蒲田にあるミシュラン二つ星の鮨。 休日の夜に訪問。 蒲田でとんでもない鮨に出逢ってしまった! 唯一無二。 世界に誇る日本の鮨は、ここにある。 年始早々、2016年のNo.1になりそうな予感^^; ということで、長文で失礼します。 と思ったら、文字制限があるようで切れちゃった(笑) 店は、大将・中治氏と女将の二人で営業している。 大将は、演出家であり、演者であり、歌って踊れるエンターテイナーといえる。 軽快なトークで場を和ませ、愉快で楽しい空間を作り出す。 手品や映画を観る時は、事前に種明かしやネタバレがない方がいい。 ところが、中治劇の場合は、事前情報で想像していた以上の体験ができるため、思いっきり楽しむことができた。 女将は、場を静かに見守る。 鮨に最も合う酒を熟知しているため、おまかせで日本酒を選んでもらって間違いないだろう。 酒、ガリは、このタイミングで欲しい、という時に気付いてくれ、細部に渡った気配りがある。 大将と女将の掛け合いを見ていると、お互いに信頼を寄せ合い、愛があるんだなぁと感じた。 海外からの来客も多いようで、大将のジョークを交えた流暢な英語での接客は見事だった。 タネに至っては、厳選された最高の素材が提供される。 1番いいものを落札したところから、高値で買い取る、という一切妥協を許さないスタンスを貫いている。 実際に聞いた仕入れ値から計算すると、驚くべき原価率であり、驚異のCPを誇る。 大将は、変態的なまでの研究・研鑽を重ねた知識と、経験に裏付けられた包丁捌きの全てを、惜しげもなく披露してくれる。 温度と時間を巧みに操り、時間とともに変化していくシャリに応じて、その瞬間で一番美味いタネを合わせていく。 斬新で類い稀な調理法は、見ている人を全く飽きさせることなく、2時間半のストーリーは流れるように進んでいった。 【おまかせ】(21,600円) 全ての鮨が手渡しで提供される。 崩れやすい雲丹を手渡しする、という店はあるが、全てというのは初めてだ。 まずはシャリのみをいただく。 出来立てのため、人肌以上に熱い。 酢が強く硬めで、存在感がある。 この時から、時間の経過に伴って、シャリの温度が下がっていくのを感じることになる。 大将は、赤ちゃんから大人へ成長して落ち着いていき、いずれは年寄りになっていく、と比喩していた。 そんなことを聞かされながら、全体像が頭の中にインプットされる。 それぞれのタネは、調理前の素の状態でお披露目され、その都度、会場から感嘆の声が上がる。 ■縞鰺 20日間寝かしている。 5秒間舌の上で寝かした後、噛むことを許される。 唾液が出ることによって、シャリの甘みが増幅するためだ。 少し斜め上を向いて、舌の上に乗せると、より効果的。 縞鰺の肌を舌で感じながら、口の中で馴染ませると、驚くべき一体感が得られる。 ■赤貝 ■〆鯖 熱い皿で温められた鯖から、脂がじんわりと滲み出る。 その脂をじっくりと堪能した。 酢はしみ過ぎていないため、甘みが強い。 ■ガリ 角切りのガリ。 辛みが強くて、口直しに最適。 ここで、大間の鮪の登場! 魚体は実に149kgで、今週のチャンピオン鮪とのこと。 この後、室温で休ませながら、赤身、中トロ、大トロの「素」と「漬け」の食べ比べが始まる! 【赤身 食べ比べ】 ■赤身 舌の上でタネを転がすと、艶かしく、しっとり。 ■赤身漬け 湯引きした後に漬けている。 鮪は28度で育成するのが最適らしく、鮪が喜ぶという同じ28度に温めた醤油を使用している。 甘みが強く、どことなく舌に刺激があるように感じる。 もう、ここまで来たら、幸せのオーバーヒート! あまりの感動に、食べている途中で泣きそうになっていた(笑) 【中トロ 食べ比べ】 ■中トロ 骨のすぐ側のカッティング。 鼻から抜けていく芳醇な香り。 舌との一体感が強い。 ■中トロ漬け 中トロを漬けるなんて、贅沢〜! 漬けによって、更に甘みが増す! ■生雲丹 葉が浮いたスペシャルな生雲丹! いいものを仕入れていただいた^ ^ 半熟状にするため、炙っている。 まるで舌先の神経が、研ぎ澄まされて繊細になったかのように、つぶつぶの1つ1つが感じられる。 ■寒鰤 超巨大なカッティングのため、折りたたまれる。 普通〜トロの部分を横断的に含んでおり、過去に食べた寒鰤と、香りが全く違う。 甘みより醤油が強い。 ■白子とアルバ産白トリュフ 反則的なコラボ!(笑) 白トリュフは削るのではなく、包丁でカットする。 噛む度に鼻から抜ける白トリュフの香りが、身体中に充満する感覚。 白子は口の中でとろけていく。 アルバ産の白トリュフは、私が今までに聞いた仕入れ値の最高額を更新! ■牡蠣