさつや、阿武牛への想いなど、あれこれと話を きき、調理をするさまを眺めていると、出来上がる。 牛カツが五つ、揚げ茄子に味噌汁、漬物、白米。 牛カツはすすめにならい、塩をまぶし、さっそく 一箸つけて、かぶりつく。 (あぁ… これは美味いなぁ…) とにもかくにも赤身の味が濃い。 旨味がギュッとつまった繊維質は、筋ばらず、 歯でスッとほぐれ、噛むほどに肉のエキスが口中に ひろがっていく。 香ばしく、油の香りもよい衣はサックサク。 上質なパン粉で、油のいやな匂いはなく、肉と 渾然一体、箸がスイスイのびる。 ひと口ごとに、肉の滋味にもう、うっとり。 そして、土鍋で炊かれた白米がまた美味い。 ふっくらと炊かれ、粘りはすくなく歯切れがよく、 噛みしめると米の甘みもジワジワと感じられる。 漬物、味噌汁も合いの手として充分なもので、 揚げ茄子も、とろっとした舌ざわりで、実にうまい。 ちまたに溢れる、成型肉を用いた牛カツは 肉のいやな匂いが鼻をつき、辟易としていたが、 ここは役者がちがう。 夜は完全予約制で、コース料理もあるとのこと。 そちらの期待も大きいが、また近くこの極上の 牛カツを味わいに昼の大泉学園へよろう。 #大泉学園 #和牛カツ #肉料理 #阿武牛 #土鍋ごはん

7

東京都

ラーメン

Hirotaka Kawasaki

【江古田で東京豚骨ラーメンを】 昼下がりの江古田駅前、商店街。 あまた惹かれる店を横目に、目当ての店を 開店時間におとずれ、扉をカラカラ。 先客はなく、カウンター席に腰かけ、注文。 *瓶ビール(600円) *肉ごはん(200円) *全部のせラーメン(950円) ビールを受け取ると、グラスは水で使うプラスチックの コップでと。なんとも味気ないが、これを呑み、来たる ラーメンへの期待をふくらませる。 しばし待っていると、ラーメンと肉ごはんができ、 目の前にすると、思わず笑みがこぼれる。 ラーメンの丼の縁に海苔が螺旋状に渦巻き、海苔の花が 咲き、青ネギどっさり、豚骨の甘い匂いがふわり。 さっそくスープを一口、ごくり。 (おぉ…!うんまいなぁ…!) 丁寧に炊かれ豚骨の旨味がつまったスープはくさみなく すっきりとした後味ながら、コクがたっぷり、実に美味い。 そして、麺が素晴らしかった。 通常、豚骨ラーメンと合わせるパツパツの細麺ではなく やや平打ちで、茹で加減も抜群。もっちりとした麺が、 この濃密な豚骨のスープを拾いあげ、啜るたびに豚骨の 旨味がズバッと駆けのぼる。 炙られたバラチャーシューはしっとり、脂身がほどけ 味玉も下味がしみ、上にたっぷりまぶされた青葱は 歯ざわりよく、濃厚なスープをあっさりとさせる。 一転、肉ごはん、ごろっとしたチャーシューで厚みが あり、噛めば、ほろっと繊維質が崩れるやわらかさ。 白米の合いの手に申し分なしの濃い味付けもいい。 ラーメンの海苔をスープにひたし、白米と肉を包み、 頬張ると、おもわず目をつぶってしまうジャンクな美味さ。 ラーメンと肉ごはんを交互にがっつき、ビールをクッと。 嗚呼、ひさびさに美味い豚骨ラーメンを食った… 丁寧に炊かれた豚骨はくさみや雑味なく、クリアな 旨味がつまった味で、博多の豚骨ラーメンとは全く ことなる魅力のある一杯だった。 東京豚骨ラーメンの名店は学生の町、江古田にあり。 #江古田 #豚骨ラーメン #肉ごはん #PayPay可 #絶対全部のせがオススメ

8

東京都

ラーメン

Hirotaka Kawasaki

【限定、白湯味噌ラーメンにおののく】 先日からお目見えした限定“味噌ラーメン” ひさかたぶりの限定に心躍らせ、鼻息まじりに 練馬に降り立ったのは夜七時。 ちびちびと、おつまみセットのチャーシューや 味付け玉子でビールを呑み、本命の到来をまつ。 *味噌ラーメン(880円) 味付け玉子トッピング(100円) 厨房では店主、齋藤さんが中華鍋でこぎみよく 野菜を炒め、さながら町の中華屋然とした光景で なんとも食欲をかきたてられる。 「お待ちどおさま!」 目の前に置かれた丼、スープは黄色を帯びた淡色。 味噌の匂いに、炒められた野菜の香ばしい香りが ふわっと。つるんとした味付け玉子に、火入れは レアなローストポーク、糸唐辛子の赤味が丼全体を ぴしっとしめる。 さっそくスープをズズッと一口。 (あぁ… なんだこの美味さは…) なんといってもベースのスープ、豚と鶏の白湯の コクがたっぷり、そこに数種類の味噌がブレンド。 麹味噌や八丁味噌、信州味噌など無添加で、かどの 立たない味噌のやわらかい滋味がじわっと広がる。 麹味噌の味でしょうか、酒粕のような風味も感じる。 直前に炒められ香ばしい野菜、シャキシャキの もやしの歯ざわりに、ちぢれた太麺はもちもちで この食感の違いで、味わいもぐっと深くなる。 平打ちのちぢれた太麺を啜るたびに、白湯と 味噌の風味が香りごと、ズバッと脳まで一直線! 問答無用、反射的に美味さが駆けのぼり、 からだの芯まで、スープの旨味が侵食していく。 嗚呼、至福のひとときだ… やっぱり、味噌ラーメンはベースの味次第。 スープの旨味が骨組みとして、どっしりとして いなければ、ただのぼやっとした味噌汁になる。 訊くと、味噌ラーメンは一週間ほど提供予定との ことだが、数日中に味噌の配合もかえるという。 これ以上の美味さというのは、なかなか想像に難いが この味噌の変容を想い、ニヤニヤが止まらない。 こんな味噌ラーメン、ここでしか食えませんよ? #練馬 #限定 #味噌ラーメン

