Hirotaka Kawasaki

Hirotaka Kawasakiさんの My best 2016

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京都府

割烹・小料理屋

Hirotaka Kawasaki

【京都遠征7軒目 西国一の肉割烹へ】 これぞ肉割烹。 京都、花街祇園にあって、日本一の 肉割烹と呼び声高き「にくの匠 三芳」 カウンター席を予約し、念願の地へ。 店構えも割烹屋の風格充分で、扉を開き 一歩足を踏み入れると、造作も品がよく 落ち着いた雰囲気に、心がおどる。 お品書きから、同行者の好みに従い、 和牛ステーキ 特選ヒレのコースを選ぶ。 この日いただいのは *新銀杏とおにくのお出し *タンの昆布締め *ラム芯のたたき *松茸とテールの椀 *剣先イカとおにくの飯蒸し *おにくのスモークとフォアグラのサラダ *秋茄子とおにくの冷やしあんかけ *サーロインのしゃぶしゃぶ *和牛ステーキ シャトーブリアン ヒレ *旬菜味噌汁 おにくの昆布巻き *ご飯とお漬物 *お抹茶のシャーベット 白州の薫り シャンパンで乾杯し、いざ肉宴を。 タンの昆布締めは美しいサーモンピンク。 脂身が多いのに、昆布の風味と、添えられた 細かく刻んだ塩昆布で、不思議とあっさり いただけ、薄造りでレアな食感に悶絶。 開幕から心をグッと鷲掴みにされる。 ラム芯のたたきは神戸牛。 きめ細かな歯ざわりで、しっとりし塩で いただけば、噛むほどに甘みとミルキーな 香りが鼻から漏れだし、頬がおちる旨さ。 松茸とテールの椀ものは、丁寧にひかれた 出汁にテールの旨味が溶けあい、かぶらと 肉厚な松茸に味が沁みわたり、一口ごとに 溜息がもれる。 この日もっとも驚いたのが、剣先イカと おにくの飯蒸し。これが旨いのなんの。 ねっとりとしたイカと常温のサーロイン、 キャビアの塩気が口の中で渾然として、 ゆっくりと溶けていくような旨さ。 この組み合わせの妙にも感動してしまう。 サーロインのしゃぶしゃぶもまた絶品。 肉厚なしめじと、さっと熱を通しただけの レアなサーロインが出汁を纏い、上質な 脂身がほどけ、あっさりとした味わいに。 そして、メインのシャトーブリアン、ヒレ。 美しい赤身で、肉厚で柔らかいものの、 心地よい噛みごたえもちゃんと残しており、 噛むほどにしっとりとした歯ざわりと甘みが 口中にあふれる。 ゆっくりと極上の肉を味わい、しめの ご飯をいただいたが、これが衝撃的な旨さ。 今まで食べた白米で一番旨かった。 艶やかでぴかぴかした米は、程よい甘さと もっちりとした食感が素晴らしく、つい お代わりをいただき、黄身の醤油漬けで 二杯目をゆっくりと噛みしめる。 肉はどれもが、新鮮さ、食感、甘味、 薫りが素晴らしく、火入れも絶妙。 豪奢にして繊細。濃厚ながらあっさりと した料理と旨いワイン、日本酒を愉しむ。 昨今、ちまたに溢れる肉割烹もどきとは まったく異なり、出汁の旨さ、素材の調理、 組み合わせと、和食の技術が下支えして、 初めて割烹といえると改めて実感した。 付け加えると、店の方の対応がまた実に 気持ちいい。若い方が多いんですが、 変に慣れたところがなくて、純朴な感じが して、応援したくなってしまう。 これもひとえに店主、伊藤さんのお人柄に よるところが大きいからでしょう。 ごちそうさまでした。 また季節を変えて伺います。

