Lio Aoyagi

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三丁目の夕日さながら、東京の下町に生まれ、高度成長期を過ごし、バブルも弾け、湘南の西のはずれに暮らすおじさんです。 今は、一億総評論家気取りの時代ですが、私はプロではありませんし、ただ楽しい時間を過ごしたいだけなので、オススメのお店しかご紹介いたしません。一方的なマイナスコメントほど嫌な気持ちになるものはありません。

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なんば駅

ハンバーグ

古くから演芸の街として栄えた大阪は難波の横丁を曲がった所にひっそりとお店はあります。東京の下町で育った私には浅草に似て、懐かしく感じさせてくれるお店です。 大きなテーブルの片隅に座り、相席となった老紳士と目が合い、軽く会釈。 なんか良いぞ… 細長い店舗の奥、カウンター越しにフライパンを操る調理人の無口な背中が覗け、次々とカウンターに置かれるお皿をホールのお姉さん方が、テキパキとテーブルに運んでいきます。 洋食のお手本のような盛り付けを眺めながら「次はどれを食べよう…」と考えていると、間もなく目の前に料理が並べられました。 お金を出せばいくらでもブランド肉が食べられる時代にあって、こちらのビフテキは洋食屋というものをわきまえたクオリティながら、充分過ぎるコスパと言って良いでしょう。私は断然こちらをチョイスします。 お店の作り、清潔さ、厨房から届く心地よい良い音と香り、テキパキと動くお姉さん方の動き、全て含めここでしか味わえない世界です。 老舗とはいえ頑なにに“創業当時”を守るのではなく、その時代時代の求めに応じ、しなやかに調理方法を変えるなど、良いところ取りの姿勢は、金髪の若者も列に並んでいることからも、充分に感じ取れます。 殆どのお客が「ご馳走さま!ありがとう!」と笑顔でお礼を述べ、子供には飴ちゃんを選ばせる、そんなこんながとても自然で温かい。 「ありがとう」の街、大阪難波。 良い街です。 写真は不粋なのでなしです。 ご自身の目と耳と舌でお確かめください。

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寺地町駅

定食

大阪に来て二ヶ月。 仕事の先輩方に勧められ、やってきました、堺の町へ。大通りの真ん中を走る路面電車が気分を盛り上げ、下り立つと、広ーい空になんだか昭和の下町を彷彿とさせてくれました。 そしてゲコ亭。 こちらの自慢はなんと白飯! 某炊飯器メーカーが、ここのご飯を研究し続けたという、ある種伝説のある定食屋さん。 噂に違わず、少しお焦げの混ざったご飯は絶品です。 セルフで選ぶお惣菜は、そもそもが町のブルーカラーの方向けなのか?関西なのに東京下町のような濃い味。ブリ照りを取りましたが、大きさは普通の二倍くらいの厚みがあり、しっかりと味が染みております。しかし忘れてはならない、ここは関西。ほのかな柚子の香りがしてきます。 なんて事のない定食屋さんですが、ここで働く人達の心が染みてきます。 年配のご夫婦には「どれにします?わたしとりますよ」とか「ご飯足りてます?」そんな一言一言が、優しく控えめな関西弁が、心地良くなります。 そうでした。関西に来てこんなに静かで、でも優しさに包まれる感覚ってなかったです。 大阪の明るさや気さくさは居心地良いんですけどね。

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勝どき駅

洋食

お隣りの月島は、横丁の隅の隅まで“モンジャー”に侵略され、残念ながら生活感の無いテーマパークのような町になってしまいました。勝どき周辺も再開発という侵略行為に少しづつ土地を失いつつありますが、それでも、まだ洗濯物がユラユラ揺れるのどかな風情が残っています。 こちらは、そんな路地の奥でひっそりと営まれているお店です。 L字のカウンターの中には低い天井にぶつかってしまいそうなコック帽を被ったご主人。多分「奥様だろうな」と思しき清潔感ある女性。10人は入れなさそうな小さなお店です。 11時半に入店。ポークジンジャーをオーダーすると、間も無く次から次へと侵略者達が来店。あっという間に外に列ができていました。 やたらと生姜をきかせたような雑な味付けではなく、ペットボトルの中で熟成された、これはもはや秘伝のタレと言って良いでしょう。甘みのあるほっこりとした味。付け合せのスパゲッティ(ここではパスタと呼んではふさわしくない気がします)は真っ黄色。「うちのメインはカレーだから今度はカレー食べてね?」って言っているような気がします。 無口なご主人が一つずつオーダーをこなしていく、そんな手作りの洋食をお探しならこちらをお勧めします。 外に出ると、お財布片手の侵略者達が「これでも並ぶか〜」とか「アチャー…」などと言いながら、早足に歩いてくるのを、余裕の気持ちで見送りました。 写真は表通りからのポイントです。 あーポークジンジャー美味しかったー!

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大井町駅

とんかつ

とんかつというと、カウンター越しに寡黙な職人の所作の美しさを競うようなところも楽しみの一つかもしれませんし、実際東京で名店と言われる所はどこも、そこもぬかりはありませんね。 そうした美を求める向きには、こちらは余りにも庶民的なお店。東京は下町のささやかなお店。他の方も書かれているように、過剰なほどのホスピタリティに、初めての訪問で相性の良し悪しは決まると言っても良いと思います。 肝心のとんかつですが、肉質、薄めの衣、揚げ方、すべてが高い次元でバランスが取れています。キャベツもオーダーと同時に切られるのでしょう。食感を上げるため、切ったあとに氷水につけたりしていません。その分甘さが際立ちます。 しかしこちらの最大の特徴はホスピタリティ同様、どこか懐かしい、家庭的な味。背筋を伸ばして、こちらも所作を意識しながらの食事も、外食の楽しみですが、たまには自宅で食べるように寛げる外食も良いと思います。 世界のイチローさんも、そんな所に惹かれているのではないでしょうか。 お愛想を済ませて「ごちそうさまでした。」と扉に向かうと、スッと扉を開けてくれ「ありがとうございました。またどうぞいらしてください。」と女将さんのお見送り…。ちょこっと夕飯に寄ったくらいなのに…。 なんかホッコリします。

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青山一丁目駅

ラーメン

友人の弟さんが始めた、ラーメン屋さんですが、青山と言う土地にマッチした、シンプルモダンな作りに、これまた同じテイストで揃えられた器とテーブルウェア。 レモングラスが隠し味に使われたラーメンは、食後のサッパリ感が、他ではない体験になると思います。 きっとお昼は近隣のOLさんたちでいっぱいなんだろうなと思います。 清潔感溢れるスタッフが、テキパキと動く姿も絵になります。