spicecherry
京橋(東京)駅
カレー
東京で一番人気のある南インド料理店といえば、 「ダバインディア」だ。 男女問わず、年齢層広く、在日インド人も一般の人も、この店を知らない人はいないでしょう。 この店がオープンしたのは、2003年。今年で10年。10年間、トップを独走している。 南インド料理ブームが東京に浸透する一歩手前のことだった。 要は、ダバインディアがこのブームの火付け役になった。 それに続いて、ニルワナム、ダルマサーガラ、ダクシン、シリバラジのような、ワンランク上の南インド料理店が次々に都心に開店した。 これらの店は、それ以前のインド料理店のイメージをくつがえした。 開店時からダバインディアが他と違う点は、以下の通り。 コンセプト(東京駅で南インドの食堂) 予約方法(全員揃わないと着席できない) 時間制(2時間) メニュー構成(ミールスとドーサを主流にしながらも、アラカルトメニューが豊富) 内装(特にトイレが入口にあるのは面白い構造だ) サービス(全員が日本人) カウンター(ひとりでも入りやすい) 斬新で、新しいタイプのインド料理店だった。 店内は青いペンキで洞窟のようなイメージ。スタイリッシュでありながらも、温かみを感じる。 奥の厨房から見渡せる細長い店内は、スタッフが動きやすいように考えられている。 洗浄機とドーサ用鉄板は、客席から見えやすい位置に配置されている。 この設計だけでも、開店前から相当考え抜かれた店作りだったに違いない。 店を切り盛りしているのは、厨房のインド人シェフが4人、ホールは店長を含めて日本人4人で計8人。 席数は60席。 この店の大きさを考えると、この人数が少ないということは決してなかろう。ヒマな店ならこの半分の人数でも回せそう。 ここに行った事がある人ならご承知だろうが、この店の忙しさはハンパじゃない。 私たちが行ったのは、日曜日の8時過ぎ。なんと外には人が並んでいて、空席待ちだ。入口付近でも席を立って会計を済ませる人と、これから店に入る人がごった返している。 日曜日の夜に、東京駅の八重洲辺りの飲食店で、こんなに混んでいる店は見た事がない。 私たちは幸運にも厨房を舞台に眺められる特等席(!)に通された。 オーダーを待つ間は、否が応でも殺人的な混み方の厨房とホールスタッフの動きに目が行ってしまう。上記と下記の写真とおり、スタッフの動きは舞台役者のように無駄がない。スタッフ同士は無言のまま。少しでも手があけば誰かが洗浄機をまわし、食器をふく。そのチームワークは素晴らしいというしかない。働いている側からすれば、「そんなの当たり前」と言われるかも知れないが、この混み方の中で、ホール4人の動きと、厨房との連携プレイが見事だった。 私たちが頼んだのは、ベジとノンベジのミールス。 こちらはセットのマサラドーサだ。 ノンベジはシーフードと肉三昧。ラッサム、サンバルとライスはお替わりできる。 ベジミールス 以前よりもパワーアップしている!! 昔、5年ぐらい前にここに来た時は、接客や雰囲気は今と変わらない印象だった。けれども、当時は今よりも一般客向けの味でどこか物足りなかった記憶がある。 今回のミールスではその物足りなさが無くなって、かなりインパクトとのある味になっていた。 いや、今の味の方が、この賑やかな活気ある店にぴったりだ! このビシバシ感が、ここで幅広い客層にちゃんと受け入れられているのなら、巷のインド料理も「辛いと言われる」なんて心配はしないでいいのでは? アラカルトメニューも豊富で魅力的。ひとりではなかなか食べる機会がないだろうが..., 水差しの水を頼んだら、 「すみません、今氷がなくなってしまい、少しお待ちいただけないでしょうか?」と言われた。 「いえ、氷はいいですよ、こんなに忙しいんだから、ただ水だけで結構です」 とスタッフの方に伝えた。スタッフの方は、その言葉通り水だけ持って来てくれた。 ところが、あとからスタッフが氷を買って来てくれたらしく、「すみませんでした」と言って、氷の入った水差しと取り替えてくれた。このさりげなさは驚いた。