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京都府

寿司

Hirotaka Kawasaki

【京都遠征5軒目 感動の寿司屋にて スティーブ・ジョブズの愛した席で、 大間の鮪に、うなぎ、名残り鱧に松茸を】 ここはあまりにも素晴らしかった。 今まで食べた寿司、一品料理と比べ、 一段高みにあり、何を食べてもずば抜けて 旨く、なにより昨年一度引退した先代の 技術と人柄にすっかり魅了されてしまった。 生前、ジョブズが大トロを10貫つづけて 食べたことや、滅多にサインをしない彼の サイン色紙が飾られているなど、派手な エピソードには事欠かない。 彼がここをSNSで紹介するや否や、 店は外国人で溢れ、中には彼のサイン色紙を 見るためだけに、ここを訪れるものもおり、 そんなところから「外国人の為の高級寿司屋」と 揶揄する寸評も多く見受けられる。 開店時間に訪れると、まず店構えがいい。 老舗の鰻屋のような格式がありながら、 重厚すぎず、実に気持ちがいい。 扉を開き、早速、奥のカウンター席へ。 そう、彼の愛した席を予約しており、 そこに腰をおろす。 店内を見渡すと、掃除が行き届き、 造作も趣味よく変に凝るところもない。 ビールで喉を潤し、大将におすすめを 聞きながら、頂いたのは *刺身の盛り合わせ *名残り鱧と松茸の小鍋 *茄子の煮浸し *うなぎの蒲焼き ●焼き物は鯛のあら こちらは先代がおすすめだからとごちそうに。 握りは *えんがわ *雲丹 *関アジ *赤身 *中トロ *カマトロ *あなご 開幕の刺身からすっかり魅了されてしまう。 カマトロ、鯛、しまあじなどどれも肉厚で ありながら、おおぶりな味にならず、 鯛は身がしまり、甘みがあり、なによりも 驚いたのがカマトロ。脂が非常にのって いながら、口どけは優しく、スジも一切 残らない。甘みのある脂身がさっと口に いれた途端にとけだし、余韻も実に上品。 こんなに旨いカマトロは食べたことがない。 この日だしていただいたのは大間の鮪で、 部位ごとに分けたものをみせて頂いたが これがまた美しい佇まいで圧巻である。 次いで、頂いた鯛のあらがまた絶品。 骨のきわから身をほじり、口に運ぶと 柔らかく甘い、そして、濃厚な脂を 感じながらも、不思議とくどくない。 身の旨味が凝縮され、これをいただくと 大将が残った骨をさげ、これであら汁を。 このあら汁がまた素晴らしく、繊細な出汁の 旨味に鯛のあらから溢れるコクが渾然とし こんな旨い肴はないとしみじみ思う。 名残り鱧の、ふわっとした食感に、 うなぎの蒲焼きは皮目はパリっと香ばしく 中のしっとりとした歯ざわりを愉しむ。 ワインをいろいろといただきながら、 こうして旨い料理を食べると、つくづく 酒で料理の味が幾重にも膨らむと感じる。 すっかり気持ちよくなってきたので、 そろそろなにか握ってもらおう。 シャリは分量も少なからず、多からず。 どのネタと合わせても、口にいれると さっとほどける絶妙な塩梅。 えんがわはこりっとした食感に脂身は あっさりとして、鮪の赤身はねっとりと まとわりつくような旨さ。 そして、カマトロの握りにまたおどろく。 刺しでいただいた時よりも、脂身の上品な 甘さとほどけるシャリのわずかな酸味が 混ざりあい、目をつぶり惜しみながら これをじっくりと味わう。 最後に穴子を握ってもらう。 おおぶりながら、身はふっくらし、 ツメもコクがあるのにあっさり。 豪快なのに実に繊細な味わい。 先代の目の前であれこれと話をし、 ゆっくりと旨い肴、酒に舌鼓をうつ。 なんとも贅沢な時間を過ごさせて貰った。 スティーブ・ジョブズに格別な想い入れが なくとも、京都という土地への想い入れが なくとも、こちらは垣根なしに寿司を堪能し、 心ゆくまで愉しむことができる。 京都を訪れる際は必ず寄ろう。 ごちそうさまでした。