9

東京都

イタリア料理

Hirotaka Kawasaki

【金目鯛、真鯛の雲丹焼きに、ラムチョップ】 年の瀬、忙しさを美味いワインとイタリアンで 癒そうと、いそいそと出掛けたのは千川通り、桜台。 扉をあけ、ライトアップされた階段をのぼり、 カウンター席に腰をおろし、店主、頓所さんと 四方山話に興じていると、 「カウンターはこれ以上いれないので、ゆっくり して下さい」と。 この時世、なんとも嬉しいご配慮に頭がさがる。 しかし、感じ入るばかりでは、腹は満たされず。 さっそく、この日の算段を相談し、あれこれ料理を いただく運びに。 口開けは、カブのパンナコッタ仕立て。 いぜんよりもさらに細かく濾されたカブは滑らかな 舌触りで、カブは身だけではなく葉を濾したものを ソースに仕立てている。これをまとめて一口で含むと、 口のなかはまさにカブ、ほのかな甘さが広がる。 ついで、金目鯛のタルタル。 脂のりが良い金目鯛に、冬野菜の歯ざわりもよく オリーブオイルのコク深さ、しっとりさで金目鯛の 風味がいっそう立ち、一口ごとに嘆息がもれる。 これをちびちびつまみ、白ワインをくいっと。 たたみかけるように、真鯛の雲丹焼きがつづく。 ふっくらとした真鯛の身は口ほどけよく、贅沢にも 雲丹をたっぷり細かく混ぜソースにし、真鯛にかけ オーブンでさっと熱をいれる。雲丹の濃密なコクと 磯の香りが真鯛にのり、思わず笑みがこぼれる海の 滋味にもう、うっとり。 酒も深まり、イタリアンウイスキーで迎えうつは 大好物の“カチョエペペ” ペコリーノ・ロマーノのコク深さに、フレッシュな 黒胡椒の弾ける香り、もっちりとした歯ざわりの パスタが三位一体。 これをつつき、メイン料理のラムチョップ。 一口頬張ると、ラムの野趣溢れる匂いが口から鼻、 いたるところにひろがり、ノックダウン… 肉厚な身は脂身と赤身の塩梅よく、噛むほどに、 ラムの野生的な旨味がジワジワ体を侵食していく。 ふぅっと一息。 さいごに、エスプレッソとティラミスをいただき、 今宵は打ち止め。 冬のトンシオーネもやっぱり凄かった… 師走のかけずり回る忙しさから一転、頓所さんの こさえる料理は、せわしなさを一蹴するかのような 余裕も運んでくれる。 #桜台 #イタリアン #金目鯛のタルタル #真鯛の雲丹焼き #ラムチョップ #カチョエペペ #戦闘服はサスペンダー #からすみと日本酒

10

東京都

居酒屋

Hirotaka Kawasaki

【穴子とあん肝の軍艦に、黒毛和牛ランプ肉の網焼き】 暖色の灯りがのぞく格子造りの引き戸をカラカラ。 席の取り置きをお願いした時刻に行き、まずは酒。 ビールで喉の渇きを癒し、お通しのスンドゥブを つついていると、しぜん体もポカポカ温まる。 ほどよい辛さもあり、これにはビールが正解! 辛さをさっとビールでながすと、唐辛子のおかげか 俄然、食い意地も全開、またそれに合う燗酒も欲しい。 酢と味噌の塩梅絶妙な“ぬた”に、箸でつまむと、 ぷるぷる震える出汁がたっぷりの“明太だし巻き” これをちびちびつまみ、温燗をキュッと。 あぁ… 酒が体にじわじわ溶けこみ、たまんない… 酒をかえ、ついでつついたのが軍艦。 いつから寿司屋になったのかしら?とマスターに 笑みを浮かべ言った十分後、一口ほおばり悶絶。 さっきはごめんなさい。 “穴子とあん肝の軍艦” これがとんでもなく美味い。 ふっくらとした穴子の滋味に、くさみが一切ない コクのあるあん肝、シャリは酢のかげんが良く、 海苔の香りも抜群。口のなかで、渾然一体、目を おもわずつぶり、これを噛みしめ、燗酒を。 そして、真打は“黒毛和牛ランプ肉の網焼き”だ。 うっとりするくらい、なんとも艶めかしい赤身肉。 山葵と塩をまぶして口にほおりこむと、和牛の 甘さに、濃い旨味がひろがり、香ばしい肉の匂いが 口から鼻に充満、うっとりしちゃう。 嗚呼、今宵も満足、大満足。 練馬随一の酒処は、アテも超一級品。 線香花火のような尾を引く余韻に、ジワジワ幸せが 募り、引き戸をあければ、ぬくい空気がお見送り。 #練馬 #酒場 #燗酒 #穴子とあん肝の軍艦 #黒毛和牛ランプ肉の網焼き