Yoichi Ogino

久しぶりの夜の馬車道。せっかくだから、伊勢佐木町の「太田なわのれん」と並ぶ牛鍋の老舗「荒井屋」へ。一人で牛鍋というのも間抜けな話だが、わたくしはまったく気にしません。ちやんと一人鍋の牛鍋が用意されている。このあたり人形町の今半も日山も見習ってほしいところ。極端に甘いこの割下は、まさに文明開化、伝統の味ですね。 ちなみに、酒の肴として前菜の一品料理を頼む場合は、あわてて牛鍋も注文しないこと。ほぼ同時に来てしまい、せっかくの料理が冷めてしまう。

立食パーティで利用しました。料理はしょせん立食なので評価を定めるべきではないでしょう。レセプション近くにコンフォタブルなバー空間あり。別の利用法も探したい。

狭い店内に詰め込まれますが、出てくる食べ物はどれも最高にうまいですね。前夜に入った某割烹も高評価の店でしたが、やはりこことは年季が違う。ぐわっと攻めてくる、生きている証しの得られる、うまいものに集中できる空間ですね。とにかく食べたいものを注文して、出てきたらむさぼればいい。ミシュランの最新刊では星を失ったそうですが、それが味が落ちたことを意味しているわけではないでしょう。

鶯谷と上野の中間にあります。煙い店内といい、「商談も待ち合わせも読書さえNG」という入口の貼り紙といい、豆を包んだズタ袋が戦場の塹壕のごとく店内の床に積んである光景といい、求道的なコーヒーマニア以外は、絶対に近づいてはならない聖地でしょう。こういうわがままな店は東京以外では許されない。 ドーンとくる重厚なコーヒーを楽しませてもらいましたが、その日は胃がもたれてしょうがなかったですね。コーヒーマニアには至高の空間だと思います。 以後、余談です。胃もたれを押して、その日の夜は芝居を見たのですが、劇場内が異常に寒く、体調的にはヘヴィな一日となりました。