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東京都

焼肉

Hirotaka Kawasaki

【焼肉の聖地で感動の体験を】 やっぱり『スタミナ苑』は最高だった。 開店前から並ぶのも全く苦にならない。 いやいや、並んでもそれ以上の価値がある。 くさみ全くなしのもつ煮込み、さくっとした 上タン塩に肉厚な上ハラミ、赤身の旨さが 凝縮された上ロース、鮮度と食感が抜群の ミックスホルモンに、とろとろのアキレス腱。 そして、さらっとした上質な脂のカルビ。 どれをとっても鮮度は良く、カッティングの 妙が光り、肉の旨味をこれでもかと堪能できる。 この日はコバさん招集のもと、赤羽から バスで向かい、開店一時間ほど前に到着。 もうすでにかなりの列になっている。 コバさんが何やら、どでかいバックを 持ってきているなぁと思っていると、中には ビールやらハイボールやらがごっそり。 これをいただき、呑みながらワイワイと 待てるのはなんとも贅沢な待ち時間。 開店が近づくと、店員が人数の確認にきて 一巡目に入れることが確定。並んでいる 特権かハツの炙りもどうかと聞かれ、 一同即答でこれもお願いすることに。 いよいよ待ちに待った開店時間。 テーブル席に案内され、まずはビール。 この日いただいたのは *ハツの炙り *もつ煮込み 塩 *レバー *アキレス腱 *生野菜サラダ *上ハラミ *ハラミ *上タン塩 *上ロース *ミックスホルモン *上カルビ *テグタンスープ *ライス ハツの炙りは繊維が細かく、さくっとした 食感が良く、しっとりとした火入れで ハツ特有の旨味があとからじわりとくる。 もつ煮込みが抜群に旨かった。 これは一人一つ頼んでも良いくらい秀逸。 臭みなく丁寧に煮込まれているのがわかり ほんのりとした甘みもまたクセになる。 ハツやセンマイのグニっとした食感も 噛み心地よく、旨味が口に溢れる丁寧な 味付けで、残った汁も綺麗に飲み干し、 これを米にかけて食えば良かったと猛省。 上タン塩はなんと言ってもみずみずしい。 艶やかな色合いが目にも美しく、噛めば 肉厚でさくっとした歯ざわりを味わえ 肉のエキスが溢れ、鼻から甘い香りが 抜けるように駆けのぼる。 ハラミもまた、たまらない旨さ。 ハラミ特有の肉々しさが口いっぱいに広がる。 タレをつけて頬張れば、肉厚で噛みごたえは しっかりありながら、柔らかい歯入りで 噛むほどに旨味を堪能できる。 続くロースもやはり絶品。ここは赤身の 旨さも際立っており、これが実に旨かった。 きめが細かく、旨味が濃く凝縮されており これもまた頼むべき一品。 ミックスホルモンはギアラ、ハツに センマイ、コブクロなどが入っており、 しっかり炙り、それぞれの食感を楽しむ。 そしてカルビ。さっと炙っていただいたが 脂身は甘くさっと口中で溶けて、くどさが 全くない。サシも綺麗に入っているのに 不思議なくらいあっさりと食べれてしまう。 こちら肉の鮮度の良さは言わずもがな。 肉の旨さを追及し、カッティングの技術に 隠し包丁など、芸も細かい。 店内に流れる大衆的な雰囲気も抜群で あちこちから聞こえる肉を焼く音に、 嬉しそうな声、立ち込める煙と肉のいい香り。 予約はとれず、どんな常連、有名人でも 並ばなくては入れない。 これほどの人気店ながら、店員の対応も おごったところなんか一切なく、程よく フランクで実に気持ちいい。 このような誠実な働きぶりもまたここを 東の横綱たらしめる所以なのだろう。 気の置けない仲間と、わいわいと肉を焼き、 それを食らいビールやレモンハイで流す。 なんとも楽しく美味しい時間を堪能した。 外をのぞむと相変わらずの大行列。 これはそろそろ退散しよう。 ここで長っ尻はいけません。 ごちそうさまでした。 また必ず伺います。 追記 コバさん、案内からビールの用意など、 ありがとうございました。

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東京都

イタリア料理

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【感動のイタリアンは亀戸へ】 予約は8ヶ月待ち、食べログ掲載拒否店。 ここはあまりにも素晴らしく、 いくら言葉を尽くしても足りない。 この日を境にイタリアンの概念が簡単に覆った。 江東区、亀戸にあって、都内屈指と評判高き トラットリア、『メゼババ』 亀戸駅の喧騒をわずかに離れ、一本路地に 入った所にひっそりと佇む。 店内に入るとカウンター10席のみの こじんまりとしながら温かみのある雰囲気。 店主、高山さんから注文は最初にまとめて オーダーして欲しいとアナウンスがあり 一同あれこれ話し合いながら選んだのは ●生サラミ ●ブッラータ ●白アスパラガス ●ヤリイカと古代小麦 ●貧乏人のスパゲティ ●カラスミのパスタ ●ジビーフ・アルサングレ スパークリングを1杯に赤ワイン3本。 全てを語るのは無粋と承知の上で伝えたい。 《生サラミ》 いままで食べていた生サラミとは完全な別物。 肉の旨みもさることながら、食感がまた驚き。 普段見慣れた薄く綺麗にスライスされたものと違い、 包丁の入れ方に工夫があり一見無骨だが、 舌に触れる断面の割合が大きく肉の旨みを これでもかと感じられ、塩・胡椒が絶妙で じんわりとスパイシーな味わいがたまらない。 《ブッラータ》 今まで食べてきたモッツァレラが遥かかすむ。 バターのようなコクがありながら、あっさり。 これまた絶品のオリーブオイルをしっかりと かけ頂くとただただ悶絶。 ヘタまで食べてくれとシェフが言うトマトも 程良い甘みがあり、素朴な旨さがたまらない。 オリーブオイルをおかわりし、バケットを浸し 皿はあっという間にキレイに。 《白アスパラガス》 これがまた豪快。 太い立派なアスパラガスに目玉焼きが乗り、 それを崩ししっかりと混ぜアスパラガスと一緒に。 アスパラガスは柔らかいながら適度な固さを残し みずみずしく、目玉焼きとの相性も抜群。 《カラスミのパスタ》 これがまた唸るほど旨かった… カラスミ、そして太麺のスパゲティを味わう為の一品。 あさりや鯛でとった出汁が下支えしており ふんだんに入れられたカラスミの風味が 贅沢なほど際立った一品。 《貧乏人のスパゲティ》 こちらの名物といって良い一品。 目玉焼きにペコリーノ、パルミジャーノ、 そして黒胡椒といたってシンプル。 これは説明不要の旨さ。 ぜひ召し上がってください。 スパゲティは2品とも極太で、もっちり。 噛めば噛むほど小麦の風味を堪能でき、 とりわけ感動的でした。 他のメニューもどれもが素晴らしく 今までの概念が軽く覆る一品ばかり。 豪快でいながら繊細、濃厚ながら後を引かない。 素材に対する思い入れと、その旨さを最大限に 引き出す調理法。 感動に包まれる料理の数々もさることながら こちらの魅力はなんといっても店主、高山さん。 幸運にも調理する彼の目の前の席で 素材や調理法の話、イタリアの話など多岐に渡り 大いに盛り上がる。 ユーモアもあり、一家言ある若き店主。 ただただ夢のような時間を。 一見の予約は困難極まりなく、Satomuraさんが足繁く通われシェフを口説き落とし、やっとの思いで手に した予約席にお招き頂き実現。 Satomuraさんご尽力ありがとうございました。 次回の予約は10月。 秋はどんな素材、調理で料理をいただけるのか 今から楽しみが尽きない。 ごちそうさまでした。 追記 ワインも見たことのないものばかりで 直接お店に卸される品ばかり。 これがまたどれもが絶品で、赤ワインだけで 3本空けてしまった。 ここはワインが呑める方と行かねばいけません。

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東京都

割烹・小料理屋

Hirotaka Kawasaki

【200投稿目は人形町の肉割烹で至福の時を】 2016ミシュラン一つ星獲得店。 ここはただただ唸ってしまう… 少しずつ希少な肉を様々な頂きかたで ゆっくりと堪能したければ間違いなくこちら。 あまりの旨さに感動した至高の肉割烹。 この日は気のおけない友人と2人、人形町へ。 人形町駅から徒歩5分程。 早速店内に入りカウンター席へ。 まずはビールで乾杯。 八海山泉これがまた旨い。 通常のヴァイツェンだとクローブのような香りが 印象的ですが、こちらは控えめで飲みやすくクセなく 食前酒として秀逸。 この日は事前にお願いしていたコースで。 ●先附 和牛タンシチュー ●お造り 和牛クラシタの軽い炙り 北海道産生雲丹巻き 和牛ミニヨン 藁焼き握り 白センマイのぬた和え ●強肴 鹿児島県早堀り筍 和牛ランプ巻き ●揚物 のざき牛 ビフカツ 山葵塩 ●焼物壱 和牛焼きすき焼き 山梨県中村牧場 八ヶ岳卵 一口御飯 ●椀物 和牛出汁 ●焼物弐 和牛タン ●焼物参 和牛シャトーブリアン 本日入荷の旬菜から選べ茄子と大黒本しめじを。 ●食事 牛肉の佃煮と御飯 お茶漬け変化 特製和牛カレー ●水菓子 葛切り 黒蜜 ※マクラの焼物を追加で頂きました。 一品一品が感動に包まれ、全てを伝えたく なりますが、あえて3品ピックアップ。 【和牛クラシタの軽い炙り 北海道産生雲丹巻き】 (画像6枚目、左上) クラシタのレアな焼き加減も素晴らしく 出汁醤油と雲丹の風味は控えめに下支え。 割烹としての底力を感じる一品で、 優しい雲丹の余韻に包まれる。 【和牛すき焼き 山梨県中村牧場 八ヶ岳卵 一口御飯】 (画像1、11、12枚目) 脂身、赤身のバランスが素晴らしく そしてこの八ヶ岳卵が濃厚で出汁との相性が完璧。 残った卵を一口御飯にかけまんべんなく混ぜ あとはひたすらかきこむのみ。 すき焼きとしても卵かけ御飯としても これ以上は考えつかない程に旨い。 【和牛シャトーブリアン】(画像14、15枚目) 今まで食べたシャトーブリアンが遥かかすむ。 柔らかく、赤身の旨味が凝縮しながら僅かにある 脂身とのバランスは最高で山葵と塩で。 付け合わせの野菜は数種類から選ぶことができ 大黒本しめじと茄子をチョイス。 しめじはシャキシャキの肉厚、茄子は煮浸しの ように出汁が効いており、肉の箸休めに。 これらの素晴らしい肉料理に白、赤ワインを 合わせただただ至福の時間を。 感動に包まれる一品と旨い酒、繁盛店でありながら お店の方の気配りも気持ち良い。 カウンターで店主とあれこれ話す時間は格別で 丁寧な仕事に見惚れ、優しい人柄に心も満たされる。 店を出た後、店主が挨拶に外まで出てくださり、 少しだけ立ち話を。 安心して美味しい肉割烹を堪能するのであれば ぜひこちらへ。 ごちそうさまでした。 また季節が変わった頃に伺います。

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東京都

焼肉

Hirotaka Kawasaki

【尾崎牛に山形牛、五感で肉をひたすら愉しむ】 Banさんにお誘いいただき、西麻布へ。 肉好きは唸ること間違いなし。 ここは肉割烹とも、焼肉といっても、 片手落ちですし、たんなる和食と焼肉の 折衷といっても、どうもしっくりこない。 どれをとっても五感を誘われ、なにか こう、肉が艶やかで、色香が匂いたつ。 常連のBanさんスペシャルコースを 個室にて、しかもオーナーシェフの 健志郎さんに目の前で調理して頂く という贅のかぎりを尽くした肉の宴。 開幕の〈茶碗蒸し〉からぐっと掴まれる。 牛テールのこくが溢れるコンソメが 溶き卵の旨味、滑らかさとすっとなじむ。 湯の蒸気で遠回しに熱が入ることで、 旨味だけではなく香りもまたぴっしりと 閉じこめられ、鼻をぬける香りまで旨い。 前菜のサラダもまた秀逸で、丹波産の ベビーリーフの仄かな苦味もさること ながら、トマトの歯ざわりとぎゅっと 凝縮された甘みが素晴らしい。 ここらで胃の準備も万端ととのい、 いざ、肉宴の始まりとなる。 〈刺し盛り〉 山形牛のイチボを、塩、タレ、醤油で。 しっとりとして口どけよく、滑らか。 とくに醤油がもろみ醤油のような風味で 肉刺しの柔らかく芳醇な旨味にからむ。 〈タン〉 これにはもう参ってしまう、脱帽です。 表面に格子状に細やかに包丁がいれられ 三週間寝かせたという熟成タンは、外が さくっ、かりっとし、中はしっとり。 食感の濃淡にただただ唸ってしまう。 〈シャトーブリアン〉 クロッシュを開けると仄かな燻製香。 見るからにしっとりとした身は歯を いれると、さっと繊維質がほどけ、 口中に旨味がひろがる至極の一品。 〈しんしん、ささみバラ、神のはらみ〉 神のはらみは今まで食べたはらみが はるか霞むうまさで、はらみ特有の 噛むほどに溢れる赤みの旨味にくわえ、 横隔膜のきわの部分でしょうか、脂身の 甘さもあり、これは絶品です。 〈はらみカツ〉 これに一番感動した。膝から崩れおちる くらいに旨かった。ちまたでいただく、 加工肉をただ火を浅くいれただけの 牛カツとは別物で、これは素晴らしい。 低温調理でコンフィ状態となったはらみ。 これにさくっとした衣の塩梅もよく、 口にいれ、歯にふれるとふわっとほぐれる。 その後も、さっと半面に火をいれた食感 抜群のシャトーブリアンに、焼きすき、 しめの海苔で作った冷麺もまた絶品で あったことは言わずもがな。 素材の厳選から、火入れ、組み合わせの 妙が随所にひかる。ひとえに肉をどう 調理すれば最高の状態になるか試行錯誤を くりかえす健志郎さんのたゆまぬ努力の 賜物で、ただただ頭がさがる。 お誘いいただいたBanさん、ご一緒頂いた バルさんはじめ、皆さん、美味しく愉しい 時間をありがとうございました。 #冬グルメ

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東京都

焼肉

Hirotaka Kawasaki

【肉を味わい尽くすなら表参道へ】 やはり『よろにく』は素晴らしい。 「肉そうめん」はレアに炙られた フィレミニヨンに出汁、山芋、花穂紫蘇、 キャビア、山葵が添えられた和洋折中の旨さ。 ブルスケッタにユッケ風のローストビーフを 乗せ、サマートリュフをこれでもかと削り、 一口で頬張れば、贅の限りを尽くした味わい。 そして、こちら名物のシルクロース。 さっと炙ったシャトーブリアンの薄切りで 一口大のご飯を包み、脂身は一瞬で溶けて 米は一粒一粒がほぐれ、頬が緩む旨さ。 この日はEmikoさんにお誘い頂き表参道へ。 スペシャルメニューは *肉そうめん *真鯛とイチボの手巻き *塩ダレのサラダ *フィレミ二ヨン *ブルスケッタにユッケ、サマートリュフ *ハラミ *タン3種 *カメノコ、ツチノコ *ハチノスの吸い物 *シルクロース *ミノ *シャトーブリアン *肉とうもろこし *サーロイン *ヒレカツ *手延べそうめん *かき氷 オーナーのVanneさんに焼いて頂きながら 前菜から箸休め、焼き物にヒレカツを。 牛肉のカッティングの技術と火入れの妙。 キャビア、サマートリュフ、出汁に昆布、 大根おろし、真鯛と牛肉を引き立てる 素材の面白さと調和を満喫させて頂いた。 焼肉のだいごみは自分で肉を焼くことに あるかと思いますが、こちらは純粋に 焼肉をというよりも、肉を知り尽くした 方に様々な調理法で楽しませてもらう エンターテイメント性もまた魅力のひとつ。 ひたすら旨くて、ひたすら楽しい。 お誘い頂いたEmikoさん、ご一緒頂いた 皆さん、楽しく美味しい時間をありがとう ございました。

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北海道

寿司

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【帰省1軒目 地元の寿司屋で悶絶】 ここは実家から歩いて数分。 帰省すると訪れる地元の寿司屋。 円山公園は『和喜智』や『すし宮川』など 名店ひしめく札幌屈指の寿司激戦区。 ここ『鮨 無双』は他の名店と比べて コストパフォーマンス良くとんでもなく 旨い魚を頂ける。 この日は開店時間にカウンターを予約。 カウンターに座りまずはビールで乾杯。 サッポロの生だが泡がクリーミーでちゃんと旨い。 基本ここにくればお任せにして、 大将に身をゆだねるのが良い。 お通しは糸もずく。 これはバルサミコ酢で頂く。 三杯酢のように角は立たず丸みのある酸味。 これに稚内の新鮮、滑らかな食感の糸もずく。 この日頂いた料理は ■焼き蛤 ■焼き蛸 ■刺し盛り合わせ ■ボタン海老 ■あん肝の西京漬 ■ズワイガニと蟹味噌 ■握りは大トロ、鯖、ホッキ貝、サメガレイの縁側、 八角、本ますの西京漬、ウニ、いくら、きんき 酒は ■GOZENSHU 9 NINE ■角右衛門 直汲み 純米吟醸 生酒 ■二世古 特別純米酒 9 NINEはブルーボトルを。 岡山、辻本店の夏酒でコク、キレが抜群。 角右衛門は爽やかな風味と米の旨味が程よく フレッシュな呑み口で、これまた旨い。 二世古はキレよくドライな辛口酒。 【焼き】 蛤は函館のもので、肉厚でぷりぷり。 焼いても身の縮みは一切なく、蛤の旨味が ぎっしりつまり、噛めばエキスが沁み溢れる。 活き蛸は焼いてもらい、外の炙った風味に中はレア。 甘さが際立ち、食感良く、噛むほどに旨味が 感じられる。 【刺し盛り】 ツブ貝、帆立、マグロ、サメガレイ、メヌキ。 ツブ貝はこりこりの食感、帆立も甘く肉厚。 戸井のマグロはねっとりとしたまとわりつく旨さ。 そしてメヌキがまた素晴らしかった。 甘さが特徴的な白身魚で金目鯛に近い印象。 ズワイガニと蟹味噌は、あっさりとした みずみずしい身と、コク・旨味がつまった蟹味噌も 絶品で、これはまた日本酒が進む。 【握り】 こちらはシャリも絶妙。 口中でのほぐれ具合がたまらない。 ボタン海老は味噌を軍艦に、身は出汁醤油をかけ頂く。 濃厚な味噌と、ぷりぷりの身は味わいが異なり このように2種頂けるのはなんとも贅沢。 戸井の大トロはすっきりとし、くどさはなし。 ウニは浜名湖のもので、ミョウバン不使用。 これはもう悶絶。 粒は舌でふわっとほぐれ、滑らかな舌触り。 甘みもクセがなく、しばし余韻に浸る。 やっぱりここはとんでもなく旨い。 その時期その時期の旬を味わい、 新鮮かつ上質の魚を調理の妙で旨味を最大限に 引き出し、余すところなく堪能できる。 カウンターで大将とあれこれ話しながら、 旨い酒と魚を頂く。 実に贅沢かつ幸福な時間。 札幌に寿司屋はあまたあれど、 コストパフォーマンスも含めここが一番。 ごちそうさまでした(˘ڡ˘) また伺います。

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東京都

焼肉

Hirotaka Kawasaki

【江戸前肉割烹でシャトーブリアンと トリュフのせ卵かけ御飯、しめに和牛ヒレサンド】 肉の旨さを堪能し尽くせる肉割烹屋。 他店で似た料理をいただくことが ありますが、上っ面な模倣とは違い 不思議と『銀星』の味になっています。 優しく繊細な旨さが体に沁みわたり、 自然と会話も静かに熱を帯びる。 Ban Amanoさんにお誘い頂き六本木へ。 カウンターに座り、まずはビールを。 サントリーマスターズドリームの生樽。 うすはりのグラスで口元、手に冷たさが 伝わりやすく、実に美味しくいただける。 コースで頂いた料理は *ザブトンのユッケ、トリュフのせ *焼き茄子の冷しゃぶミスジ包み *牛タンの塩漬け *トウモロコシの冷製スープ *刺し四種 黄身の醤油漬け (ウニをハネシタで巻いたもの、タンの 昆布締め、握りは二種でサーロインは 塩すだち、イチボは漬けで) *肉味噌野菜スティック *黒毛和牛のタン *シャトーブリアンのビフカツ *吸い物、漬け物 *リブ芯を使ったトリュフごはん。 *かすうどん *デザート 他にお土産用の ◉銀星サンド(和牛ヒレ) これを持ち帰らず、その場でいただいた。 『銀星』を語る上で欠かせない三点。 ○厳選された素材の良さ。 ○丁寧な下仕事が光る素材の扱い。 ○どの料理にも通底する品の良さ。 素材の良さは言わずもがな。 トウモロコシの冷製スープなんか、 抜群に旨い。ミルフィーユという品種で トウモロコシの甘さにコクがあって、 余韻が長く続きますが、ざらつきはなく とろりとした飲み口は軽くて、あっさりと。 シャトーブリアンのヒレカツがまた絶妙。 シャトーブリアンの繊維がこんなにも 柔らかく解けるものかと静かに興奮。 普段シャトーブリアンといって出される ものはほとんど、芯の周りらしい。 これは芯のど真ん中、すっと歯が入り、 繊維のきめ細かさ、適度な噛みごたえ、 柔らかさのすべてを堪能できます。 二つ目に挙げた素材の扱い。 肉の火入れの素晴らしさはもちろん、 下味につかわれる出汁醤油や、水茄子、 アスパラなどの味付けに食感の良さ。 黒毛和牛のタンも先から元まで一口で いただけるように縦にカットされ、 噛むほどに食感の違いを一枚で堪能。 特に驚いたのが、かすうどん。 青垣のくずそうめんの旨さったらない。 出汁は優しく、すっと胃に沁みわたり、 そして、くずそうめんの茹で加減。 これが適度な固さを残し、シャキッとした 歯ざわりで、ぜひ一度ご賞味いただきたい。 最後はどの料理にも通底する品の良さ。 どんな高級素材を使っても嫌らしさが 全くなくて、下品になりません。 トリュフが最たるもので、トリュフご飯を まずはそれだけで味わい、次にリブ芯を さっと炙り卵に絡め、ご飯を巻き一口。 極め付けに余った卵で卵かけご飯に しますが、トリュフの風味がたまらない。 しっかりと鼻から香りが抜けるんですが、 おしつけがましさが微塵もなくて、 風味づけに使っているのがよく分かる。 最初から最後まで唸りっぱなし。 丁寧な料理を少しずつ、ゆっくりと楽しむ。 良い塩梅というのはこういう料理のことを いうんだなと食べながら、しみじみ感じた。 店の方の対応も柔らかく、料理や店の話など 旨いものをつつきながら、なんとも贅沢な 時間を過ごさせていただきました。 なかなかこれる店ではないけれど、四季折々に 伺って、また違った楽しみを味わいたい。 お誘いくださったBanさん、ご一緒された 皆さん、美味しく楽しい時間をありがとう ございました。

10

東京都

焼き鳥

Hirotaka Kawasaki

【近所の鶏料理屋にてフォアグラ鍋を】 今年もこの季節がやってきた。 冬といえばやっぱり鍋だ。 それも鍋はじめはうっとりする ほど、うんと旨い鍋がいい。 即座に脳裏をよぎるのはこちら。 鳥長でフォアグラ鍋を食べなきゃ どうにもこうにも落ち着かない。 この日はお誘いいただき、いそぎ 仕事を片付け、練馬へむかう。 真打、フォアグラ鍋を愉しむ前に べったら漬け、生つくねに肝刺し、 銀杏串に蓮つくね、胸のたたきに 手羽揚げ、そして、ささみかつ。 絶品の鶏料理に舌鼓をうつ。 生つくねは、ふわっと、滑らかな鶏の 旨味が凝縮され、山葵でぐっと味が しまる。胸のたたきはぱさつきなく、 しっとりとした歯ざわりで、じとっと 舌にまとわりつく濃厚な旨さ。 ささみかつはさくっと香ばしい衣に、 ふわっとした軽やかさのあるささみは 淡白さの中にさっとほぐれる繊維の 柔らかさがあり、噛むほどに旨い。 そして、お待ちかねのフォアグラ鍋。 ここからさきは店主の独壇場。 鍋の縁にぎっしりと葱を敷きつめ 真ん中にはでんとフォアグラを。 店主が頃合いを見て、手際よくこれを 返し、両面をしっかりと焼いて飴色に。 割り下でさっと下味がつけられて いて、フォアグラのコク、脂身の 旨味を堪能することができる。 が、しかし、これでは終わらない。 ここからが真骨頂で、鶏鍋の始まりだ。 鶏のスープがどばっと入り、これに 平茸やエノキなどのキノコ、淡海地鶏、 そして、この鍋で忘れちゃいけないのが、 クレソンだ。フォアグラから滲みでた 脂がスープにコクをだし、この出汁に シャキッとした平茸、葱、肉厚ながら 柔らかくぷりっとした食感の淡海地鶏。 これらをしっかりとスープにからめ、 口いっぱいに頬張ると、夢見心地に。 〆のうどんをいただく頃にはお約束。 スープをだいぶ景気よく飲みすぎて 少ない煮汁で、これをいただくから なんとも、もったいない話だ。 こういう時はスープを飲み干して、 絶品の鶏ラーメンを懇願した方がいい。 〆をいただき、そろそろ二軒目に行こう。 ごちそうさまでした。 今年も頻繁に通いそうだ。